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2024.12.04

ダイレクトマーケティング実践講座〈第12回〉顧客獲得③リピーター化のポイント

COCAMPコラムの中でも特に人気のテーマである「ダイレクトマーケティング」。この連載コラム「ダイレクトマーケティング実践講座」では、大広と協働し、様々なクライアントのダイレクトマーケティングやCRMを実行する株式会社クロスエムの中村光輝氏とともに、ダイレクトマーケティングで重要な「事業戦略」「顧客戦略・顧客獲得」「顧客育成」「フルフィル・顧客管理」の4つの領域について、現場の実践に基づき解説していきます。

(図表)ダイレクトマーケティング実践講座の全体概要

(図表)ダイレクトマーケティング実践講座の全体概要

第12回は、ダイレクトマーケティングにおける②「顧客戦略・顧客獲得」の「顧客獲得~リピーター化のポイント」から、「リピーター化」について解説します。

シリーズ一覧は、記事下部をご覧ください

リピーターとは?どのような状態の顧客?その課題は?

(図表)リピーターとは?その課題は?

(図表)リピーターとは?その課題は?

折橋
さて、「F2の壁」を越えて、2回目や3回目にサービスを利用する段階に到達したリピーターの課題について話を進めていきたいと思います。

何回かリピート購入をして、初回購入から数か月ぐらい経過した状態。この段階ではまだ顧客の継続意向は確立していないことが多いですから、継続率は高くありません。なんとなく継続している顧客も多いというフェーズです。

※顧客ステージについては、以下の記事をご参照ください。
ダイレクトマーケティング実践講座〈第7回〉顧客戦略①顧客構造と顧客ステージ


リピーターは何となく休眠・離脱してしまう。その継続意向を確立するには?

中村
この段階のポイントは、継続利用を確立するために、期待していた内容、あるいは価値の確認と納得をいかに高めていただくかというところです。

上の図では、青色が、もともと期待していた内容(価値)が継続につながっていくことを示しています。期待していた内容を確認したり、その商品価値の納得感を得たりする経験が蓄積されると継続意向が確立し、継続率が高くなっていきます。

ただ、残念ながら、この段階では顧客が期待していた商品の内容に関して、どこを見れば確認できるのか、明確でないことがよくあります。単純に商品を使うだけで、価値を判断できればいいのですが、それだけでは不十分な場合が多いです。そのため、アフターサービスを通じて、顧客が商品を使用して感じていることがどのような価値を持っているのかを伝えることが必要です。しかし、その情報が顧客に届かないと確認できないので、「今自分が使用している商品は、期待していたものと違ったのかな」と思ってしまう。その結果、休眠してしまう。

または、ある程度確認できても、深く納得するところまではいかずに、モヤモヤしてしまって、なんとなく違ったのかなと思って休眠、離脱してしまう。

折橋
言ってみれば、なんとなく継続する反面、何となく休眠・離脱もしてしまう、と。

中村
この、なんとなく離れてしまう顧客が多いということは、顧客が使用感に必ずしも不満を持っているわけではなく、価値を確認、納得できていないからです。リピーターの主な課題は初回の顧客と同じく、商品の価値を確認、納得しやすいように、情報をセグメントして提供することです。

折橋
リピーターのフェーズのポイントとしては、顧客が期待する内容(価値)を着実に顧客に確認させること、そして、 納得感を高めること。これによって継続率を高めることができる、ということになりますね。

安定リピーター化とは?何が求められる?具体策は?

(図表)安定リピーター化のために何をすればいいか?

(図表)安定リピーター化のために何をすればいいか?

折橋
それでは、「安定リピーター」への打ち手に進みます。

※「リピーター」と「安定リピーター」については、以下の記事をご参照ください。
ダイレクトマーケティング実践講座〈第8回〉顧客戦略②顧客ステージごとの特徴を詳細に解説

中村
安定リピーターになるということは、 継続率が高く安定するということです。

その手前のリピーターの段階では、顧客の継続率がまだ安定しておらず、ロイヤリティも確立されていません。不安定な状態にある顧客に対して、セールスを過度に行うと、企業への不信感を招き、結果として顧客が企業からの情報を無視するようになるリスクがあります。このフェーズでは、顧客の信頼を得て、継続的な関係性の基礎を築くことが求められます

また、多くのリピーターが購入商品のことを深くは理解していないため、リピーターの関心が高い切り口で、商品についての情報をきちんと届け、納得感を高めることがポイントになります

(写真)対談中の中村氏

(写真)対談中の中村氏

リピーター段階の顧客の関心が高い情報を届け、納得感を高める

折橋
リピーター段階の顧客にとって関心が高い切り口とは、どんなものがありますか?

商品の使い方のバリエーションを紹介する

中村
一つは、商品の使い方のバリエーション紹介です。

例えば、スキンケア商品の使用方法に関する紹介についてみてみましょう。

商品を何か月にもわたって使用している間に季節が変わり、それに伴って肌状態も変化することがあります。これらの変化は、商品の使用感や効果感に影響を与える可能性があります。ですから、季節の変わり目に、これからの季節に合わせた商品の使用方法を紹介することで、商品を長く使用し続けられる安心感を提供することができます。それが、商品への理解を深め、満足度を高めることにつながるのです。

折橋
顧客の悩みや課題を理解し、適切なタイミングで、役立つ情報を提供することで安心感につながるということですね。

また、ブランドへの信頼も高まりますね。商品をずっと長く、安心して使い続けられると思えるよう、使用方法を丁寧に伝えることは、切り口のひとつになりますね。

顧客による商品レビューや体験談も効果的

中村
もう一つは、アンバサダーハリケーンモデルにも絡んできますが、商品レビューは、この段階の顧客には非常に響く切り口です。

企業が商品の良さを宣伝するよりも、実際に商品を使用している「お客様の生の声」や「体験談」は、より説得力があります。同じ悩みやニーズを持つ「お客様の感想」を見ることで、顧客は商品の使い方やそのベネフィットを再発見し、自分に合った使い方や商品の価値に気づくことができます。商品レビューを通じて、顧客は期待していた価値を再確認し、商品への信頼と満足感を高めることができるのです。

折橋
アンバサダーハリケーンモデルでは、企業の発言はいいことしか言わないと思われており、顧客のレビューは、「信頼」があると考えています。本当のことを言っているという信頼感です。

顧客は、購入後に商品の様々な情報に触れ、ベネフィットを確認することができます。また購入後のCRM等によって、商品だけではなく、ブランドや企業の姿勢も学ぶことになります。 そこには、購入者だけが触れることのできる情報もあり、 口コミにはなかった、新しい発見をすることができます。

そういう情報に触れ、ますます商品のベネフィットを実感することで、その商品が好きになったり、“ハマる”状態になったりするのです。

 (写真)対談中の折橋氏

 (写真)対談中の折橋氏

中村
そうですね。商品の価値を確認することで、納得感が高まる。すると、継続意向が高まり、継続率はアップする。結果として安定リピーターになります。

値引や割引、セールを行うのは注意が必要

中村
しかし、リピーターの段階では、必ずしも顧客の継続率が高いわけではありません。そのため、購入を促すために値引き割引やセールを行うことがありますが、これが頻繁になり過ぎると、「よく安売りをする」とか「セールスがしつこい」といったブランドイメージを与えてしまう恐れがあります。

折橋
ただ値引き割引を提供するだけでは、長期的な良い顧客に育成することはできません。顧客が必要とする情報を適切に届け、顧客に喜んでいただけるようなアフターサービスを提供することが、ロイヤル顧客を育てることにつながりますね

中村
短期的な利益にとらわれず、「リピーター」を着実に「安定リピーター」へと導くための戦略を考えることが重要です。

ダイレクトマーケティングにおける顧客獲得からリピーターへのポイント

(図表)顧客獲得~リピーター化のポイントまとめ

(図表)顧客獲得~リピーター化のポイントまとめ

折橋
顧客獲得からリピーター化へのポイントをおさらいしましょう。

中村
1つ目は、顧客獲得の効率とF2転換率の良いバランスを見つけることが重要です。顧客獲得に関する勝ちパターンの確立です。
2つ目は、新規顧客のアフターフォローとして、コンタクト回数を多くとって、コミュニケーションを高めていくことで、F2転換を図ること。特に、商品の使用状況ごとの顧客課題を考慮して、情報をセグメントして伝えることが大切です。
3点目として、顧客が当初に期待した商品価値を速やかに確認させる。そして納得感を高める。そういうアフターフォローがリピーター化、安定リピーター化につながるポイントです。

以上が顧客獲得からリピーター化へのフェーズのポイントです。


 まとめ

リピーターとは、初回購入後に再度購入してくれている顧客のことですが、継続意向が確立されていないことが多く、休眠や離脱のリスクが存在します。

  • リピーターに安定リピーターとなってもらうためには、期待していた商品価値を高める情報を届け、納得感を得ることが重要です。たとえば、商品の使い方を適切に伝えることで、顧客の理解と満足度を高めることができます。
  • 顧客レビューや体験談も効果的で、実際の使用者の声は商品への信頼感を高める要素となります。また、リピートしてもらうために値引きやセールを行うことがありますが、頼りすぎるとブランドイメージが損なわれる恐れがあります。
  • 顧客獲得からリピーター化へのポイントは、顧客獲得とF2転換のバランスを見つけること、フォローアップによるコミュニケーションの強化、顧客に、期待した商品価値を早期に確認させ、納得感を高めることです。

次回からは、ダイレクトマーケティングにおける③「顧客育成」に移ります。「顧客育成」の「クロスセル・アップセルのポイント」から「クロスセルの順番」についてお話していきます。

<ダイレクトマーケティング実践講座 講師>

(写真)中村 光輝中村 光輝
(株)クロスエム 代表取締役
通販会社にて18年間、CRMを中心にマーケティング業務に従事。その後、2014年に独立。主に化粧品や健康食品などのダイレクト事業を対象に、CRMのプランニングやマーケティング戦略の立案、顧客分析などをサポート。特に、ロイヤル顧客を軸とした戦略・施策のコンサルティングを多数手掛ける。

(写真)折橋 雄一折橋 雄一
(株)大広 顧客価値開発本部 顧客育成局 マネジメントリーダー
メディアバイイング、TV通販会社の営業担当を経て、ダイレクトマーケティング業務に従事。TVインフォマーシャルを中心にしたアクイジション領域から、CRM戦略立案や顧客育成プログラム立案等のクライアントサポートを推進。調査と分析を核としたPDCAと、得られた知見を統合しオジリナルメソッドを開発することに力を注いでおり、通販の顧客インサイトを可視化した「カスタマージャーニーマップ」や口コミ循環のマーケティングモデルである「アンバサダーハリケーンモデル」を開発。

ダイレクトマーケティング講座〈第12回〉はいかがでしたでしょうか?COCAMPでは、これからも、みなさまの業務に役立つコンテンツを掲載してまいります。これを機会にメルマガ登録をお願いします。

ダイレクトマーケティング実践講座講師の中村・折橋へのご質問やご相談もお待ちしています。相談フォームからご連絡ください。

「ダイレクトマーケティング実践講座」シリーズ一覧
ダイレクトマーケティング実践講座〈第1回〉事業戦略①最も重要なターゲティング
ダイレクトマーケティング実践講座〈第2回〉事業戦略②ロイヤル顧客が共感できるブランドコンセプト
ダイレクトマーケティング実践講座〈第3回〉事業戦略③事業モデル~単品リピートとクロスセル
ダイレクトマーケティング実践講座〈第4回〉マーケティング戦略①商品企画
ダイレクトマーケティング実践講座〈第5回〉マーケティング戦略②価格
ダイレクトマーケティング実践講座〈第6回〉マーケティング戦略③チャネルと販売促進
ダイレクトマーケティング実践講座〈第7回〉顧客戦略①顧客構造と顧客ステージ
ダイレクトマーケティング実践講座〈第8回〉顧客戦略②顧客ステージごとの特徴を詳細に解説
ダイレクトマーケティング実践講座〈第9回〉顧客戦略③カスタマーシェアと収益化
ダイレクトマーケティング実践講座〈第10回〉顧客獲得①獲得商品は何が良い?勝ちパターンは?
ダイレクトマーケティング実践講座〈第11回〉顧客獲得②F2の壁をどう乗り越えるか?
ダイレクトマーケティング実践講座〈第12回〉顧客獲得③リピーター化のポイント
ダイレクトマーケティング実践講座〈第13回〉クロスセル・アップセル①クロスセル施策の順番
ダイレクトマーケティング実践講座〈第14回〉クロスセル・アップセル②クロスセル施策の課題
ダイレクトマーケティング実践講座〈第15回〉 クロスセル・アップセル③クロスセルを促進するには?
ダイレクトマーケティング実践講座〈第16回〉アップセルの成否は顧客のロイヤルティの見極めにある
ダイレクトマーケティング実践講座〈第17回〉 「ファン化の壁」を乗り越えて、ロイヤル顧客を作る!
ダイレクトマーケティング実践講座〈第18回〉 ロイヤル顧客を維持するには?
ダイレクトマーケティング実践講座〈第19回〉ロイヤル顧客の育成で直面する3つの課題
ダイレクトマーケティング実践講座〈第20回〉商品配送における顧客価値を見極める
ダイレクトマーケティング実践講座〈第21回〉コンタクトセンターの「インバウンド」と「アウトバウンド」とは
ダイレクトマーケティング実践講座〈第22回〉コンタクトセンターにおける「VOCの価値」と「顧客対応品質」
ダイレクトマーケティング実践講座〈第23回〉顧客管理の基礎はデータ分析にある
ダイレクトマーケティング実践講座〈第24回〉打つべき手が見える形でデータを整理し活用する
ダイレクトマーケティング実践講座〈第25回〉CRMに欠かせない「顧客管理」、その重要な3つのポイント

この記事の著者

COCAMPダイレクトマーケティング部

(株)大広が培ってきたダイレクト・マーケティングの知見やノウハウを発信するチーム。 通販の初期から今に至るまで、変化する時代と顧客を見続けてきた第一線のプロデューサーやスタッフをメンバーに、ダイレクトビジネスの問題や課題を、顧客価値の視点から解いていきます。