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2024.03.26

ダイレクトマーケティング実践講座〈第17回〉 「ファン化の壁」を乗り越えて、ロイヤル顧客を作る!

COCAMPコラムの中でも特に人気のテーマである「ダイレクトマーケティング」。この連載コラム「ダイレクトマーケティング実践講座」では、大広と協働し、様々なクライアントのダイレクトマーケティングやCRMを実行する株式会社クロスエムの中村光輝氏とともに、ダイレクトマーケティングで重要な「事業戦略」「顧客戦略・顧客獲得」「顧客育成」「フルフィル・顧客管理」の4つの領域について、現場の実践に基づき解説していきます。

第17回は、ダイレクトマーケティングにおける③「顧客育成」の「ロイヤル顧客化」 から、「ロイヤル顧客とは」について解説します

シリーズ一覧は、記事下部をご覧ください

ダイレクトマーケティング実践講座概要の図解

<ダイレクトマーケティング実践講座 講師>

中村 光輝さんのプロフィール写真中村 光輝 
(株)クロスエム 代表取締役
通販会社にて18年間、CRMを中心にマーケティング業務に従事。その後、2014年に独立。主に化粧品や健康食品などのダイレク ト事業を対象に、CRMのプランニングやマーケティング戦略の立案、顧客分析などをサポート。特に、ロイヤル顧客を軸とした戦略・施策のコンサルティングを多数手掛ける。

 

折橋 雄一さんのプロフィール写真折橋 雄一 
(株)大広 顧客価値開発本部 顧客育成局 マネジメントリーダー
メディアバイイング、TV通販会社の営業担当を経て、ダイレクトマーケティング業務に従事。TVインフォマーシャルを中心にしたアクイジション領域から、CRM戦略立案や顧客育成プログラム立案等のクライアントサポートを推進。調査と分析を核としたPDCAと、得られた知見を統合しオジリナルメソッドを開発することに力を注いでおり、通販の顧客インサイトを可視化した「カスタマージャーニーマップ」や口コミ循環のマーケティングモデルである「アンバサダーハリケーンモデル」を開発。

最後のハードル「ファン化の壁」

折橋

それでは、今回から、ロイヤル顧客化のポイントに入りたいと思います。
改めて、顧客ステージの図をご覧ください。

1顧客ステージ

CRMには3つの壁があります。「F2の壁」を超えてリピート購入に至り、「クロスセルの壁」を超えて、クロスセルリピートを始める段階にきて、最後に「ファン化の壁」があります。最終的にお客様をファンに変えるという大きな壁があります。この壁を乗り越えて、ロイヤル顧客へと進化していくことになります。

中村
別の角度から見ると、クロスセルで商品を複数購入しても、そのブランドに対して「ファン」であるとは限りません。商品をたくさん買ってはいるけれど、マインド的に「ファン」とは言えないお客様が意外と多くいるものです。

そのため、ロイヤル顧客がどれくらいの数いるかはさておき、「ファン」や「アンバサダー」がどれだけいるかが、今後のダイレクトビジネスにおいて非常に重要なポイントだと考えます。

参考:ダイレクトマーケティング実践講座〈第7回〉「顧客戦略」は顧客ステージで変える

折橋
それでは、どうやってこの最後のファン化の壁を越えてロイヤル顧客、アンバサダーといった優良な顧客を増やしていくのかについてお話をしていきたいと思います。

2ロイヤル顧客とは

中村
ロイヤル顧客というのは、ブランドが目指す理想のペルソナ像ということが言えると思います。お客様ではあるんですけれども、一緒にそのブランドを作っていく、共創する立場になっているので、もはや社員と言ってもいいぐらいだと思います。

長期愛用者である顧客は、新入社員よりも商品やサービス、企業のことをよく知っている、ということもよくある話です。

折橋
継続率、クロスセル率、年間購入金額など、アクション指標もMAXな状態ですね。ほとんど離脱することなく継続的に購入を続けています。NPS(ネットプロモータースコア)も安定して高い。顧客期間もかなり長く、情報到達度も高くなります。さらに、口コミでの紹介が多く、企業を応援する意欲が強いため、その企業が実施するアンケートへの協力やイベントへの参加率も高いですね。

中村
ただ、ロイヤル顧客の数について言えば、全体の顧客数からすると少数で、一般的には全体の約3%5%程度です。しかし、この3%5%のお客様を増やすことこそが重要なのです。

ロイヤル顧客とクロスセル顧客を分けるもの

中村
ロイヤル顧客とその一段前のクロスセル顧客とは何が違うのかということを、これからお話したいと思います。
下図をご覧下さい。

3ロイヤル顧客とクロスセル顧客の違い

横軸のアクションロイヤルティは、顧客がどれだけ頻繁に購入し、どれだけの金額を使っているかを示しています。LTVと言ってもよいですね。ロイヤル顧客はこの点で高い数値を示しますが、クロスセル顧客も十分に高い数値を持っています。

しかし、最も大きな違いは、マインドロイヤルティと呼ばれる心理的な指標にあります。ロイヤル顧客はこのマインドロイヤルティが非常に高く、且つ安定しており、これが大きな特徴と言えます。

折橋
マインドロイヤルティとは、顧客のブランドや企業に対する心理的なロイヤルティや愛着を指しますね。ブランドを信頼し、支持し、推奨する意向が含まれます。 これは、心理的なものですから、購買のような数値で表すことが難しいので、アンケートをとって、NPS等で代用して指標化します。

中村
マインドロイヤルティが安定して高いことが、顧客の購入金額が安定して高いことのベースにあると言えます。言い換えると、ロイヤル顧客の中でマインドロイヤルティが低い顧客は存在せず、マインドロイヤルティがそこそこの顧客もほとんど存在しません。要するに、マインドロイヤルティが高い顧客だけが、ロイヤル顧客と言えるでしょう。

それに対して、クロスセル顧客というのは、マインドロイヤルティが高い顧客もいれば、そこまで高くない顧客も一定の割合で存在します。クロスセルが何となく自然に効果を発揮し、複数アイテムを併買している顧客であっても、必ずしもそのブランドのファンであるとは限りません。そういった、ブランドに対して深い思い入れのない顧客も、クロスセル顧客の中には一定数いるのが特徴です。

折橋
ロイヤル顧客とは、アクションロイヤルティもマインドロイヤルティも両方とも高い顧客。

クロスセル顧客とは、アクションロイヤルティは高いが、マインドロイヤルティは高くない人も混在しているということですね。

中村
はい。マインドロイヤルティが何らかのきっかけで不安定になると、その結果として購入金額が増減してしまう。たとえば、クロスセル顧客が以前は3つの商品を買っていたのが2つに減ったり、また3つに増えたり、時には1つになるという状態になったりします。
ここが、ロイヤル顧客とクロスセル顧客の違いの一つと言えるでしょう。

折橋
ロイヤル顧客は、マインドロイヤルティが安定して高いから、購入金額も安定して高い。クロスセル顧客はマインドロイヤルティが何かのきかっけで不安定になることがあり、購入金額もそれに伴い増減してしまうということですね。

中村
それを年間の購入金額という視点で見たものが下の図になります。縦軸は年間購入金額、横軸は年数をイメージしてください。

ロイヤル顧客の年間購入金額は、マインドロイヤルティの高さゆえ、高く安定していることがわかります。例えば、過去5年間の購入金額を追ってみると、ロイヤル顧客は高い年間購入金額がずっと維持されています。

4年間購入金額の安定感

中村
一方、クロスセル顧客については、年間購入金額は比較的高い顧客ですが、推移を見ると、購入金額が高い年もあれば、低い年もあるという変動が見られます。つまり、クロスセル顧客は購入金額に一定の不安定さがあると言えます。

売上上位の優良顧客と思っても、実際には不安定な状態にある顧客が大半というのが、多くの企業の実態です。また「うちの会社は、ロイヤル顧客がなかなか増えない」という企業は、「ロイヤル顧客」と「クロスセル顧客」を適切に識別できていないことも多いです。

年間購入金額が低くなった時に、企業側が顧客に対する対応を悪くするのはおかしいですが、実際には購入金額が高い時には顧客を特別扱いし、金額が低くなると普通の対応に戻ることがあります。これは、1年間の購買実態で顧客を評価したことによって起こる事象で、仮に累積年数で顧客を評価していたら、異なる結果になっていたかもしれません。

このような不一致な対応は、顧客にとって企業の姿勢が一貫していないと感じさせてしまう可能性があります。その結果、顧客のマインドロイヤルティが高くならず、ロイヤル顧客になりにくいというケースがあります。短期的な顧客評価のみで判断してしまったがゆえに、長期的に見て高い収益貢献をしてくれる顧客の信頼を失っていたとしたらもったいないですね。

折橋
ロイヤル顧客とクロスセル顧客の違いは、顧客側の要因によるものもあれば、企業側の対応によるものもあると。
顧客の購買行動をきちんと見て、顧客の把握をすることが重要なんですね。

ロイヤル顧客の3要素

中村
ロイヤル顧客の3要素についてお話しします。図をご覧ください。

5ロイヤル顧客の3要素

中村
左上の「アクション」という要素は、いわゆるRFMです。
累計購入金額が高く売上げ貢献度が高い、累計購入回数が高く継続してたくさんの利用回数がある、そして、長年愛用し続けてくれる。継続率も高いし、お客様としての顧客期間が長く(10年愛用、20年愛用など)ブランドを愛用し続けてくれる。
このように、アクション指標が高いというのはロイヤル顧客ならではということが言えます。

次に、「マインド」という要素ですが、こちらはマインドロイヤルティです。
ファンはブランドに対する好感度や共感度が高いです。また、継続的にブランドを利用したいという意向が強かったり、NPSが高いことも、マインドロイヤルティの高さを示しています。ロイヤル顧客はこの点で安定して高い評価を持っています。さらに、積極的に口コミを広めたり、ブランドを応援する意向が強いことから、いわゆる「アンバサダー」度が高いとも言えるでしょう。このようなマインドの指標も、ロイヤル顧客は高いです。

3つ目の要素として「コンタクト」があります。アクションとマインドは比較的理解しやすい概念ですが、これらをつなぐのがコンタクトです。

顧客が商品購買以外の機会でも、ブランドとどれだけ接点(関わり、つながり)をもっているかを示します。たとえば、自分に合ったタイミングで適切なサービスを利用していたり、何か疑問を感じた時に積極的に質問や相談をしていたりします。また、電話での会話中に要望を多く伝えたり、自分の好みやアレルギーなどをしっかりと企業側に伝えたりすることで、顧客は企業やブランドと多くの接点を持ち、サービスを上手に利用しています。

例を挙げると、通販ビジネスにおいては返品や交換がありますが、実は返品や交換の経験がある顧客の中に、意外とロイヤル顧客が多いケースもありました。これは、そういったサービスを顧客がきちんと理解して上手に利用しているということを示しています。

中村光輝(@COCAMP)また、顧客が企業から届く情報をどれだけ重要視しているかも、ロイヤル顧客の特徴の一つです。テレビやWEBなど多くの情報の中でも特に、愛用する企業からの直接的な情報を重要と考えるのがロイヤル顧客です。ダイレクトメールやメールマガジンをしっかりと読み、理解し、情報が届くことを楽しみにしています。逆に言えば、ダイレクトメールを送らないでほしいとか、メールを全く読まないというロイヤル顧客はほとんどいなかったですね。

さらに、顧客が企業に対して積極的に「声」を伝えるという点も重要です。ロイヤル顧客は、アンケートの回答率が高く、自らの意見を企業に提供することが多いです。これはVOCVoice of Customer:顧客の声)といいます。ロイヤル顧客から届く声の件数は多い傾向にあります。これは、顧客がブランドや企業を信頼しており、意見を伝えれば適切に聞き入れられ、活用されるという信頼感から、安心して声を伝えていると考えられます。

そして、ロイヤル顧客は、これらの行動を主体的に行っているということも特徴です。

折橋
ブランドとの良質なコンタクトやコミュニケーションがあるということは、素晴らしい顧客体験につながり、それがロイヤル顧客になるための要素であり、またロイヤル顧客である証でもありますね。

アクション、マインド、コンタクトという3つの要素が高いレベルと最適なバランスで組み合わさり、それによって高いロイヤルティが築かれていくのですね。

中村
これは、どんな業種やブランドにも当てはまる、ロイヤル顧客の共通した特徴だと言えますね。

ロイヤル顧客の効果とは?

折橋
ロイヤル顧客の存在がビジネスにどのような効果をもたらすのか、に移りたいと思います。

ロイヤル顧客の数自体はそれほど多くはないと。でもそれだけフォーカスしていく価値があるということですよね。

中村
ロイヤル顧客の効果というのは、お客様自身が購入した収益が高いことはもちろんなんですけれども、ロイヤル顧客自身以外の収益、あるいはコスト削減ということも挙げられます。
こちらの図で説明します。

6ロイヤル顧客の効果

クロスセルを行う顧客から収益が大きく増加し始めることが一般的です。よく言われる「パレートの法則(20:80の法則)」に基づくと、クロスセル顧客とロイヤル顧客が収益の大部分を占めることになります。また利益の観点から見れば、ロイヤル顧客は自分自身の購入だけでなく、口コミ拡散した顧客からの収益も大きく増やす特徴があります。

折橋
ロイヤル顧客がもたらす直接的な効果だけでなく、間接的な効果もあるということですね。

中村
直接的な効果には、顧客の継続率が高いことや、ブランドスイッチをほとんどしないという点があります。また、年間の購入金額が高く安定していること、結果として累積購入金額が高くなることも含まれます。値引きオファーを提供しなくても購入してもらえるので、利益率が良くなります。これらは長期的な事業のベースになっていくという意味で、直接的な効果と言えるでしょう。

間接的な効果は、ロイヤル顧客は良質な口コミを広め、新しい見込み客や新規顧客を紹介してくれることがあります。また、企業が行う調査への積極的な協力や、有益なVOC(顧客の声)を主体的に、積極的に発信することで、マーケティングコストの削減に貢献してくれます。これらは事業の利益率を向上させる効果があります。

折橋
ロイヤルティの高い顧客は、顧客数自体が少なくても、ロイヤルティが高まるほど、顧客自身の購入以外からもたらされる収益効果が高まる。そのため、少数でもロイヤルティを向上させ、大切にすることには大きな価値があると言えますね。

中村
よく使われる用語に「LTV」があります。多くの方がご存知かもしれませんが、簡単に説明すると、LTVは「ライフタイムバリュー」の略で、顧客の生涯価値を意味します。具体的には、顧客がある企業やブランドの商品を初めて購入してから、最後もしくは最近の購入までの期間における収益(売上を指す場合もあります)の総額を指します。

一般的にロイヤル顧客は生涯にわたって高い収益を安定して生み出すため、高いLTVを持つ顧客と言えます。事業を運営するにあたって、安定した収益基盤を構築することは非常に重要ですが、ロイヤル顧客はそれに不可欠な存在です。

折橋
LTVが重要視されるようになったのは、さまざまな業界で新規顧客の獲得が次第に困難になっているという状況があるからですね。企業の収益と存続を支えるためには、既存の顧客を大切にし、維持することがますます重要になっています。この視点からLTVの概念が注目を集め始めました。

7LTV

中村
ちょっと異なる見方としては、事業や顧客を評価する際に、短期間での売り上げや利益といった近視眼的な指標ではなく、長期的な視点に立って収益を生み出す顧客に焦点を当てる考え方が増えているからです。この視点は、事業の長期的な安定性を測る上で重要となっており、その結果、LTVという指標が重要視されています。

ダイレクトレスポンスとLTVは、一見すると対立する考え方のように感じられるかもしれません。ダイレクトレスポンスは短期的な成果に注目するのに対し、LTVは長期的な顧客価値を重視します。しかし、これらは排他的ではなく、実際には事業を運営する上でバランス良く組み合わせるべき要素です。考え方としては異なる方向を向いているように見えますが、実際には互いに補完し合うべきだと考えられます。

折橋
確かに、ダイレクトレスポンスは、広告や販促を打って、それによる直接的な売上げがどれだけ得られたか?に注目しがちですが、施策の対象がいつも売上げを高く見込めるロイヤルティの高い顧客などにフォーカスしてしまう。そうすると、今はレスポンス率が低いけれども、将来ロイヤル顧客になり得る顧客を育成する施策が手薄になる。その結果、顧客基盤がぜい弱になり、収益が安定成長しなくなってしまう。だからこそ、獲得した顧客を少しでも長く継続購入していただき、累積収益を高めることを考えるLTVに注目し、そこまで含めてトータルで考えるようになってきました。

折橋雄一(@COCAMP)中村
LTV、つまり顧客の生涯価値は具体的にどういう値を指すのかというと、多くの場合は顧客の累計購入金額を用いています。

しかし、最近では売上だけでなく利益にも注目する企業が増えています。利益を基にしたLTVを計算する場合は、売上からコストを差し引いた利益額を測定する必要があります。これを行うには、コストデータを正確に集計し、マーケティングデータベースに蓄積する作業が必要です。まだ一般的ではありませんが、このような取り組みを始める企業も出てきており、将来的には利益に基づくLTVの計測が増えるかもしれません。その際には、コストデータを管理するためのデータベースシステムが不可欠になるでしょう。

優良な新規顧客を生み出す「アンバサダー」

折橋
ロイヤル顧客に関連するもう一つの重要な概念が「アンバサダー」です。
アンバサダーはロイヤル顧客からさらに一歩進んで、その企業・ブランドを応援し、他の人にも勧める行動をとる人々を指します。

中村
顧客ステージで、初回購入からリピーター、安定リピーター、クロスセル顧客、ロイヤル顧客に進んでいきますが、このロイヤル顧客が、新しい顧客を生んでくれる。プラスのスパイラル効果ということになります。

ロイヤル顧客の説得力のある推奨や魅力的な口コミは、より優良顧客になりやすい新規顧客を誘引してくれます。

企業が自社の商品を褒め称えるのはセールストークに聞こえがちですが、ユーザーがユーザーに対して紹介してくれるという意味では、非常に説得力があります。特にロイヤル顧客は、そのブランドの良さについて、自分が体験したオリジナルなエピソードを交えて紹介してくれます。そういった情報をもとに商品を買い始める新規顧客は、比較的高い確率で優良顧客になる傾向があります。

折橋
そうですね。広告は良い面を強調して表現するし、そのことを生活者も理解している。しかし、ユーザーの口コミは、本当のことを言っているという信頼があります。この信頼感が購入決断に大きな影響を与えます。

中村
ロイヤル顧客は、ブランドに対して高いロイヤルティを持っており、そのために説得力のある魅力的な意見を持っています。これらの質の高い口コミは、直接の会話やサイトへの投稿などを通じて届けられます。その魅力的な口コミを見た人は、広告コピーよりもブランドに高い関心を持ってくれるという傾向ことがあります。その結果、ブランドに関してより深く知るために、ブランドのホームページを訪れ、関心のあるコンテンツにアクセスします。これにより、購入する前にブランドの核となる価値やコンセプトを理解し、ブランドへのロイヤルティを感じるようになります。商品を使い始めた時点で既にブランドへの好意が形成されているため、リピート購入されやすく、優良顧客になる可能性が高まるわけです。

折橋
まさに、アンバサダーが次のロイヤル顧客やアンバサダーを生むという良い循環が起こっていくことになる。

中村
私の経験ですが、ロイヤル顧客による口コミ由来の新規顧客には、値引きや割引を提供することが逆効果になることがあります。実際、値引きをする必要はなく、しないほうが優良顧客へとスムーズに移行することが多いです。ロイヤル顧客を増やすことは、結果的に質の高い新規顧客を増やすことにつながります。これが、いわゆるアンバサダー効果と呼ばれるものです。

8アンバサダー効果

次回は、ダイレクトマーケティングにおける③「顧客育成」の「ロイヤル顧客化」 から、「ロイヤル顧客の維持」について解説します。

「ダイレクトマーケティング実践講座」シリーズ一覧
ダイレクトマーケティング実践講座〈第1回〉「ターゲット」を見極める
ダイレクトマーケティング実践講座〈第2回〉コンセプトづくりのコツ
ダイレクトマーケティング実践講座〈第3回〉 「事業モデル」で戦略が異なる
ダイレクトマーケティング実践講座〈第4回〉「商品企画」における重要ポイント
ダイレクトマーケティング実践講座〈第5回〉安定した利益を生み出す「価格」設定とは?
ダイレクトマーケティング実践講座〈第6回〉ロイヤル顧客を生みだすための「チャネル」「販促」の考え方
ダイレクトマーケティング実践講座〈第7回〉「顧客戦略」は顧客ステージで変える
ダイレクトマーケティング実践講座〈第8回〉戦略のベースとなる5つの「顧客ステージ」とその特徴
ダイレクトマーケティング実践講座〈第9回〉収益化はロイヤル顧客がカギを握る
ダイレクトマーケティング実践講座〈第10回〉顧客獲得に向けた商品選定と戦略思考
ダイレクトマーケティング実践講座〈第11回〉最初のハードル「F2転換の壁」をどう乗り越えるか
ダイレクトマーケティング実践講座〈第12回〉リピーターを育てるコミュニケーションの要諦
ダイレクトマーケティング実践講座〈第13回〉ブランドへの信頼を築きクロスセルに導く
ダイレクトマーケティング実践講座〈第14回〉第2のハードル「クロスセルの壁」をどう乗り越えるのか
ダイレクトマーケティング実践講座〈第15回〉 徹底した顧客の理解がクロスセルを促進する
ダイレクトマーケティング実践講座〈第16回〉アップセルの成否は顧客のロイヤルティの見極めにある
ダイレクトマーケティング実践講座〈第17回〉 「ファン化の壁」を乗り越えて、ロイヤル顧客を作る!
ダイレクトマーケティング実践講座〈第18回〉 ロイヤル顧客を維持するには?
ダイレクトマーケティング実践講座〈第19回〉ロイヤル顧客の育成で直面する3つの課題
ダイレクトマーケティング実践講座〈第20回〉商品配送における顧客価値を見極める
ダイレクトマーケティング実践講座〈第21回〉コンタクトセンターの「インバウンド」と「アウトバウンド」とは
ダイレクトマーケティング実践講座〈第22回〉コンタクトセンターにおける「VOCの価値」と「顧客対応品質」

この記事の著者

COCAMPダイレクトマーケティング部

(株)大広が培ってきたダイレクト・マーケティングの知見やノウハウを発信するチーム。 通販の初期から今に至るまで、変化する時代と顧客を見続けてきた第一線のプロデューサーやスタッフをメンバーに、ダイレクトビジネスの問題や課題を、顧客価値の視点から解いていきます。