これまでのコラムで、TVインフォマーシャル全般におけるレスポンス向上のための表現・演出や、構成に不可欠な要素について解説してまいりました。
前回は「サプリメント」のインフォマーシャルの表現ノウハウについてもお話ししましたが、それに続く第2弾です。
今回は、「スキンケア」ジャンルに焦点を当て、インフォマーシャルにおいて、どのような表現が視聴者の心に響き、効果をもたらすのかを深掘りしていきます。
サプリメントとスキンケアは、通販市場における二大ジャンルですので、このジャンルでのインフォマーシャル表現を突き詰めていくことは非常に有意義だと考えます。
ジャンル別に分ける意味は、それぞれのジャンルごとに特徴的な表現の仕方や心に刺さる表現の仕方があるためです。もちろん、基本的には同じ要素もありますが、細かい点が異なるため、ジャンル別に分けて詳しく説明いたします。
このノウハウは、実際の購入者やモニターの方々へのアンケート調査という二つの手法を用いて、何が効果的な表現なのかを探索した結果に基づいています。
実際の事例に基づいたシーンについて、新たに生成AIを活用して特徴が分かりやすいように画像を作成しました。
参考:シリーズ「今こそ、インフォマーシャル!」⑤良いインフォマーシャルはこうつくる!|COCAMP 顧客と共創するDAIKOのマーケティングポータル
シリーズ「今こそ、インフォマーシャル!」⑥ レスポンスがとれる制作ノウハウ全公開! 【表現・演出編】
シリーズ「今こそ、インフォマーシャル!」⑦レスポンスがとれる制作ノウハウ全公開! 【マスト構成要素編】
【成功ノウハウ】売れるインフォマーシャルの作り方①|サプリメントジャンルの6大マスト要素
なぜ売れる?TVインフォマーシャルが持つ4つの強み
TVインフォマーシャルは、現在、日本では、基本的には29分間の番組コンテンツになります。コンテンツをTVで放送することで大きなインパクトを生み出し、購入意欲を掻き立てます。
2分~3分の短尺のインフォマーシャルもありますが、そちらについては、また解説します。
TVインフォマーシャルの強みを整理します。
①29分という圧倒的な時間で商品を詳しく説明できる
インフォマーシャルは通常29分です。15秒CMに換算すると、116回分の時間が商品の販売のために自由に使えます。もちろん、薬機法等や公正取引法などの法令により表現上の制約はありますが、それでも29分という時間を使って自由に商品を説明することができます。
②商品を魅力的に伝えることができる
躍動感のある映像とコメント、さらにシーンに適した音楽や効果音を駆使することで、より説得力のある表現が可能で、それにより商品を魅力的に伝えることができます。まさにTVのバラエティーショーなどに匹敵するエンターテイメント性を加えることができますから、見ている人を引き込みます。
③感情を伝えることができる
例えば、愛用者の喜びの声や表情などが、体験談というストーリーとともに、感情に訴えます。
また、実演・デモンストレーションなどでは、映像表現と音のインパクトで見ている人の感情を揺さぶります。 このような劇的な印象を与えることができますから、「買いたい」という気持ちに火が付きます。
④負担がかからないメディア
視聴者は何となくTVをつけている。意図せずに見てしまう。TVはリラックスしながら、心を解放して見ています。心を開放しているので、素直に情報に接触していただけます。さらに長時間の視聴も自然にできます。これはとても重要な要素であり、TVという媒体で視聴するからこそ得られる効果的なポイントです。
このようにTVインフォマーシャルは、TVという媒体の良いところを活用して、商品を説明し、販売することができる手法なのです。
スキンケアのインフォマーシャル表現5つのマスト要素~事例解説
スキンケアのインフォマーシャル表現5つのマスト要素
調査分析の結果、スキンケア商品のTVインフォマーシャルにおいて、視聴者の心を動かし、購買につなげるためには、特に重要ないくつかの「マスト要素」があることが分かりました。これらが番組に含まれていないと、顧客の心には刺さりません。
スキンケアのインフォマーシャル表現には5つのマスト要素があります。
影響力が高い順に並べると、
①体験談
②実演・デモンストレーション
③成分メカニズムの解説
④開発者・担当者の秘話
⑤問題提起
になります。
インフォマーシャルを制作する上では、これらの要素をいかに効果的に盛り込んでいくかが課題となります。
それでは、各要素について、具体的な制作ノウハウを詳しく見ていきましょう。
実際の事例に基づいたシーンについて、新たに生成AIを活用して画像を作成しました。
① 最も重要!「体験談」の8つのポイント
体験談はインフォマーシャル全体としても最も強い要素です。実際に商品を使った人がどのように感じ、どのような生活を送っているのかという商品ベネフィットが最もよく伝わります。体験談には8つの示唆があります。
愛用者ならではの触感を語り、疑似体験しやすくする
<示唆①>
愛用者ならではの触感を語り、疑似体験しやすくする
〇:「しっとりなのにサラッとしている」「もちもちしている」「吸い付くような感じ」といった、使用者ならではの食感や使用感を語らせる。
オノマトペ(擬音語や擬態語)は直感的に伝わりやすく、印象に残りやすい強力な表現です。愛用者を撮影する際に、これらの言葉を引き出すことが重要です。
ビフォーアフターで語る
<示唆②>
ビフォーアフターで語る
〇:「出産や介護で傷んだ肌が、使ってからは前向きになり外へ出るのもイヤでなくなった」など。
体験者の方の、どんな悩みから商品を使用し、現在どうなったかというストーリーを語っていただくことで、視聴者は感情移入しやすくなります。
例えば、出産や介護で傷んだ肌が、商品を使ってからは前向きになり、外出も嫌でなくなったといった変化です。悩みが解決されて笑顔になった表情を見せることで、効果をリアルに伝えられます。肌の悩みを抱えていた方が、商品を使って状態が良くなり笑顔で語ることで、視聴者は「私もそうなりたい」と共感できます。体験談は必ずビフォーアフターで語ることが重要な要素です。
肌のきれいな愛用者を見せる
<示唆③>
肌のきれいな愛用者を見せる
〇:自分もこうなりたいという思いが買いたい気持ちにつながる。肌や髪を引き立てる輝く笑顔も重要。
「自分もこうなりたい」という思いが購買意欲につながります。商品を使っている方の肌がきれいであること、そしてそれを引き立てる輝く笑顔が非常に重要です。視聴者は、愛用者の方の表情や様子を見て感じ取ります。例えば、40代の女性が「肌がすべすべで、年より若く見える」と言われることで、視聴者は「私の肌にも合うかもしれない、ぜひ試してみたい」と感じ、強い引きになります。
肌が明るく見えるような工夫をする
<示唆④>
肌が明るく見えるような工夫をする
〇:全体に明るくして、肌が明るく見えるように背景を明るくする。
撮影や編集の工夫で、肌を明るく見せることが大切です。なるべく明るい場所で撮影し、映りを良くすることはもちろんですが、編集で明るさを調整し、肌が明るく見えるようにします。暗い場所や黒い背景での撮影は避け、明るいリビングルームなどで適切に照明を当てて撮影することをおすすめします。
実際に自宅で商品を使用しているシーンを見せる
<示唆⑤>
実際に自宅で商品を使用しているシーンを見せる
〇:実際の使い方がわかり、疑似体験できる。
愛用者のご自宅に伺い、実際に商品を使用しているシーンを再現していただくことで、視聴者は「この人が実際にどのように使っているのか」を知り、リアルな疑似体験ができます。モデルがお手本を見せるだけでなく、「私はこのように使っています」という実際のシーンを見せることで、非常にリアリティが増します。
例えば、コンタクトをつけたまま洗顔している様子を見せることで、「こんなに簡単に使用できるならいいな」と感じさせ、視聴者に商品を使っている自分を強くイメージさせることができます。これはインフォマーシャルで非常に重要な疑似体験ができるシーンです。
読者モデル風の親しみと憧れを感じさせる人を見せる
<示唆⑥>
読者モデル風の親しみと憧れを感じさせる人を見せる
〇:肌がキレイなだけでなく、ヘアスタイルや服装も、フェミニンな雰囲気に演出。
どのような人を見せるべきかという点では、肌がきれいであることや笑顔が素敵であることはもちろんですが、ヘアスタイルや服装をフェミニンな雰囲気にすると、親しみと憧れを感じさせやすく、良い印象を持っていただけます。「ああいう人になりたい」という気持ちを強く抱かせることができ、工夫次第で効果を高められます。
母と娘でベネフィットを語る
<示唆⑦>
母と娘でベネフィットを語る
〇:二世代で使用できるので長く使えることを伝達したり、姉妹に見えることが若さを伝達。
女性用スキンケア商品の場合、母娘二世代で同じ商品を使っている様子を見せることで、「二世代で使用できる」「長く使える」といったメッセージを伝えられます。また、ストーリーがあると、うまくベネフィットを伝えることができます。
例えば、友達と会った時にお母さんが一緒だと「若いね」と言われるシーンは、高校生の娘と姉妹のように楽しそうに語る姿が視聴者の羨望を誘い、「私もそうなりたい」と感じさせる強い引きとなります。調査でも「本当に姉妹に見える、効果があるかも」という反応が出ており、母娘は非常に強力なキーワードになります。
第三者が愛用者を褒める
<示唆⑧>
第三者が愛用者を褒める
〇:周囲の評価は効果のエビデンスとなる。特に子どもの率直なコメントでリアリティが増す。
第三者(商品を使っていない方)が、愛用者を評価し、褒めるシーンを見せるのは効果的な表現です。周囲の評価は効果のエビデンスとなり、視聴者は自分が商品を使ったときに周りの人からどう言われるかを想像できます。特に、子供が愛用者を褒めるシーンはリアリティが増し、信憑性が高まります。例えば、子供が「ママの方がツルツルだね」と褒めることで、「正直な子供が触りたいと感じる肌になれるんだ」と視聴者に強く印象付け、購入意欲を促進します。
② インパクトが大切!実演・デモンストレーションの6つのポイント
2番目になりますが、これもインフォマーシャルにおいて非常に重要な要素です。体験談は商品ベネフィットを感じることができるのに対し、実演・デモンストレーションは、商品USPを見せ、納得させることができます。6つの示唆があります。
実際に使用シーンを見せることで疑似体験させる
<示唆①>
実際に使用シーンを見せることで疑似体験させる
〇:スキンケアのデモを行うモデルは実際に顔や手を使い、中味を出して塗って見せる。
×:デモンストレーションにフォーカスしていない
スキンケアのデモンストレーションでは、実際に顔や手を使って中身を出し、塗ってみせるシーンを必ず入れます。手の甲に塗るだけでなく、実際に顔に塗って見せることで、デモモデルがすっぴんの顔に塗る様子から、使用方法がきちんと分かり、視聴者は自分が使用している際の疑似体験ができます。
逆に、商品パッケージと使用シーンの画面を半々に割ってしまい、デモ画像が小さすぎると、視聴者に情報が伝わらず、記憶にも残りません。見せるべきところにきちんとフォーカスし、デモンストレーションを明確に見せることが重要です。
肌に塗った時のテクスチャーをアップで見せる
<示唆②>
肌に塗った時のテクスチャーをアップで見せる
〇:アップで詳細に見せることによって、使用感を疑似体験させる。セルフ撮影も有効。
肌に塗っているところを詳細に、かつ、アップで見せることで、使用感を疑似体験させます。例えば、すっぴんで塗っている部分をアップで見せることで、色、伸び感、使用量などが分かり、「顔に水分が行き渡りそうだな」と視聴者に感じさせることができます。自分で撮影し、「ほら、こんなに」と見せるのも効果的で、リアリティが増します。
体験モニターでビフォーアフターのギャップを見せる
<示唆③>
体験モニターでビフォーアフターのギャップを見せる
〇:使用後の肌の変化を、実感ワードで魅力的に表現。変化は数値で明確に示す。
×:テカテカ、ベタベタはNG。
「しっとり」「ツヤッと見える」といった、テレビ上で魅力的に見える肌感が非常に重要です。
50代の主婦が年齢を感じさせない艶やかな肌を見せることで、「肌がつるつる、ツヤツヤしている」といった感想を引き出します。
ただし、やりすぎると「テカテカ」「ベタベタ」といったネガティブな印象を与えてしまい、「自分に合わない」と購買意欲を失わせる可能性があります。撮影や編集で、魅力的に見える範囲で肌を見せることが重要です。
商品を接写し、質感や色、量、テクスチャーを伝える
<示唆④>
商品を接写し、質感や色、量、テクスチャーを伝える
〇:形状が良く見えるように、透明のカップや皿を使う。半透明や透明の容器に入っていることも効果的。
×:パッケージだけでは、中味の様子がわからない 。
スキンケア製品の色、質感、テクスチャーがよく見えるように伝えます。半透明の容器に入った商品や、手のひらに直接出して見せるなど、商品の形状を具体的に見せることで、視聴者にイメージを喚起させます。
例えば、美容液をドロッと出すことで「すごく濃厚な美容液だ」と感じさせ、水っぽいものより成分が豊富だと連想させることができます。商品特徴や成分特徴を織り交ぜて説明することで、より伝わりやすくなります。
逆に、商品パッケージの外装しか見せないと、中身の様子が全く分からず、視聴者は反応できず、疑似体験もできません。液体やクリームの様子を、取り出す、落とす、透明ボトルに入れ替えるなどして具体的に見せることが非常に有効です。パッケージばかり見せても、実際の商品がどうなのかが分からないと、購買意欲はなかなか起きません。
商品の量、セット内容などを効果的に見せる
<示唆⑤>
商品の量、セット内容などを効果的に見せる
〇:見ている人は、「従来自分が使ってきた商品とどのように違うのか」を知りたくて見ている。
商品の量やセット内容を視覚的に効果的に見せることです。例えば、フェイスマスクが100枚入っている商品の場合、箱の中に入っているだけでなく、実際に100枚を机の上に並べて見せることで、「これだけあれば何回でも使える」「毎日たっぷり使える」ということを実感させられます。視聴者は、これまで使ってきた商品とどう違うのかという点に興味があります。5枚入りでは毎日使うのはためらわれるかもしれませんが、100枚入っていれば毎日たっぷり使え、「毎日使えば肌が潤う」という印象を与え、購買意欲を高めることができます。
③ いかにわかりやすくできるか?成分メカニズムの解説
商品がどのような成分で成り立っているのか、どのような成分が特徴なのか、そしてそれがどう作用するのかを解説します。これにより、視聴者はしっかりとした良い商品であることが理解できます。3つの示唆があります。
変化を測定、実験した映像を見せる
<示唆①>
変化を測定、実験した映像を見せる
〇:見ている人は、「従来自分が使ってきた商品とどのように違うのか」を知りたくて見ている。
色や大きさなど、一目で違いが分かる実験映像は非常に効果的です。また、成分含有量や肌の水分量などを明確な数字で伝えることも重要です。
例えば、色素の抑制作用に関する試験管の比較実験で、成分を加えたものが透明になっている様子を見せることで、効果が目に見えて分かり、視覚的に違いが伝わります。このような実験映像や画像がある場合は、積極的に使うべきです。
最も重要な成分にフォーカスする
<示唆②>
最も重要な成分にフォーカスする
×:フリップで成分一覧を見せても伝わらない
全成分を羅列するのではなく、最も重要な成分に絞って、具体的に説明することが大切です。単に成分名を並べるだけでは成分説明にはなりません。1~3つに絞り、その成分がどのようなもので、どのように良いのかを、特にビジュアル的に説明することが重要です。
成分作用の様子はCGアニメで直感的に伝える
<示唆③>
成分作用の様子はCGアニメで直感的に伝える
〇:実際の肌への浸透の様子や成分作用については、肌の断面図などのCGアニメによるメカニズム解説が有効。
肌にどう働きかけるか、成分がどう作用するかといったメカニズムは、肌の断面図などのCGアニメーションによる解説が有効です。実際に肌にどのように浸透し、成分がどのように効くのかをCGアニメで伝えることで、直感的に分かりやすくなります。
例えば、メラニンに働きかけるメカニズムのCGアニメは、有効成分がメラニン色素に作用する様子が分かりやすく、シミが分解される過程をイメージできます。これにより、「これを塗ると浸透してメラニンに効くんだな」と視聴者は強くイメージでき、成分やメカニズムが非常に分かりやすくなります。
④リアリティーが大切!開発者・担当者の秘話
製品がしっかりとしたエビデンスや研究開発に基づいて作られているということを、いかにリアリティを持って感じていただくかが非常に重要です。視聴者がそこに価値を感じれば、「この商品は良いものだろう、ベネフィットも期待できる」とつながります。
4つの示唆があります。
研究者・担当者はよどみなく自分の言葉で喋れる人を選ぶ
<示唆①>
研究者・担当者はよどみなく自分の言葉で喋れる人を選ぶ
×:台本の棒読みでは登場させない。
商品を販売している企業の担当者であっても、台本の棒読みではなかなか伝わりません。よどみなく自分の言葉で喋れる人を選ぶことが重要です。
良い例では、淡々と説明するのではなく、間の取り方がうまく、緊張していない様子で話すことで、視聴者は安心して説明に集中できます。素人の方が緊張して話すと、その緊張感が伝わってしまい、かえってハラハラさせてしまうことがあります。
悪い例では、MCとの対談シーンで、動きのない地味な映像と抑揚のない説明方式で、視聴者の記憶に残りません。魅力的で、商品のことをよく理解し、自分の言葉で熱心に話せる人(社長など)を選ぶことが重要です。
現場で、開発者本人が自分のこだわりを熱く語る
<示唆②>
現場で、開発者本人が自分のこだわりを熱く語る
〇:社員自ら語るメッセージは、商品に対する信頼感を高める。
開発者自身が、商品に対するこだわりを熱く語ることで、リアリティが生まれ、商品への信頼感が高まります。
良い例では、白衣を着て実験現場にいる開発者が、具体的な成分名や成分抽出の苦労話などを具体的に話すことで、研究者の苦労や情熱が伝わり、「20年もかかったとは大変だったんだな」と視聴者は感じます。
一方、悪い例では、会議室のような場所で、具体的な苦労話もなく無表情で説明されると、視聴者はネガティブに受け取ってしまい、説得力がありません。同じことを話すにしても、場所や話し方によって印象が大きく変わるため、注意が必要です。
研究所や研究開発シーンを見せる
<示唆③>
研究所や研究開発シーンを見せる
〇:白衣を着た社員による社内での研究開発シーンや研究室の様子を見せることで信頼感やリアリティが高まる。
〇:「科学的に効果が実証されている」ということで、安心感と信頼性をさらに高める。
白衣を着た社員による研究開発シーンや研究室の様子を見せることで、信頼感とリアリティが高まります。さらに、科学的に効果が実証されているイメージを与えることで、安心感と信頼性を高められます。研究員が試験管を片手に実験している様子を見せることで、「専門家がきちんと研究して開発しているんだ」ということが伝わります。
開発者・社員の肌の美しさを見せる
<示唆④>
開発者・社員の肌の美しさを見せる
〇:開発者、コールセンターの女性など、社員の肌が美しければ、より一層リアリティが高まる。
これは意外なことかもしれませんが、開発者や社員の肌がきれいなことを見せると効果的です。研究している人が自社の商品を使っているだろうと想像でき、肌がきれいであれば、より一層リアリティが高まります。
研究者の女性の自信にあふれた肌の美しさは、「すごい自信作なんだ」というメッセージを伝え、実際に使っているからこその体験談のような強さがあります。開発者だけでなく、コールセンターの女性など、商品を使用している社員の肌がきれいなことも、体験談としての効果に通じます。
⑤ 自分事化させる問題提起
商品は悩みや問題を解決するものですから、単に解決策を提示するだけでなく、その前に「どういうことが問題なのか」をきちんと問題提起として示してあげる必要があります。そうしないと、視聴者はなかなかストレートに受け止められません。問題を定義することで、視聴者は「自分ごと化」し、腹落ちします。ただし、問題を定義するだけでなく、「どうすればいいのか」と考えていただくことが重要です。4つの示唆があります。
医学博士が科学的見地から必要性を説明する
<示唆①>
医学博士が科学的見地から必要性を説明する
〇:医学博士の説明は説得力があり、必要性を実感できる 。
医学博士のような専門家(経営者である場合も含む)による説明は、説得力があり、必要性を実感させることができます。
例えば、子供の頃の紫外線蓄積が将来のシミにつながるという話を素直に受け止め、「今の対策だけでは無理だ、どうすればいいのか」と、問題を自分ごと化して前のめりになってもらうことができます。医学博士だけでなく、博士号を持つ方や管理栄養士なども同様の効果が期待できます。
メイクさん、エステティシャン等、肌に関連するプロが効果に驚く
<示唆②>
メイクさん、エステティシャン等、肌に関連するプロが効果に驚く
〇:肌を実際に触っている専門家のコメントはリアリティがあり、「私もやらなきゃ」という気持ちを起こさせる。
メイクさんやエステティシャンなど、肌を実際に触ったり扱ったりする専門家が、使用者の肌に驚きを表明するシーンです。プロのコメントはリアリティがあり、「私もやらなきゃ」という気持ちを起こさせます。
例えば、タレントのヘアメイクさんが「みんながこういう肌だとメイクする方も楽ちんだ」と話すことで、視聴者は専門家が言うことの説得力を感じます。
街頭インタビューで悩みに共感し、自分ごと化させる
<示唆③>
街頭インタビューで悩みに共感し、自分ごと化させる
〇:シミ、くすみ、シワ、たるみ、毛穴…多くの女性に共通する潜在的な肌の悩みを刺激。共感することで、自分にも必要と感じさせる。
×:単に数字で示しても共感できない
インフォマーシャルでは定番の街頭インタビューを問題提起として活用します。シミ、くすみ、シワ、たるみ、毛穴など、多くの女性に共通する肌の悩みを、街頭インタビューで語ってもらうことで、視聴者は「私もそうだ」と共感し、必要性を感じさせられます。自分と同年代の女性が悩みやその表情を話すことで、視聴者は「私と同じだ」と感じ、問題提起が力強いものになります。
一方、アンケート結果のグラフなどで「女性はシミに悩んでいる」と伝えるだけでは、印象に残りません。街頭インタビューで「どこにでもいそうな人」の声を聞くことで、「みんなそうなんだな」という印象を与え、街頭インタビューの強さを発揮できます。
グラフなどで肌の変化に対する潜在的な不安を刺激する
<示唆④>
グラフなどで肌の変化に対する潜在的な不安を刺激する
〇:加齢による肌の推移などをグラフ等で具体的に示し、危機意識を喚起。
加齢による肌の変化などをグラフで具体的に示すことで、視覚化され、感情を伴って危機感が伝わります。
例えば、加齢とともにコラーゲンが減少していくグラフを見せることで、視聴者は「全然知らなかった、驚きとともに自分は大丈夫かと不安になった」「こんなに減ってるんだ、じゃあ私何歳だけど大丈夫なの?補わなきゃいけないんじゃないの?」と強く刺激され、問題提起となります。
このように、肌の変化に対する潜在的な不安を、グラフなどで視覚的にイメージさせることで、いかに「自分ごと化」させるかが重要です。
インフォマーシャルでは、お客様が「知りたい」「見たい」ものは何なのかを、制作者側が突き詰めて考えていくことが重要です。例えば商品のテクスチャーや研究開発者が何をしているかといった潜在的なニーズも、映像で見せることで、その商品がどれだけ良いものなのか、ベネフィットを提供してくれそうなのか、自分に合っていそうなのかを、多角的に伝えていくことができます。
体験談、実演・デモンストレーション、成分メカニズムの解説、開発者・担当者の秘話、問題提起という5つの要素は、スキンケアのインフォマーシャルにとって必ず入れるべき要素です。これらの要素をいかに見せていくか、例えば体験談であれば「どう出すのか」「どう見せるのか」を、お客様視点で突き詰めながら映像表現を作っていくことが非常に重要です。
まとめ
・TVインフォマーシャルは29分という長さを活かし、詳細な説明と感情に訴える演出で、リラックスして見る視聴者の購買意欲を刺激する手法です。
・「体験談」「実演・デモンストレーション」 「成分・メカニズムの解説」「開発者・担当者の秘話」 「問題提起」という5つのマスト要素を、それぞれのポイントを押さえながら効果的に織り込んでいくことで、視聴者の共感と信頼を獲得し、スキンケアのTVインフォマーシャルのレスポンスを向上させることができるでしょう。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。大広COCAMPでは、これからもダイレクトマーケティング・D2C事業に関するコラムを掲載してまいります。まだメルマガ未登録の方は、これを機会にぜひ、下記よりご登録ください。
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