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2025.11.14

―FUNclusion Week特集 1―なによりもまずは、ただ楽しんでもらえたら

大広社員の根上小夏が、新しいインクルージョンのカタチ“FUNclusion”(ファンクルージョン)についてお届けする連載、根上小夏のFUNclusion研究所。 “FUNclusion”とは「FUNな入口からはじまるインクルージョン」、その可能性を様々な角度からみなさんと一緒に見つめていきたいと考えています。
10月28日、この連載のタイトルでもある「FUNclusion」を掲げたイベント、FUNclusion Weekの開催が発表されました!ヘラルボニーと大広で共同開催させていただくこちらのイベント、私も構想段階から参加しており、皆様にお話したい内容やエピソードであふれております!まさに、FUNclusionを体現できるイベントにしたい、イベントを作る過程もFunclusionでありたい。そんな、FUNな気持ちで企画の仕上げにかかっています!FUNclusion Weekが開催されるまで、本連載ではFUNclusion Weekの魅力を余すことなく、お伝えできるよう、様々な記事を準備しております…!本日は、その第一弾。実は私も、直接は伺ったことがなかった、「FUNclusion Weekのはじまり」を、発起人であるヘラルボニーウェルフェア事業部の神紀子さん(以下神さん)、そして同じくウェルフェア事業部の菊永ふみさん(以下ふみさん)にインタビューさせていただきました!

※FUNclusion Week 公式サイトはコチラ

 お話を伺ったお二人 

画像1(撮影:橋本美花

HERALBONY ACADEMY|Chief Director
神紀子さん(写真右)
新卒で株式会社リクルートに入社。30歳の時にフィリピン留学と世界一周を経験し、社会の不平等や自身のアンコンシャスバイアスに直面したことをきっかけに、ソーシャルビジネスの道を志す。
帰国後、株式会社グロービスにて企業の人材育成に携わりながらMBAを取得。2023年、ヘラルボニーのミッションに強く共感し、ウェルフェア事業部の立ち上げ責任者として参画。

HERALBONY ACADEMY|contents director
菊永ふみさん(写真左)
ろう者。東京学芸大学特別支援教育専攻科を修了後、児童指導員として10年間勤務の傍ら、一般社団法人異言語Lab.を立ち上げ、代表理事を務める。異言語脱出ゲーム開発者。謎制作とコンテンツ提供を主に、ろう者・難聴者が主体的に取り組めるチームづくりを意識している。これまでの異言語Lab.での経験を踏まえ、さらに障害のイメージを変えたいという想いを胸にヘラルボニーへ入社。ウェルフェア事業部でコンテンツ開発と障害者雇用推進を担う。

 

FUNclusion Week発案者のお二人が所属する、ヘラルボニーの“ウェルフェア事業部”とは!?

根上:まずは、お二人の所属する「ウェルフェア事業部」の活動について伺えますと幸いです!

神さん:私たちは、HERALBONY ACADEMY(ヘラルボニーアカデミー)という事業に取り組んでいます。HERALBONY ACADEMYでは、「80億人がちがいを面白がれるほうの世界へ。」というステートメントを掲げ、“企業向けの体験型研修プログラム”・“大学との共同研究”・“子どもたちの教育事業”などを行っています。その中で、大事にしていることが2つあり、1つはヘラルボニーの思想「障害のある方が幸せに生きられる世界を作るための障害のイメージ変容」へ向かって、「マジョリティの意識を変容する」ことです。さらに、障害のある方は、社会側の障壁によって得えられる機会が少ないと言われているため、「マイノリティの方々の機会を創出する」こともアカデミーの大きなテーマの1つです。

はじまりは、ライブペイントで身を乗り出して楽しんでいた“子どもたち”

根上:神さん、ありがとうございます!普段、HERALBONY ACADEMYとして研修事業や研究活動をされているお二人が、「イベントをやってみよう!」と構想を始めたきっかけを教えてください!

神さん:大きな起点は、昨年11月に仙台で開催したDE&Iイベント※です。仙台市さんからご依頼をいただき、「たくさんのひとが混ざり合う、ちがいを面白がる」ことをテーマとして掲げていました。イベントでは、仙台市の福祉施設“多夢多夢舎中山工房(https://tamutamu.jp/)”さんから、たくさん作家さんに来ていただき、子どもも大人も参加できる、アートワークショップを開催しました。そのワークショップの中には作家さんのライブペイントもあって、ほとんどの人が一定の距離から見ている中で、一人の子どもが絵を描いている作家さんのテーブルに身を乗り出し、絵を描いているところをじっと見つめはじめたんです。その姿をみて、「自分が見たかった光景って、これだな。」と。“ボーダー”と私たち大人が思っているものを、子どもたちは“ボーダー”とも感じず乗り越える力を持っているんだな。彼らにとって、障害の有無は関係なくて、だからこそ例えば街で車いすの方を見かけると、「なにあれ?」と純粋な問いとして聞いているのだろうなと思いました。子どもってなんでも、「なんで?なんで?」「なにあれ?」というんですよね。ただ、日本では分離教育の影響もあって、身近に障害のある人がいないまま大人になるケース多いですよね。そうするとわからないから怖いという状態になり、「しっ!言っちゃだめ。」「見ないの!」と、“話してはいけない”という雰囲気を作ってしまう。それがまさにボーダーだなと思っています。子どもたちが、そのボーダーを軽々と楽しく越え、何も関係なく楽しく遊んでいる、そういう瞬間を見て、“大人が学ぶ”。これがまさに社会を変える、大事なポイントで、「こういうことがやりたいな」と思いました。

▼ライブペイントをテーブルに身を乗り出して見つめる姿。

画像2

根上:仙台のイベントの時点から、すでに神さんの中に構想が生まれていたんですね!

神さん:そうですね。こういうシーンを、世の中に増やせばいいんだ。これこそが、ウェルフェア事業部が存在する理由だと思いました。ボーダーすらない状態を見られた。私も、今5歳の子どもがいるのですが、彼の頭の中にも“バイアス”ができてきている瞬間に気づくことがあるんです。それが凝り固まっていく前に、色々な体験をさせてあげられると、大人になったときに、例えば“差別”“偏見”みたいなものと違う反応になるんじゃないかと思って。そういう世界をどんどん広げていくことが、「世の中の当たり前を変える」ということなのかなと思っています。

根上:ウェルフェア事業部として、“子どもたち”を重視されているのは“子どもたちの姿を見て大人も変わっていく”という視点を大切にされているからなのでしょうか?

神さん:これは会社というより私自身の思いですが、ヘラルボニーが、「100年先の文化を作る」、「障害のイメージを変える」と掲げていることに関しては、アート事業や研修(事業)などで多くの方たちにアプローチしていると考えています。まだバイアスがないような子どもたちには、日常の中でどういう関わりを持つのかによって変わってくる。最終的に混ざり合うことを成し遂げようとすると、やっぱり子どもから大人が学ぶことも大切だろうなと思っていて。子育てをしていると、「育てる」と言いますが、相互作用で学んでいるということなんだなと思うんです。私もこどもからたくさん学ぶし、子どもの姿勢を見て学ぶことは、大人にとっても大きい。そう思っています。

※「昨年11月に仙台で開催したDE&Iイベント」仙台ダイバーシティフェスタ2024ー“ちがう”を知ると、世界が広がる。https://www.instagram.com/heralbony/p/DCRRJzqzzmB/?img_index=1 

二人の思いが交差した先にあった“FUNclusion”という言葉

根上:ありがとうございます。改めて、今回のイベントの起点にはHERALBONY ACADEMYの目指す世界の体現することがあったという背景を教えていただきましたが、この構想自体はいつふみさんにご共有されたのでしょうか?

神さん:ふみさんには出会ったときから「私はこういうことがしたい」とお互いに話していて、仙台のイベントで、「あ、こういう光景をもっと作りたいんだよね」と二人でその場で話しました。

ふみさん:そうそう!

神さん:どうやって実現できるかはわからないけれど、ただやりたい、やるべきだ、とは思っていて。大広の宮下さん(大広FUNclusionチームのリーダー)に「こんなイベントをやりたいんです!」と相談をしました。「障害者週間を、FUNclusionにできるといいですね」と。

根上:ふみさんにも、仙台のイベントに参加された際にお感じになられたこと、最初に神さんとイベントを構想されたときに抱いていたお気持ちなどお伺いできたらと思うのですが、いかがでしょうか?

ふみさん:本当に、神さんがやりたい教育の部分と、私のやりたい“障害のある人たちの本質的な活躍創り”が、今までは異なっていたのですが、マッチした感じがしました。私の場合は、障害のある方々自身が「文化を創り出す」ことがとても大事だと思っていて。それを色々な方に見てもらうことが、リスペクトにつながっていく。だから私も、そうしたことに取り組んでいきたいと思っています。私自身を含め、障害のある方々と、いわゆる“健常者”の方々のとらえ方、受け止め方はやっぱり違うと思うんです。社会一般的に、どうしても「(障害のある人は)サポートしなければならない」という言われ方になってしまいます。本来はそうではなくて、みんなそれぞれ違いがあるからこそ、自分に合うやり方が見つかれば、新しい文化、営みが生まれる。その方法の一つがイベントだと思いました。そのために今回、MAGNETさん、ろうちょ~会さん、石井健介さん※…本当に様々なクリエイターとつながりながら、イベントに参加してくれた方に、それぞれが作り出していくものを楽しんでもらう、当事者の方と出会う機会を作っていく。子どもたちから見たときにも、「かっこいいな」「こういう世界の捉え方があるんだ」「手話という言葉があるんだ」と思ってもらえるといいなと思います。ろう者である私自身や見えない自分を持つ石井さん、それぞれが持っている“ちがい”を受け止め、肯定できるプロセスになるような場が作れるといいなと思っていて。今回の気づきを通じて、(健常者を含む)ほかの方にとっても、「自分というものを受け止めるプロセス」が生まれていくのではないかと思い、神さんと私のやりたいことがマッチしたなと思いました。

根上:ありがとうございます。お二人のお話から、神さんは“子ども”という視点、ふみさんは“障害のある当事者”という視点を大事になさっていることを感じました。そうした中で、ふみさんがおっしゃった「二人のやりたかったことがマッチした」という言葉がとても印象に残ったのですが、今回は、これまでの活動とは違う感覚を抱かれたのでしょうか。

ふみさん:もともとは研修事業をスタートさせていくという話があり、マジョリティの意識変容をテーマにしていく、それが、私たちの届けられるものだと考えてきました。それを、より広く社会全体に伝えるためには、イベントがいいのではないかなと思い、仙台市のイベントもそこから着想していました。同じ時期に、大広の宮下さんからFUNclusion Report※のお話もいただいて、それも大きなきっかけでした。レポート自体も本当に深く研究いただいて、楽しみを入り口にしてインクルーシブのあり方を考えてもらう形式でした。そういう意味で、Funを起点としたイベントとしてやっていくのがすごく自然なのではないかと思いました。

神さん:根上さんの 言葉で“当事者”とあったと思うんですが、私自身は「子をもつ親」という当事者だと思います。私の当事者性による課題感とふみさんのろう者としての当事者性によって、社会をこうしていきたいという気持ちが今回重なり合っていて、この当事者性ってすごく大事だなと思います。0から1を作るイベントは、宮下さんもだと思いますが(笑)イベント準備は想像以上に、本当に大変で(笑)。当事者として「こう変えたい」というものがないと実行できない。そういう意味では事業部をつくるときに二人で話した世界観の重なりはもともとあった気がします。そのうえで、ふみさんが言ってくれたFUNclusion Reportを作ったっていうのもすごく大きなきっかけだなと思っています。レポートをつくってもらった、一緒にたくさん考えたことによって、“ヘラルボニーとは何なのか”“ヘラルボニーの社会変容の仕方とは”ということに対する一つのアプローチ方法を見出していただいた。FUNclusionだけが方法ではないけれど、一つにFUNclusionがあって、そこに名前が付いたというのが、ありがたかったですし、今回のイベントにも間違いなく続いていると思います。

根上:いま神さんからお話を伺い、“当事者性”という視点からもFUNclusionという言葉がたくさんの方を巻き込むパワーがあるのかもしれないなと思いました。今回、私を含め大広メンバーもイベント企画に参加していますが、宮下さん以外はレポート執筆には直接かかわっていないメンバーで。この分野のお仕事はこれが初めてなのに、それでも会社で会うたびに、「どうする!?」と、会議がなくてもいつもついつい話し込んでしまうのは、FUNclusionという言葉があったからなのかもしれません。インクルージョンという分野へ、直接的に当事者性を感じにくいはずの私たちが不思議と惹きつけられたのは、この言葉のパワーも少なからずあったのだろうなと思いました。

※「MAGNETさん、ろうちょ~会さん、石井健介さん」は今回イベントに協力いただくクリエイターの皆さん。詳細は、記事末尾をご確認ください。 

FUNclusion Week、実現へ“ちがう”から生まれるむずかしさと楽しさ

根上:今回のイベント、FUNclusion Weekでは、ふみさんのお声がけでたくさんのクリエーターさんに参加いただきますが、皆さまにお声がけいただいた理由と、実際に今ご一緒する中で、お感じになられていることを教えてください!

ふみさん:皆さん、以前から付き合いがあった方たちで、それぞれの団体というよりも、個人個人がとても素晴らしい方々の集まりで、一緒にやっていてただ本当に楽しいメンバーです。そして、FUNclusion Weekのイベントを創る過程で、クリエイターとして新しい文化を創っていける人達だなと思っています。だからこそ、一緒にやりたかった。結果的にやっぱり、会議をすると大変盛り上がって、根上さんもいつもすごく笑ってくれて(笑)、新たな発想もたくさん生まれている。笑いながら、楽しみながら会議ができている。打合せの時から本当にワクワクするんです。一人一人の、今まで生きてきた証や積み重ねてきた文化が社会に発露する、それがFUNclusion Weekの大きな価値だと感じています。

根上:私たちのアイデアが、当事者のクリエイターの皆さんからすると違和感があったり、リスクがあったりすることもあり、そういった意見をもらい議論することもある中で、「今の指摘はその通りだと思いつつ、大広さんはそういう意図で企画いただいた訳ではないので、どうしたら解決できますかね?」と、ふみさんがクリエイターの皆さんに伝えてくださることがふみさんと企画をご一緒していてすごく印象的です。どちらの気持ちも分かってくださる中で、コミュニケーションに壁が生まれたとき、いつもどうやって乗り越えるきっかけをくださっているのか教えていただけますか?

ふみさん:乗り越える、という感覚はなくて、シンプルにお互いの世界を知らない、ということだと思うんです。お互いに向き合う、その対話を重ねながら、気持ちを伝え合うこと。「いいものを作りたい」という気持ちはお互いにあるからこそできることだと思います。大広のみなさんも、クリエイターの皆さんも好きですよね?お互いのこと(笑)。お互い好きになる、そういうことなんだろうなと皆さんを見ていて思います。

根上:いまお話を伺っていて、私自身も「知らない世界があること」へ気づかぬうちに罪悪感のようなものをもっていたことにプロジェクトを通じて気づきまして…それはもしかしたらインクルーシブやインクルーシブデザイン、という領域に限らずあるように感じます。罪悪感があるから、知っている範囲で頑張ろうとしてしまう。でも、実際皆さんと企画を作る中で議論を重ねると「知らない世界を知ることができる」ということ自体は、シンプルにすごく楽しいことで、気づきがたくさんあるなと実感します。そこからコミュニケーションをスタートさせることがすごく大事だなと、いま改めて感じました。

クリエイターの皆さんと大広をつないでくださり、ご自身もクリエイターとして企画に入ってくださっているふみさんとはまた少し違う形で、神さんはイベントの運営全体の指揮を執ってくださっていますが、イベントを通じてお感じになられていることや気づきがありましたら教えてください!

神さん:ありがとうございます。シンプルに難しいな、ということは感じます。ネガティブな意味ではなくて、私は企画チームに入っているわけではないので、それこそ障害のある方と一緒に企画をする会議はほとんどしていません。ただ、大広さんもそうですし、ヘラルボニーからFUNclusionチームに入ってくださっている外部のプロフェッショナルの皆さん、イベントの運営自体に協力いただいている皆さんも、違う会社の価値観を持ってらっしゃって。そういう方々とご一緒するのはすごく難しさもあります。それはきっと、障害のあるなしにかかわらず、そうなんだろうなと思います。「ちがうから難しい」でもその分、私だけでは絶対実現していない、願望で終わっていたものが、たくさんのプロフェッショナルの方の力で実現に向かっているというのが、すごくありがたく、苦しさを伴いながらも学びになっています。「ヘラルボニーだけでこのイベントをやっていたら?」と考えることもあるのですが、そうじゃないから面白いのかもしれないなと。いま佳境の中で、完成してみないとわかりませんが(笑)。

そして、もう一つの学びが、やっぱり個人的なやりたいからはじまり、そこに宮下さんがのっかってきてくれて、大広さんもやろうと言ってくれて、色々な協賛企業さん、協力してくれる方が増えて…物事が出来上がっていくことそれ自体がすごく嬉しいし、それ自体が学びになっています。

何よりもまず、楽しんでもらえたらうれしい

根上:ありがとうございます。初の試みのイベントを創り上げるということは、すごく難しさもあるなかで、一緒に試行錯誤をさせていただく日々を過ごさせていただきました。時間の流れの速さに驚きますが、イベントまで残り約1か月のいま、イベントに来ていただいた皆さんに何を感じていただきたいか最後に伺えますと幸いです。

神さん:そうですね…やっぱり、楽しんでほしいというのが一番にありますね。楽しんでほしいし、私はヘラルボニーに入るまで、障害のある人とほとんど接したことのない人生でした。そこからふみさんや石井さんに出会い、話をすることで、すごく新しい世界が見えて、開けた、より豊かになっている感覚が自分自身にあるので。来ていただいた方にはその一歩目、「楽しいな」と思ってもらって、ふみさん、ろうちょ~会さん、MAGNETさん、石井さん、皆さんと一緒に「楽しかったね」と思ってもらえたら。ステートメント通りなのですが、その人の世界が「ちょっとだけ変わる」みたいな出来事が起こったら嬉しいなと思いますね。多分、それが広がっていくことが、「文化を創る」ということなのだと思います。

ふみさん:神さんと全く同じかもしれないのですが、やっぱり、「楽しい!」「楽しかった!」という気持ちを持ってもらう。それが一番ですね。これまで出会ったことがなかった人に出会うとか、新しい感覚を体験してもらう、新しい世界に没入してもらう。そういうことを通じて、異なる世界にいる人達を捉え直してみることで障害の見方が変わっていく。新しい見え方、思想が生まれ、少し自分の見え方が広くなって、「こんな楽しみ方があるんだ!」とか「もっともっとこの人を知りたいな」という気持ちが芽生えたら。来ていただいた方たちには、それを感じてもらえたら、私としてはFUNclusion Weekは成功なのではないかなと。そしてFUNclusionという言葉も広がっていくのではないかと思います。

▼FUNclusion Week 2025ステートメント
画像4karu

おわりに

  最後までお読みいただき、ありがとうございます!お二人の思いからはじまったFUNclusion Weekでしたが、現在は本当にたくさんの方が関わり合いながら、企画に取り組んでいます。お一人お一人の思い、期待、願いを乗せて進む大きな船となったFUNclusion Week。私を含め、おそらく関わるすべての方が目指していること、それは、最後にお二人が語ってくださった、「とにかく楽しんでもらう」その1点に尽きると思います。もし少しでも興味を持っていただけたら、「FUN」になれる期待だけを胸に、まずはぜひ公式サイトなどものぞいてみてください。そして、12月に下北沢へ遊びに来ていただけるととっても嬉しいです。
  こちらの連載では引き続き、FUNclusion Weekについて取り上げてまいります!今回もお名前が挙がったクリエイターの皆様の思いや、企画の見所なども紹介できたらと思っておりますので、ぜひまたお立ち寄りいただけますと幸いです。それではみなさん、また次回のFUNclusion研究所でお会いできること、楽しみにしております。


参考

◆「FUNclusion Week 2025」公式サイトhttps://funclusion.jp/ 
◆株式会社ヘラルボニーhttps://www.heralbony.jp/
◆HERALBONY ACADEMYhttps://academy.heralbony.jp/ 
◆FUNclusion Reporthttps://signing.co.jp/report/funclusion-report/
◆「FUNclusion Week 2025」リリースhttps://www.daiko.co.jp/daiko-topics/2025/102814003410199

「FUNclusion Week 2025」に協力いただくクリエイターの皆さん
MAGNET
発明家・高橋鴻介とリサーチャー・和田夏実を中心とした、新しい「あそび」をつくるデザインコレクティブ。様々な人とコラボレーションしながら、年齢や国籍、障がいの有無といったちがいを超えて、人と人がついくっついてしまうようなインクルーシブな遊びを生み出すことを得意としています。今回は、コラボレータに盲ろう者の触覚デザイナー・Skyさくらを迎え、触覚を使って遊ぶゲーム&ワークショップを展示します。

ろうちょ~会

2018年に設立された「ろうちょ〜会」は、ろう者5人と手話ができる聴者2人で活動している団体です。新卒で社会に出た当時、聴者の上司とのやり取りの中で感じた“伝わりにくさ”への戸惑いをきっかけに、「声に頼らないコミュニケーションを知ってもらいたい」という思いから生まれました。
「声に頼らない」会話をしてみよう——。筆談、身振り手振り、手話など、さまざまな方法で伝え合うことで、目を合わせて分かり合うことの大切さに気づいてほしい。そんな願いを込めて、イベント企画や企業向けワークショップなど、幅広く活動しています。

石井健介
ブラインド・コミュニケーター|1979年生まれ。2016年の4月、一夜にしてほぼ全ての視力を失うも、軽やかにしなやかに社会復帰。2021年からブラインド・コミュニケーターとしての活動をスタート。見える世界と見えない世界をポップに繋ぐためのワークショップ/講演活動をしている。TBS Podcast『見えないわたしの、聞けば見えてくるラジオ』パーソナリティ。著書『見えない世界で見えてきたこと』(光文社)


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この記事の著者

根上 小夏

(株)大広 ソリューションデザイン本部ストラテジックプランニング局

北海道出身、2000年生まれ。 2023年 株式会社大広に新卒入社し、以来マーケティングセクションに所属。 調査を通した市場・顧客分析や事業・ブランド戦略や施策立案業務に携わる。 高校生の時、広告を見て自身が励まされた経験から、“きもちのスイッチ”を発見できるマーケターを目指しています。 忙しなくも、愛おしい日々に、心が前向きになる瞬間を創りだしていきたいです。 日常の彩る瞬間を、増やせますように。そんな気持ちを胸に、日々の業務に向き合っています。