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2025.12.06

―FUNclusion Week特集 4―下北沢を愛するローカルメディア『しもブロ』黒田さんに聞く!FUNclusion Weekがもたらすものとは?

画像:取材にご協力いただいた、黒田さんの運営メディア『シモブロ』のロゴ。画像終わり

大広社員の根上小夏が、新しいインクルージョンのカタチ“FUNclusion”(ファンクルージョン)についてお届けする連載、根上小夏のFUNclusion研究所。 “FUNclusion”とは「FUNな入口からはじまるインクルージョン」、その可能性を様々な角度から、みなさんと一緒に見つめていきたいと考えています。
今回は、12/5-6にヘラルボニーと大広で共同開催するイベント「FUNclusion Week 2025」の特集第四弾!FUNclusion Weekについて取材してくださる、下北沢ローカルメディア『しもブロ』を運営する黒田正信さんに、下北沢を取り上げるメディアを始めた経緯と、FUNclusion Weekに興味を持っていただいた理由、FUNclusion Weekが下北沢という地でどう受け入れていただける可能性があるのかをお聞きしました。

※FUNclusion Week 公式サイトはコチラ

【 お話を伺った方】
しもブロ黒田氏

 

 

下北沢ローカルメディア『しもブロ』運営
黒田正信さん

はじめに
下北沢の近くに住んでいる方にも、ぜひFUNclusion Weekに足を運んでいただきたい…そんな悩みを抱えていた私たちに、イベント開催場所であるBONUS TRACKの方から「それなら、しもブロさんですよ!」とご紹介いただいたのが、『しもブロ』を運営する黒田さんです。実際に初めてお話を伺うと、「僕が一番下北沢の街を楽しんでいるので、その実体験を発信しています」と語ってくださいました。下北沢の皆さんからの厚い信頼を持つ『しもブロ』とは!?そして、黒田さんがイベントに興味を持ってくださったのはどうしてだったのか、下北沢を愛するおひとりとして、お話を伺いました!

実体験から生まれる記事の数々…下北沢ローカルメディア『しもブロ』とは?

根上:まずは、『しもブロ』の成り立ちを教えてください!

しもブロ|黒田さん: 『しもブロ』は、下北沢エリアのローカルメディアです。もともとはWEB制作会社で、ちょうど20年くらい前、ブログブームがあって、ブログのツールを使いながらHPを作ってみよう!とはじめました。なんでもいいから書いてみよう、みんなお昼は食べるし、ランチレポでも書いてみる?とはじめました。そこまで、コンテンツ制作はやってこなかったのですが、プロじゃなくても良いじゃない!と書き始めたのが最初です。
  そのあと、地域SNSが流行りはじめて、下北沢を取り上げているうちに下北沢を好きな人と繋がる機会も増えていって、「だったらSNSをはじめよう!」となりました。TwitterやFacebookがない時代でしたので、すごくアクティブなつながりで、オフラインの呑み会や、当時としては珍しいライブ配信などもしていました。その後、いわゆる“グローバルSNS”(X、Facebook、Instagramなど)が入ってきて、地域SNSのアクティブが減ってきた。せっかく情報をくれる人、記事を書いてくれる人とつながりができたのにもったいないな、と思って、「だったらローカルメディアをやってみよう!」となったのが2013年でした。なので、初期の頃は本当に書きたい人に書いてもらう、というスタイルでしたが、コロナ以降、記事を止めていたりもしたので…それ以降は私がほとんど1人でやっています。

根上:なるほど…黒田さんは、ご自分で経験して記事をお作りになっていると以前お伺いしましたが、その理由を、改めておしえていただけますか。

しもブロ|黒田さん:自分が体験したことの方がちゃんと伝わって、読んでくれた人にも参加してもらえる、というのが一番大きいです。だからこそ、リリースをベースにして書くのではなく、自分で体験するようにしています。特にイベントなどで、複数の日数にまたがって開催されているものは、可能な限り初日に体験して速報を出すようにしています。メディア、と言いながらも個人がやっているようなものなので、できるだけ、実際に体験する人に近い目線に立つようにしています。
  下北沢は線路街ができたことで、お店も100店舗以上増えました。ただ、商圏がどうしても狭いので、知られていない店も多いんです。そして、店主の方々が職人気質だったりもするので、「いいものを作れば自然と客は増える!」という人も多くて。本当に好きじゃなければ店が出せないのが下北沢だと思います。土地も高いし。平日は人がいないし。お金は関係ない、という店主の方も多いので…。ほっておくと、本当に人が来なくなるんです。できたことすら知らない、気づかれない店も多いので、自分で行っていいなと思ったら紹介するようにしています。SNSで紹介してくれているといいのですが、本当に街を歩かないと情報が得られなかったりもするんです(笑)。しもブロも、収益でいうと単体では全くなんですが、それで下北沢が盛り上がったら、きっといつか返ってくるのでは…と思っています。この街は、本当に難しくて、大手のチェーンも含めて、一号店が下北沢だったりするのですが、なかなか続かないんです。下北沢の一号店はなくなってしまうけど、ほかの地区の店舗は残っていたりして…。頑張って欲しいという気持ちが大きいですかね。

根上:「誰しもお昼は食べるから、ランチレポから始めた」というお話もありましたが、飲食店以外に黒田さんが取り上げてらっしゃる内容を教えていただけますか?

しもブロ|黒田さん:自分自身、もともと、音楽が好きで下北沢を好きになったという経緯があるので、音楽はもちろん、演劇や映画、たまにお笑い、などについても取り上げますが、最近はそれこそBONUS TRACKで行われているイベントもよく取り上げます。こういうイベントが行われるようになったのが、BONUS TRACKと、線路街ができてからでして。元々駅前ではイベントが行われていたりしたのですが、下北沢は広場がなかったんです。なので、あまりたくさん人が集まって、ということが難しくて。BONUS TRACKと、下北沢駅の駅前に広場ができたことで、多くの人が集まることのできる場所ができたんです。これでやっと、バンドマンが売れても帰ってくる場所ができたのではないか、と感じます。街でずっとやっていた阿波踊りなども、駅前広場が生まれたことで、より多くの方に見てもらえるようになりました。駅前広場は、道路予定地だったりもしますので、ほかの街だと柵で囲って終わり…となったりもすると思うのですが、下北沢では商店街がすごくやる気で(笑)。色々なイベントが行われるようになりましたね。

“FUNclusion”  “ヘラルボニー”、よくわからないからこそ面白い

根上:イベントについてお伝えした時に、「この街にぴったりだ」とおっしゃってくださいましたが、なぜそう感じていただけたのでしょうか。

しもブロ|黒田さん:“FUN”とついているのが大きいなと思います。イベントには色々と背景があると思うのですが、その“意味”まで目を向ける人はほとんどいないですよね。特に下北沢は、「なんか面白そうだな!」とフラッと来る人も多いので。“FUN”が最初についていたら、後ろはもういいかなと思います。そして企画がすごく面白いですよね。「見えないお花屋」「静かでうるさい洋食屋さん」、ネーミングも面白い。そしてあとは、“ヘラルボニー”という言葉。初めて聞くと、「なんだろう?」と思います。“インクルージョン”というと難しそう…と思われてしまいますが“ヘラルボニー”なら「なんだろう?」と思って、最後に「?」がつく。そんな風に興味を持ってもらえると思います。私も、ギャラリーや店舗を見せていただき、「あぁ、これなら。ラインナップを見ている限り、相当エッヂーな展示が並ぶんだろうな」と感じます。

  今回のイベントを知って、ヘラルボニーの展示やギャラリーも見に行きましたが、「すごいな」と圧倒されました。アートとしてすごい、ということと、プロダクトとして「これができていれば(アーティストに)返せる」といえるものを作っていると感じたからだと思います。アートは売るのが大変じゃないですか?ただアートで終わらずにちゃんと手を伸ばしたくなるものにしている。鑑賞するだけでなく、その先まで行っていることがすごいと感じました。今回のイベントでも、“ヘラルボニー”を知らない人も多いと思いますが、直観で「面白そう」と思ってもらえると思います。そしてやはり“ヘラルボニー”この言葉を使って、会社を作ったこと自体がすごいな、と思います。お兄さんのストーリーも含めて、愛にあふれていますよね。来ていただいた方が、調べてくれたら「勝ち」だと思います(笑)。私は、半日くらい記事を読み続けてしましました(笑)。

  あともう一つは、「そんなに難しくない」イベントになっていることが良いな、と思いました。これもまた、“インクルージョン”ではなく“FUNclusion”というわからない言葉になっていて「楽しそう」というのが伝わってきます。“花屋”“アート”“ブックフェア”“洋食屋”“映画祭”という書き方をしているので、「色々やるんだな」と感じますし、あとは“入場無料”(笑)。下北沢は、未知が好きな人が多いと思います。「様子を見る」というか、無視をしないで関わってくる人が多いです。「わからないから関わらない」ということがないんです。街に住んでいる方もそうですし、遊ぶ場所に下北沢を選んでいること自体特殊だと思います。「この街に来れば、何か新しいものに会えそう」と思ってきてくれている人が多いのも大きいのだろうなと思います。

“同じ人はいない”ということに、人が多様な街「下北沢」で気づいてもらいたい

根上:最後に、FUNclusion Weekに対して、ご期待いただいていることがありましたら、教えていただけますか?

しもブロ|黒田さん:多くの方は、このイベントの趣旨はわからずに来ると思います。だからこそ、ここからなにかに気づく、知ってもらうことも多いと思います。自分は目が見えるし、耳も聞こえるし、歩くことができる。そういう人にとって、“そうではない”状態を想像することは難しいですよね。FUNclusionWeekでは、自分と異なる感覚を気軽に体験できます。そうした体験から少しでも気づきを持って帰っていただけたら、視野が広がるだろうと感じます。“多様性”ということに関して言えば、そもそも人間は全員違っていて、今置かれている状態に関係なく、他人は他人、自分のあたり前は相手にとってのあたり前ではありません。日常の中に、自分のあたりまえが、あたりまえでない人たちがいるんだと、少しでも気づいてもらえるといいのではないかなと思います。そして開催場所ですが、いわゆる“街中”でこのイベントを開催すると、情報が多くてこういったイベントにあまり目がいかなくなってしまうと思います。一方で下北沢は、情報量がそこまでないんです。一番情報量が多いのは“人”だと思っています。街を歩いていると、衣装のまま歩いているアイドルがいたり、楽器持っている若い子がいたり、お笑い志望の子が叫んでいたり…だからこそ、こういうイベントをやっていて、”人”が楽しそうに参加している、それが純粋に伝わる場所だと思います。まずは、ちゃんとたくさんの方に来ていただく、というのが大切だなと思いました。でもとにかくイベントがいっぱいあって、発信がむずかしい(笑)。僕も、とにかく体験してみて、記事を出すようにしますね!

▼しもブロで「FUNclusion」のリリースに触れていただいた際の黒田さんのコメント。イベントへの率直な感想を発信してくださいました。
しもブロ記事

おわりに

本日は、下北沢を愛するからこそ書ける記事の数々で、下北沢のみなさんから愛されるメディア『しもプロ』を運営する黒田さんから、お話を伺いました。FUNclusion Weekの原点、FUNclusion reportにも目を通していただき、さらにはヘラルボニーについても深く調べていただいていたこと。その上で、FUNclusion Weekについてもや「楽しみにしている」というお言葉をいただき、FUNclusionチームも背筋の伸びる思いでした。同時に、黒田さんの目にFUNclusion Weekがどう映ったのか、黒田さんのイベントレポートを読めることに、ドキドキワクワクしております…!みなさまもぜひ、『しもプロ』をご覧ください!それでは皆さん、また次回のFUNclusion研究所でお会いできること、楽しみにしております。


参考

しもブロ: https://www.shimokitazawa.info
◆「FUNclusion Week 2025」公式サイトhttps://funclusion.jp/ 
◆「FUNclusion Week 2025」公式Instagram:https://www.instagram.com/funclusionweek/
FUNclusion Week 2025」公式Xhttps://x.com/funclusionweek
◆株式会社ヘラルボニーhttps://www.heralbony.jp/
◆株式会社大広からの「FUNclusion Week 2025」リリースhttps://www.daiko.co.jp/daiko-topics/2025/102814003410199


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この記事の著者

根上 小夏

(株)大広 ソリューションデザイン本部ストラテジックプランニング局

北海道出身、2000年生まれ。 2023年 株式会社大広に新卒入社し、以来マーケティングセクションに所属。 調査を通した市場・顧客分析や事業・ブランド戦略や施策立案業務に携わる。 高校生の時、広告を見て自身が励まされた経験から、“きもちのスイッチ”を発見できるマーケターを目指しています。 忙しなくも、愛おしい日々に、心が前向きになる瞬間を創りだしていきたいです。 日常の彩る瞬間を、増やせますように。そんな気持ちを胸に、日々の業務に向き合っています。