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2026.01.20

社内研修ご担当者必見! 産前産後ケアの「見えない課題」を言語化!《tanQA》~詠んで本音を見つけませんか~

もっと産前産後のことを話そう

産前産後の働き方や、育休・復職――働く人にとっても企業にとっても重要なテーマですが、そこには表面化していない課題がまだまだ潜んでいます。その課題をあぶり出し、ひも解く手がかりを見つけるツールが、今回ご紹介する《tanQA(タンカ)》です。配られた手札を組み合わせて短歌を詠むという「カードゲームの仕立て」や、詠んだ短歌について説明したり論評したりする過程を通して、本人でさえ気づいていなかった本音や組織の課題が浮かび上がってきます。誰もが働きやすい組織づくりのための、このユニークな取り組みについて、開発チームの大広フェムテック・フェムケアラボ・柴田さんにうかがいました。

プロフィール画像柴田 笙子
株式会社大広 未来開発局オープンイノベーションセンター / プランナー

2019年に新卒で入社後、食品・ヘルスケアやファッション・美容系業界のブランド戦略立案・コミュニケーション支援を行う。大広フェムテック・フェムケアプロジェクトでは産後リカバリープロジェクトの推進に携わり、企業の連携による社会課題解決に取り組む

産前産後ケアについての本音は、まだまだ見えていない、という事実

《tanQA》は、私たち大広フェムテック・フェムケアラボが開発したカードゲームです。幅広い分野の企業・団体が参画・協賛する「産後リカバリープロジェクト」の施策の一環として誕生しました。私たちが行っている調査や分析を通して、産前産後の時期には、表に現れにくい課題――とりわけ、コミュニケーションに関する課題に根深いものがあるとわかってきたことが発端でした。
背景にあるのは、産前産後のことについて職場ではなかなか本音で話せな
いという現実です。たとえば、上司への産休報告。本人も言いにくいし、上司もどうリアクションすればいいかとまどってしまう。前向きに反応し、配慮をすることが「あたりまえ」という前提が広がっているからこそ、「本当はどう思っているのか」「本当はどうしたいのか」が見えない状況がそこにはあります。私たちは「疑心暗鬼スパイラル」と呼んでいるのですが、「配慮」の向こうに異なる本音があるのでは…とネガティブな想像をしてしまうことで、組織内でのコミュニケーションがうまくできなくなってしまうのです。
相互理解ができなければ組織は円滑に動きませんし、人の本音が見えなければ課題は発見されにくく、組織としての施策も打てません。そこで、産前産後にまつわる相互理解と課題発見の端緒になるツールを――と開発したのがtanQAです。

 

tanQA写真解像度検討tanQA[タンカ」の詳しい内容はコチラから

なぜ短歌? 作品との絶妙な距離感が、本音を引き出す「安全装置」になる


tanQAの基本のルールは次のようなものです。

【tanQAのルール】
●数人のグループをつくる
●上の句カードから1枚を選び、グループ共通の「お題」とする
●下の句カード7枚ずつを参加者に配る(3枚までは交換OK)
●下の句カードのうち2枚を組み合わせて上の句に合う下の句をつくって発表する
●それぞれの歌について意見を交換する
●グループ内で「賞」を決める
●グループ内で出た意見や感想を全体で共有する

tanQAカードの構成(カードの構成)

短歌であること、そしてカードゲームであることには、実は大きな意味があります。
参加者は、提示された上の句(お題)に対して、手元に「偶然」来た下の句カード2枚を組み合わせて短歌を詠みます。つまり、少々思い切った(過激な、もしくはネガティブな)表現でも、「カードのせい」にできるし、「自分のことではないんですよ」というエクスキューズも成立する。自分と歌とのこの絶妙な距離感こそが、センシティブなテーマにおける重要な「安全装置」になっています。
その一方で、「2枚のカードで何が言えるか」を考える過程は、実は様々な角度から自分の心を見つめることにつながっています。カードの選択には、自分が知らず知らずに抱えている問題意識や実感が含まれるからです。上長との面談、あるいは担当部署からのヒアリングで「あなたにとって何が問題だと思いますか」と聞かれても答えられない、答えたくないような本音も、短歌の中に自然と表現されていきます。
ワークショップでは、詠まれた短歌について作者が意図を説明したり、それに対する感想を述べたりする時間を設けていますが、31文字という短歌の制約は、「もっと説明したい」という欲求や、「私はこう解釈した」と語る余地を生み出します。さらに、「作者の実体験ではなく作品」だと思えるからこそ、その短歌に対して思ったことをストレートに話せる効果もあります。

職場のコミュニケーション課題が浮かび上がるワークショップ

tanQAのワークショップで興味深いのは、ゲームの進行とともに、参加者の様子がどんどん変化していくのが見てとれること。最初は「経験がないのに短歌なんてつくれるのか」「産前産後のことをおおっぴらに口にしていいのか」といった不安や心理的なハードルを感じている人も、最初の1首を発表すると次々とアイデアが湧いてくるようです。手元のカードを組み合わせる作業にはクリエイティブな楽しさがあり、自由に意見を交わすうちに、もっと言いたい、という気持ちになる。その中で、「自分の体験談」が飛び出すこともしばしばです。

tanQAPlayingSceneカードゲームの様子)

男性と女性、中間管理職と若手…など、立場や価値観が違っていても、つくられた短歌を仲介にすることで対立構造になることなく話ができます。「相手の考え」ではなく「その短歌」に対して意見を述べるというワンクッションがあるからこそ、「配慮」を超えて本音で話ができる。それは、相互理解への第一歩です。

実際のワークショップで詠まれた短歌を見てみましょう。

(上の句=お題)育休に 正直いうと こう思う

(下の句)「手伝うからね」 仕事がしたい

周囲から「手伝うからね」という優しい言葉をかけられ、業務も調整してもらってありがたいけれど、本当のところはもっと仕事がしたい(でもそんな余裕はない)という葛藤が見える短歌です。「制度があって環境として整っていることと、本人のモチベーションは違ったりするよね」という共感や、「でも、余裕ある時に仕事を積んでしまうと、その後休まないとけないときに大変なことになるので、子育てのときはセーブするのがいい」というリアルな体験談が飛び交いました。

(上の句=お題)子育てが 難しい職場 どんなとこ

(下の句)嘘じゃないよね 「大変だよね」

「大変だよね」と寄り添いの言葉は言ってくれるけど、実は分かっていないんじゃないか、本心じゃないんじゃないか…という、もどかしい疑心暗鬼を表した短歌です。大変だよねと声をかけていても、「実際の行動では全然優しくない人もいる」というエピソードも語られました。気遣い、配慮が蔓延しすぎて本音が見えなくなってしまうという、解決すべきコミュニケーションの課題が垣間見えた短歌でした。

産前産後に関わる本音が見えると、組織の課題や具体的施策も見えてくる

tanQAのワークショップでは、グループの話し合いの中で出た意見を記録し、事後にもアンケートを実施します。そこに見えてくるのは、働く人の様々な本音であり、その組織が抱えている潜在的な課題です。

communicationWork(ワークシート例)

たとえば、協力してと言えない、任せてと言えない組織構造や、産休・育休未経験の管理職が多い職場での心理的負担。また、引き継ぎが整っている職場の参加者は「連絡ゼロで休める」と語り、属人的な業務が多い職場ほど休みにくい現実が露わになる、という場面もありました。「言葉にした瞬間、初めて“これは課題だった”と気づいた」という感想を伝えてくれた参加者がいましたが、それこそが、tanQAの効用であり、そこにはたくさんの「施策の種」がちりばめられています。私たちは、その「種」のひとつひとつを丁寧に拾って分析し、企業の担当者の方たちと共有します。それによって、その組織に必要な施策につなげるお手伝いができると考えています。

 誰もが働きやすい組織という、共通のゴールを目指して 

産前産後や育休・復職にまつわる様々な課題について、多くの組織はまだまだ最適解が見いだせていない状況だと思います。それは、一人ひとり異なる生き方や価値観に根差した課題だからであり、本人の気持ちはもとより、周囲の視点や組織の仕組み、評価や引き継ぎの構造、夫婦間の役割分担といった、多様で複雑な要素が絡み合った課題だからです。そして、tanQAの強みは、そうした多様で複雑な課題に光をあて、自然に本音を引き出せるところにあります。
tanQAのワークショップは、組織が導入している制度が本当に機能しているかどうか、社員にどうとらえられているのか、という検証にもつながります。さらに言えば、制度だけでは職場の不安や違和感は解消されない、ということも見えてくるでしょう。制度の隙間からこぼれた“言語化できていない本音”こそが、組織文化の改善点であり、人事施策や円滑なチーミングのヒントになる。tanQAだから引き出せる、語られる本音が、有効だと考える理由です。
採用が難しさを増す今の時代、働く人たちの本音を引き出し施策につなげていくことは、エンゲージメントを高めるためにも非常に重要です。誰もが働きやすい、魅力ある組織づくりのために、ぜひ活用いただければと考えています。

■tanQAに関するお問い合わせ・ワークショップの実施は大広フェムテック・フェムケアラボまでご連絡ください。
・社内研修として導入可能
・組織課題の可視化/心理的安全性向上に最適
・人事・管理職の育成研修にも応用可

詳細設計や導入相談も承っています。
「わが社でも一度やってみたい」と思っていただけたら、ぜひお気軽にお声がけください。

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まとめ

「カードゲーム仕立てで短歌をつくる」というユニークな手法で、産前産後のコミュニケーション課題にアプローチする《tanQA》。複雑でデリケートなテーマだからこそ、「ゲーム」と「創作」の要素が効果を発揮します。組織の中の「配慮」の陰に隠れた本音を引き出し、制度からこぼれ落ちる不安や違和感に光を当てることで、誰もが働きやすい組織、エンゲージメントの高い組織づくりのヒントを探り当てることができます。


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柴田 笙子

柴田 笙子

未来開発局オープンイノベーションセンター / プランナー

2019年に新卒で入社後、食品・ヘルスケアやファッション・美容系業界のブランド戦略立案・コミュニケーション支援を行う。大広フェムテック・フェムケアプロジェクトでは産後リカバリープロジェクトの推進に携わり、企業の連携による社会課題解決に取り組む。