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2025.11.05

【大広とクロスな人たち】 第1回「良い人みんなでつくる時代」 みんな/皆川壮一郎さん

2025年4月に大広の社内ユニット、大広GXU(グロースクロスユニット)が誕生しました。さまざまなプレイヤーとクロスし、新たな価値をグロースすることを目指す本ユニット。そのメンバーとつながりのある方々に、大広GXUとの仕事を通して見えた、強みや可能性をお聞きする本連載。第1回は博報堂ケトルから独立後、積水ハウス不動産の仕事をご一緒した、株式会社みんな の皆川壮一郎さん。「自分の好き」を仕事に変える意識付けについてもお聞きしてみました。

皆川プロフィールT2

皆川 壮一郎
株式会社みんな クリエイティブディレクター

営業職、マーケ職などを経て、クリエイティブの道へ。2024年博報堂ケトル/博報堂を卒業し、株式会社みんなを設立。TVCMからレストラン/銭湯/アパレルブランドのプロデュースまで、仕事の領域を拡大中。主な仕事に「嵐×賛同企業13HELLONEWDREAM.PROJECT」「この街を温める。西新井堀田湯再生プロジェクト」「FragmentUniversity藤原ヒロシの特殊講義非言語マーケティング」など。主な受賞歴はJAAAクリエイターオブザイヤーメダリスト20172021など。

 

塩脇プロフィールT

塩脇 生成
株式会社大広GXU ブランドエクスペリエンスグループ クリエイティブディレクター/コピーライター/プランナー

編集プロダクション、転職メディア、出版社、広告会社などを経て、2023年に博報堂ケトルへ。皆川さんに師事を仰ぐ。2025年より現職。主な受賞歴はACCJAA広告賞、毎日広告デザイン賞、CCNなど。

 

「大阪で一番つよい」から「誠実で一生懸命」へ

塩脇:積水ハウス不動産の仕事で、CDとして大広の営業/マーケティング/キャスティング/クリエイティブといった多くの人と関わってみて、大広の印象は変わりましたか?

皆川:めちゃくちゃ変わった。読広やケトルにいた時は「大阪で一番つよい」「ダイレクトが得意」といったイメージがあったんだけど、仕事をしてみると人柄が印象に残った。具体的には、誠実で一生懸命な人が多い会社だなと。営業もマーケも、クリエイティブの領域まで越境して一緒にアイデアを考えてくれたし、クリエイティブに必要な情報を必死に探してくれた。その一生懸命さが印象に残ったね。

塩脇:この仕事がスタートした、キックオフの打ち合わせで「マーケチームがすごい!」と驚いていましたね。

皆川:ケトル時代に組んでいた優秀なマーケチームと比べても、全く遜色ないレベルの高さにビックリした。クリエイティブに肉薄するところまで戦略を考えてくれたし、その戦略と戦術をロジカルに説明してくれる点も良いと思った。

塩脇:キックオフでマーケチームから貰った「積水ハウスで培った家と土地の知見が、積水ハウス不動産の強みでもある」という分析が、最後までクリエイティブに生きていましたからね。逆に、物足りないと感じた部分はありましたか?

皆川:すべての分野において素晴らしいチームだったけど、強いて言えば「実績による説得力」かな。誰もが知る事例が3つあると、自信にもつながり、プレゼンの時に武器になる。「こんな事例があって、こうしたから上手くいきました。ちなみに僕が担当しました」と言えると、説得力がぐんっと増す。そのために、歯を食いしばって3つ実績を作れるかどうかが大事だと思う。

塩脇:僕自身、クリエイティブディレクターを担当するようになって、自分やチームみんなで歯を食いしばるという難しさも感じます。

皆川:昔はチームやメンバーを限界まで追い込むクリエイティブディレクターもいたけど、いまは良い人が評価される時代。良い人が集まって、みんなで良いものをつくる。大広には誠実で一生懸命というカラーがあるから、それを大事にしながらやっていけば良いんじゃないかな。

社員との対話から、クライアントの真の価値を見つけた「深層対話」

塩脇:積水ハウス不動産の話に戻ると。ストラテジーや表現をつくるためのファクトを、営業チームが現場社員の声から拾ってくれました。大広が重視している、顧客との深い対話を繰り返して顧客価値を見つける「深層対話」。それを現場社員の方々に複数回行なったことで、積水ハウス不動産には「家と土地に対して、知識と熱量の豊富な社員がたくさんいる」という価値の発見にもつながったように思います。

皆川:そうだね。クリエイティブチームで、「こういうことを聞けたら良いよね」と話していたことを、なあなあで終わらずに実現してくれた。おかげで、クライアントの想いまで見据えて企画を練れたと思う。結果、クライアントの提供価値やメッセージを詰め込んだうえで、全て省略して社名に込めるという「略して、積水ハウス不動産。」というクリエイティブを生み出すことができた。

塩脇:「深層対話」とは少しずれるかもしれませんが、皆川さんは対話をすごく大事にしますよね。チームメンバーやクライアントとも、よく「お茶」や「ごはん」に行くイメージがあります。

差し込み画像T皆川:そうだね、夜が空いてなくても昼に軽く「お茶」するだけで、その人のことがわかる。「ごはん行きましょう」みたいな誘いは、意識的にするようにしているかな。

塩脇:今回のように、初めてのプレイヤーとクロスする/チームをつくるときに心がけていることはあるんですか?

皆川:相手のことを勉強して憑依することかな。相手の立場に立って、どう言ったら気持ち良く仕事できるか考える。モチベーションやメリットがないと人は動かないから。あとは基本的なことだけど、「ありがとう」を欠かさないことかな。僕は人がいないと何もできないから、一緒に働く人に本当に感謝しているし、社名を「みんな」にしたのもそうした理由から。

 大広GXUの可能性——重要なのは「外」とのクロス 

塩脇:新ユニットである大広GXUについて、結成の意図や説明を聞いて、どんな印象を持ちましたか?

皆川:めちゃくちゃ良いと思う。社内でクロスできる人は限られるし、数もたかが知れている。僕は新しい仕事では、社外の新しい人と組もうと意識していた。いま、仕事の半分が広告で、半分は広告以外。アパレル、本屋、銭湯、ホテル…世の中にはアイデアを求めている場所がいっぱいある。どんどん社外の良い人を見つけて、クロスしていったほうが良いよ。

塩脇これからの大広GXUとやってみたいことはありますか?

皆川:関西など、東京以外の拠点でも仕事してみたいね。最近、後輩が大阪でやっていた仕事で、面白いけど難しそうな企画を社長に食らいついて提案して、全国的な話題になったこともあった。前のめりな姿勢があれば、どんな仕事でも面白く変えられる。仕事が仕事を呼ぶという面があるから、まずは名刺代わりになるような仕事を一緒にやりたいね。大広GXUはシンボリックな存在になるよう期待も込められているだろうし。一緒に、前のめりに攻めていきたいね。

塩脇最後に。大広GXUでは、自分の好きな分野にも積極的に取り組んで、仕事にしていこうという流れがあります。音楽//食…など、皆川さんのように自分の好きを仕事に昇華するコツを教えてください。

皆川:自分の欲望を言いふらして仕事に入れ込むこと。とは言え、無理やり自分のやりたいことを入れ込むのはダメ。適切な場面で適切なカードを切れるように、欲望をストックしておくことも大事だね。あとはオンもオフもなく、遊びでつながった人とも仕事をするし、仕事と同じくらい遊びにも本気で取り組む。35歳で憧れのクリエイティブ職に移れて、仕事が嫌だなと思ったことは一度もないし、明日何をするか想像すると今でもワクワクするよ。


まとめ

良いチームをつくるには「ありがとう」と「お茶/ごはん」。それに相手のメリットを考えつくすこと。モチベーションの高いチームは自然と、「深層対話」の頻度や精度も上がっていくのではないだろうか、皆川さんとの取材を終えて、そんなことを感じました。また、欲望をストックするという技や心構えは、仕事に「自分の好き」を入れ込みたい人には、大きなヒントになるのではないでしょうか。

【参考】  
みんな/皆川壮一郎インスタグラム  https://www.instagram.com/souichi0227/


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この記事の著者

塩脇 生成

株式会社大広GXU ブランドエクスペリエンスグループ 

クリエイティブディレクター/コピーライター/プランナー 編集プロダクション、転職メディア、出版社、広告会社などを経て、 2023年に博報堂ケトルへ。皆川壮一郎氏に師事を仰ぐ。2025年より大広GXU ブランドエクスペリエンスグループ。主な受賞歴はACC、JAA広告賞、毎日広告デザイン賞、CCNなど。