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2025.02.03

シリーズ「今こそ、インフォマーシャル!」⑦レスポンスがとれる制作ノウハウ全公開! 【マスト構成要素編】

前回に引き続き、大広WEDO・折橋氏に「買いたい!」「電話したい!」と思わせるTVインフォマーシャルの制作ノウハウを聞きました。今回は、絶対必要な構成要素にスポットを当てます。たとえば、ひとくちに「体験談」といっても見せ方は様々。どんな要素をどのように見せると効果に結びつくのか、前回同様、実際の事例に基づいた生成AI画像で解説いただきます。

[インタビュイー]

折橋雄一_500折橋 雄一 
(株)大広WEDO プロデュースDivision プランニングチーム
TV通販枠のバイイング、TV通販会社の営業担当を経て、ダイレクトマーケティング業務に従事。TVインフォマーシャルを中心にした企画・制作・メディア運用から、CRM戦略立案や顧客育成プログラム立案等のクライアントサポートを推進。

TVインフォマーシャルにおけるマスト構成要素とは?

――今回の「マスト構成要素」というのは、どういうものを指すのでしょうか。

折橋
TVインフォマーシャルを成功させる上で、構成上、必ず入れるべき要素、ということです。これまでお話ししたように、実際のインフォマーシャルを見ていただいてアンケート調査し、分析を行った結果、様々なインフォマーシャルに共通するノウハウとしてまとめました。
具体的には、以下のようなものがあります。

[6つのマスト構成要素]

  1. 体験談
  2. 実演・デモンストレーション
  3. 成分・メカニズムの解析
  4. 開発者・担当者の秘話
  5. 現地レポート
  6. 問題提起

――それぞれ、TVインフォマーシャルの中でよく見るものですね。

折橋
そうだと思います。以前にもお話しましたが、29分のTVインフォマーシャルの場合、内容を3~4ブロックに分割し、ブロックごとにCTA(Call to Action=行動喚起。注文を促す呼びかけ)の枠を設けます。1ブロックの本編は、5~6分ですから、その中に6つの「マスト要素」全部を盛り込むことは難しい。訴求力の強いものはすべてのブロックに入れ、そうでないものは各ブロックに散りばめて、29分全体で網羅する、という構成にするのが通常です。

この「6つの構成要素」は、重要度順に並べています。
インフォマーシャルで最も入れるべき強い構成要素は「体験談」だということです。ですから体験談は、どのブロックにも入れます。

また、ここに挙げた構成要素は、良いインフォマーシャルには必ず入っているものだと考えていただいて結構です。逆に言えば、これらの要素が入っていないインフォマーシャルはレスポンスが取れません。

そして、重要なのは、それぞれのマスト構成要素の「見せ方」です。先に挙げた構成要素でも、何でもいいから見せればいいというものではないのです。どういう風に見せれば、レスポンスにつながるのかを追求していますので、まさにノウハウになってます。

その効果的な見せ方とは?~事例に基づくポイント解説

マスト構成要素  1 . 体験談

折橋
体験談というのは非常に訴求力の強い要素ですが、どう見せるべきか、良い例と悪い例を比較しましょう。たとえば健康食品の場合です。

体験談_良い例

体験談_悪い例

――動きの有無が大きな違いでしょうか。

折橋
そうです。夫婦でマラソンをしたり社交ダンスをしたり、活動的で生き生きした姿というのは目を引くし、訴求力が強い。視聴者は、そこに未来の自分の姿を重ねるんですね。一方で、座ったまま、ずっとバストアップの映像でただ話しているだけだと印象に残らない。たとえ、それがタレントさんでも効果が高まりません。だから、一般の愛用者の方に出演いただくときは、撮影の前に「趣味はなんですか?」「楽しんでいるところを撮らせてほしいのですが」とお聞きして、動きのある生き生きとした表現を工夫します。

<示唆①>
活動的でイキイキした姿を見せる
〇:商品を使っている未来の自分をイメージできる
×:バストアップの座ったままの様子では、「元気になる」「若くイキイキいられる」ことが伝わらない
×:タレントであっても、動きなく静かに語るコメントは印象に残らない

折橋
次は、体験談の伝え方です。愛用者ならではの使用感や効果感を具体的な言葉で語っていただくことが重要です。

体験談_良い例2

体験談_悪い例2

――言葉そのものだけでなく、言い方も大事ですよね。

折橋
そうです。本当に気持ちが動いているか、その商品に強い思い入れがあるか、視聴者はちゃんと見ています。それだけでなく、「実際に肌がツヤツヤしている」「体形がスリムで柔軟性がある」といったところもしっかり見ていて、それがよい印象であれば商品にもプラスに働きます。悪い例のように、伝聞だったり、ありきたりの言葉で熱意が感じられなかったりすると、視聴者の気持ちは動きません。

――いいコメントを言ってくれる人を探すのが大変そうですが…。

折橋
実際の愛用者さまですから、探すのは結構大変です。効果的に語ってくれる人を探し続けることが重要ですね。

<示唆②>
自分の言葉で語る
○:愛用者ならではの使用感や効果感を、具体的な言葉で語る

⇒食品:味や風味、食感、飲みやすさなど ⇒化粧品やサプリメント:効果感や使いやすさなど
○:商品に対する強い思い入れや、自分ならではの実体験を語る
×:コメントに熱意なし
×:自分の言葉でなく、人が言っていた感想を述べる
×:商品特有の効果ではなく、ありきたりの言葉で評価する

折橋
ビジュアルで直感させることも重要です。

体験談_ビジュアル認識の例

折橋
先ほども言いましたが、肌や髪のツヤといった部分を、視聴者は非常によく見ています。健康食品や美容関連の商品などは特に、ビジュアルの印象が重要です。

――この年齢で、このツヤ、というような驚きもありますね。

折橋
それが、「〇〇(商品)を飲んで/使っているからなんだな」と、ベネフィットを直感させるんです。

<示唆③>
愛用者のビジュアルで商品ベネフィットを直感させる
○:肌つやのよさや血色のよさは商品ベネフィットを直感させる
○:スキンケア⇒肌の輝き、ツヤ感、ヘアケア商品⇒髪のツヤ

折橋
また、体験談では、家族や友人と語り合う、というシーンも有効です。

体験談_愛用者母子が語り合うシーン

折橋
この事例では姑と嫁、つまり義理の母子が同じスキンケア商品を使っていて、そのベネフィットを話し合っています。年齢的な幅も出ますし、嫁姑の関係なのに本音で相手を評価していることが伝われば、効果の信憑性を高めることができます。

<示唆④>
家族や友人と語る
○:家族や友人など周りの人に評価してもらうことで、信憑性が増す

折橋
体験談の最後になりますが、「映してはいけないもの」もあるんです。

体験談_愛用者の自宅が豪華な様子

――おうちの豪華さに驚いてしまいます。

折橋
自宅が豪邸、これはもう大変です。調査で得られた声も「こんないい家に住んでいてもお得が好きなのかな」「後ろに映っていた壺が高そう」、海辺のお宅だった時は「あんないい景色の所に住んでみたい」など、商品のことが全然意識に届いていなかった。現場に行ってみないとわからない場合も多いので、こういう場合はできるだけ余計なものを映さず、画角を絞るなどして人と商品にかかわる部分だけにフォーカスする必要があります。

<示唆⑤>
関係ないことに目を向けさせない
×:愛用者のリアリティを見せることは大切だが、商品やその人の人となりに関係ないものを強調すると、そこばかり目について、感情移入できない


マスト構成要素  2 . 実演・デモンストレーション

折橋
次は、実演やデモンストレーションを見せる際のポイントです。

――実際に使ってみるシーンもよく見ますね。

折橋
映像を通して疑似体験させるための非常に大切な要素ですが、商品の特徴に合わせてポイントを押さえる必要があります。

実演_疑似体験の例

折橋
化粧品を塗るシーンでは、「無造作に目の周りまで塗っている」ことで「商品の使いやすさや肌へのやさしさ」を感じさせますし、育毛ケアを施術しているシーンは、「セフルケアではなく、プロに頼った方がいい」ということも伝わります。

<示唆⑥>
実際に使用シーンを見せることで疑似体験させる
○:商品の購入意欲が高まる

折橋
ビフォーアフターを比較するデモンストレーションもなじみ深いと思いますが、これも、前後のギャップが大事です。

実演_ビフォーアフターの様子

――時々、差をつけすぎじゃないかと思う場合もありますが…

折橋
わかりやすく演出したほうが訴求力が強いことも、調査でわかってきたことなんです。もちろん、事実に基づいて、というところが重要で、過剰になってはいけませんが。

<示唆⑦>
ビフォーアフターのギャップを見せる
○:ギャップが大きいほど驚く効果が感じられて有効。

折橋
次は、実際のボリューム、数などを見せるデモンストレーション。

実演_ボリューム、数を見せる様子

――前回、野菜の必要量の表現でもありましたね。

折橋
そうですね。ダイエット商品では、脂肪に見立てた模型1kgを見せて「あなたの体の中にこれが」と、また、たっぷり使える美容マスクなら、全部並べてみて「こんなにたくさん」と直感させる。100個なら100個全部見せる、そのインパクトで言葉だけでは伝わらない強い印象につなげます。

<示唆⑧>
効果を直感させる
○:ビジュアルやアクションでインパクトを付ける

折橋
商品が食品の場合には、試食会を開催することが有効です。

実演_子供が試食する様子

折橋
食品はやっぱり味が大事ですから、実際に食べて/飲んでどうなのか、というところを表現したい。試食会を開催すれば、いろんな人からの感想を集めることができます。前回もありましたが、子どもの感想の信憑性は効果が高く、自然の中や風光明媚なところで行うと反応がいいことがわかっています。

<示唆⑨>
食品は「試食会」が有効
○:初めて飲む人の声は客観的な意見。社会的証明効果が大で、愛飲者以上にリアリティが増す
○:特に、「子供の試飲⇒おいしい!」は、信頼性が高い。老若男女が登場して、その人なりの言葉で様々に評価
○:自然の中の観光地などでの試飲会は、開放感のある環境に様々な人が参加でき、いっそうリアリティが増す

折橋
原材料の現物を見せることも有効です。

実演_原材料の現物を見せている様子

折橋
特に、現地・現場の風景とともに見せると反応がいい。大豆やニンニンクなど原材料をそのまま食べる食品でなくても、品質の良さとか新鮮さなどがストレートに伝わることで商品の価値が高まるんですね。また、収穫したり、切って中身を見せたりすることも有効です。

<示唆⑩>
原材料の現物を見せる
○:商品の原料が一目でわかり、おいしさや安心が伝わる
  食品⇒収穫する、実り感を見せる、サヤから出す、切って中味の完熟度を見せる など
  化粧品⇒成分原料を見せる


マスト構成要素  3 . 成分・メカニズムの説明

折橋
3つ目は成分・メカニズムの説明です。成分やメカニズムという「事実」を説明するわけですが、やはり見せ方が重要です。たとえば、これ。

成分_原料をみせる様子

折橋
おからを使った健康食品なんですが、こうやって原料の現物を見せるということが大事です。「豊富な食物繊維など、おからの栄養素をすべて使っている」という情報も、現物のビジュアルとともに見せることで、ぐんと伝わりやすくなります。

<示唆⑪>
現物(実写)のビジュアルで伝える
○:実写の映像は、インパクトが強く、印象に強く残る。
○:インパクトばかりでなく、多くの情報を含めて伝えることができる。
  ⇒含有量の多さ、希少価値など

折橋
次は、変化の様子や実験映像を見せることで、効果のエビデンスを伝える手法。

成分_エビデンスを証明した様子

――見て、すぐに理解できる表現方法ですね。

折橋
それが重要です。この例では色が変化したり、肌の水分量が上がっていることを見せています。ほかには汚れが落ちるとか、においを臭気計の数値で表す、など、色や形、数値でわかるようにします。

<示唆⑫>
変化を測定・実験した映像を見せる
○:色や大きさは一目で違いが分かって効果的。
○:成分含有量や水分量、臭気などは「明確な数字」を伝える。

折橋
一方で、目で見てもわからない効果、体内での作用などは説明するのが難しい。正確性も担保しなければなりません。それをわかりやすくするための手段としては、CGアニメーションが効果的です。

成分_CGアニメーションを使用した良い例

成分_悪い例イラストを使用した様子

折橋
良い例では、乳酸菌をキャラクター化し、過酷な環境でも生き抜く物語にしたことで、「生きて腸まで届く強さ」をとてもよく理解できたという声が多かった。悪い例の方は、この絵が肌の断面であることすら伝わっていない可能性があります。

<示唆⑬>
成分作用の様子は、CGアニメでわかりやすく伝える
○:成分やメカニズムをリアルに想起させるCGアニメで視覚的にわかりやすく伝える
○:成分の特長もCGキャラクター化などをすることで、イメージさせる。
×:動きのない、単なるイメージイラストだけでは印象に残りづらい
×:動きがあっても、メカニズムの説明なしの単なるイメージ訴求では印象に残りにくい


マスト構成要素  4 . 開発者・担当者の秘話

折橋
次は、開発者秘話です。開発者や担当者の話というのは、現場で、ご本人にがこだわりを熱く語ってもらう必要があります。

開発者_開発秘話を話す様子

――熱く、というところが重要なんですね。

折橋
はい。その人の開発にかける熱意や一生懸命さ、商品への想いが、安心感や信頼感につながります。「そんなにがんばって作ったのなら、いちど買ってみたい」と、気持ちを動かされるのです。

<示唆⑭>
現場で、開発者本人が自分のこだわりを熱く語る  
○:売る人・作る人の熱意や一生懸命さが商品の品質感や安心につながり、購入意欲を高める
○:スタジオトークの場合は白衣姿で研究している写真だけでも有効

折橋
同じ説明でも、やはり、「伝わる喋り方」ができるかどうかは大きな分かれ目です。

開発者_伝わる喋り方の良い例と悪い例

折橋
自分で開発したのだからうまくしゃべれるだろう、というのは間違いで、おしゃべりのプロではないので、棒読みになってしまう、というのもよくある話。撮影上の難関のひとつです。

――どうしてもうまくしゃべれない場合はどうしたらよいのでしょうか。

折橋
悩ましいところですが、開発者本人でなくとも、開発プロジェクトに携わって経緯をわかっている別の方で、お話が上手な方がいれば、その方にお願いする方がいい結果になる場合もありますね。

<示唆⑮>
担当者は「よどみなく、自分の言葉で」喋れる人を選ぶ
○:台本の棒読みでは登場させない
○:実際の開発者でなくても、「よどみなく・はっきりと」話せる人のほうが有効
×:棒読みでぎこちない話し方は「台本を読んでいる」と感じさせ、信頼を失う
×:本当の開発者であっても、話し方がぎこちないと説得力を感じさせられない


マスト構成要素  5. 現地レポート

折橋
5つ目は、現地レポートです。農産物や海産物などの場合は、生産地と生産者を見せることが効果的です。特に、自然豊かな産地で見せる素材は美味しさを感じさせて購入意欲を高めます。

19.現地レポート

折橋
作り手が、自分のこだわりや作ったものへの愛情を訥々と、でも真剣に語る様子は、やはり人の気持ちを惹きつけます。手間をかけて育てたことが伝われば、「貴重なものだと感じた」と、商品の価値が高まります。それに、大豆を手に取って「かわいい」って言うなんて台本では書けない。事実、視聴者から印象的なシーンとして評価されました。

<示唆⑯>
産地で生産者が、こだわりや独自の生産方法を真摯に語る
○:自然のシズルが溢れている産地で見せる素材は美味しさを感じさせ、購入意欲を高める
○:作り手・売り手の「顔」を見せることは、商品のおいしさや魅力を増幅させ、購入意向を高める
○:独自の生産方法やこだわりについて、気持ちを込めて真摯に語ることが有効

折橋
次は、現地レポートです。ライブ感のある映像は力強さがあります。

現地レポート_ライブ感がわかる様子

折橋
良い例では、わざわざ畑に行って、そこで桃を切って食べました。本当においしそうだったし、視聴者の反応も上々でした。一方で、せっかく現地に行っているのに、なぜか倉庫と配送のトラックをバックにしてしまった例もあります。「こういうこだわりがあって…」という内容の話をしていても、この場所で動きのない映像では商品の良さは伝わりません。

<示唆⑰>
現地レポートは、アクション(ライブ感)が重要
○:レポーターが生産の現場や工場で歩き、話し、飲んだり食べたりする
 ライブ感溢れる映像は、見ている人を引き込む力強さがある
×:魅力的でない場所や動きのない現地レポートシーンは印象に残りにくい

折橋
その意味で強いのは、産地と工場を一緒に見せる現地レポートです。

現地レポート_産地と工場を一緒に映す様子

折橋
この例は、畑と工場です。「収穫のピークはたった2週間」なので、レポーターも作業を手伝いますし、それをすぐ工場に運んで洗浄する。工場はフル稼働です。採れたての材料をすぐ加工する躍動感、人も工場も動いていて、すごくインパクトある映像になりました。

――フレッシュでおいしそうなことも伝わりますね。

折橋
はい。さらに、そこで工場の清潔感を見せられれば、なお効果的です。

22.現地レポート_工場の清潔感

折橋
この事例の場合は、事前のロケハンで工場がとてもきれいだったのでしっかりと撮影することにしました。清潔さは信頼感や安心感につながりますし、工場がきれいだとよりおいしそうに見えますから。レポーターが「清潔ですね」と言うのは台本にあるわけですが、それはロケハンで得た実感を基にしたもの。インパクトのある映像になりました。

<示唆⑱>
産地と工場を一連で見せる
自然の中で収穫されたものが、清潔な工場で加工されるプロセスが見えると、商品への
関心やリアリティが高まり、おいしさを期待させる。
<示唆⑲>
工場の清潔感を印象づけられると有効
○:工場の「清潔さ」は信頼と安心につながり、購入意欲を喚起させる。
  レポーターが「きれいな工場」と語ることも印象を強められて有効。


マスト構成要素  6 . 問題提起

折橋
最後の要素は、「問題提起」です。商品というのは「解決策」ですから、その出発点となる問題提起はとても大事です。「野菜は足りていますか?」「日焼けが気になりますよね」と、視聴者が感じている「問題」意識に問いかけて、自分事化してもらう。その際に、どういう方法がいいか、ということです。

23.問題提起

――加齢とともに減少、と言われるとドキっとします。

折橋
それはもう、自分事化が始まっていますね。企業や商品の関係者ではない専門家の言葉は信頼されますし、その道のプロの解説は納得しやすい。もちろん、話すときの熱意や受け入れられやすい話し方も重要です。

<示唆⑳>
権威者・専門家が客観的な立場で、成分の必要性を説明する
○:客観的な立場の専門家による問題提起は信頼感アップ
○:商品USPから離れず、権威者の言葉で熱意を持って語ることが重要

折橋
さらに、問題提起とエビデンス(データ)を同時に示すことも効果的です。

24.問題提起_エビデンス

折橋
悩みなどの問題はきちんと提示して自分事化していただく必要があるのですが、言っているだけでは弱いです。エビデンスを出さないといけません。エビデンスでしっかりと認識していただく必要があります。データだけでなく、街頭インタビューで自分と同じような人が同じような悩みを持っていることを表現するのも強力です。これらの問題に対する解決策として商品を紹介するので、商品情報を受け入れやすい心理状態ができている、というわけです。

<示唆㉑>
問題提起とエビデンス提示をセットで行う
○:問題提起の証拠となるデータを見せることで、自分ごととしてとらえることができる
  例)一目でわかるグラフ、切実な悩みを語る街頭インタビュー

――たくさんの事例とともに、今回も惜しみなくノウハウを放出してくださいました。

折橋
前回同様、こうした内容も、お客様や視聴者への調査で得られた結果を分析したものです。TVインフォマーシャルは字義どおり、インフォメーション=情報をお伝えするコマーシャルなので、視聴者が知りたいこと・見たいものが何なのか、ということを追求します。それと同時に、それがどんな映像表現になったら伝わりやすいのか、納得いただけるのか、というところにノウハウがある。

今回の内容も、TVインフォマーシャルを検討しておられる企業に活用いただければと思いますし、我々にご相談いただければ、効果的なTVインフォマーシャル展開のお手伝いができると思います。

――ありがとうございました。


まとめ

  • TVインフォマーシャルには、「体験談」や「実演・デモンストレーション」など、6つのマスト構成要素がある。
  • 体験談は活動的でイキイキした姿を見せることが重要。使用感や効果感を具体的な言葉で語ることが大切。 
  • 商品ベネフィットを視覚的に伝えるため、健康的な肌や髪などのビジュアルが有効。
  • 家族や友人と語り合うシーンは信憑性を高める。 
  • 実演やデモンストレーションは商品の特徴を押さえて疑似体験させる。ビフォーアフターのギャップを見せることで効果が伝わりやすい。
  • 現地レポートも効果的。
  • 権威者や専門家の客観的な立場での問題提起は信頼感を高める。問題提起とエビデンスをセットで提示することで説得力が増す。 
  • 映像表現では、「視聴者が知りたいこと・見たいものが何なのか」、ということを追求すべし。


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この記事の著者

折橋 雄一

メディアバイイング、TV通販会社の営業担当を経て、ダイレクトマーケティング業務に従事。TVインフォマーシャルを中心にしたアクイジション領域から、CRM戦略立案や顧客育成プログラム立案等のクライアントサポートを推進。調査と分析を核としたPDCAと、得られた知見を統合しオジリナルメソッドを開発することに力を注いでおり、通販の顧客インサイトを可視化した「カスタマージャーニーマップ」や口コミ循環のマーケティングモデルである「アンバサダーハリケーンモデル」、顧客育成のプロセス全体を描いた「CRMサクセスマップ」を開発。