2025年4月に大広の社内ユニット、大広GXU(グロースクロスユニット)が誕生しました。さまざまなプレイヤーとクロスし、新たな価値をグロースすることを目指す本ユニット。そのメンバーとつながりのある方々に、大広GXUとの仕事を通して見えた、強みや可能性をお聞きする本連載。第5回は株式会社SUNDAY ISSUEにて、ネコプロジェクト「Cat's ISSUE」を主宰する太田メグさん。クリエイターとのコラボによるネコグッズ制作や企業とのイベントに加えて、フェス「THE CAT’S ISSUE FES」開催まで、ネコ愛を軸に幅広く活動する太田さんに、ネコの持つ力を教えていただきました。
シリーズ一覧は、記事下部をご覧ください
太田 メグ
株式会社SUNDAY ISSUE 「Cat's ISSUE」主宰
多摩美術大学を卒業後、デザイナーやキュレーターなどを経て、アートラウンジ「SUNDAY ISSUE」創設。2013年にネコプロジェクト「Cat's ISSUE」を発足し、ネコ愛を発信している。愛猫・コムタンとの出会いから別れをつづった『コムタンっていうネコの本(ステレオサウンド)』を2025年出版。コムタンや家族の様子を発信するインスタはフォロワー約12万人。
塩脇 生成
株式会社大広GXU ブランドエクスペリエンスグループ クリエイティブディレクター/コピーライター/プランナー
編集プロダクション、転職メディア、出版社、広告会社などを経て、2023年に博報堂ケトルへ。2025年より現職。主な受賞歴はACC、JAA広告賞、毎日広告デザイン賞、CCNなど。
ネコによって家族が変わった原体験。

塩脇:「THE CATS ISSUE FES 2026」おつかれさまです。ネコグッズから、映画、音楽ライブまで盛りだくさんで、うちの3歳の子どももすっかりネコ好きになりました。
太田:嬉しいです!たくさんの方に来ていただいて、大盛況でした。
塩脇:本当にネコ好きな人が企画したイベントだと感じたのですが、昔からネコ好きだったんですか?
太田:子どもの頃はそこまででもなくて。きっかけは、学生時代のアルバイト先で見た捨てネコ情報でした。ネコ好きの兄と一緒に見に行ったら、そのまま実家で引きとることに。ネコを飼って驚いたのは、家の空気が一変したことです。
塩脇:僕も実家でイヌを飼っていたのですが、家族の中心になりますよね。
太田:特に母が変わりました。まるで「母とネコ2人だけの世界」ができあがっていくようで。「今日は屋上に行ってみよう!」とかずっと話しかけていて、常に一緒にいる仲になっていました。その姿が本当に尊くて。いつか私もそんな関係になれるネコを飼いたいと思っていました。
塩脇:それが後の愛猫・コムタンにつながるんですね。仕事としてネコに関わるようになったのは2013年。それまでは何を?
太田:ずっとデザインやアートの世界にいました。新卒で入ったのはデザイン会社で、本の装丁に憧れていました。ただ、デジタル入稿が導入され始めた時期で、働き方が激変する中で体に不調を感じて…。それで、大学の助手をしたり、出版社で雑誌づくりをしたり、ギャラリーでキュレーションをしたり。自分のアイデアをカタチにする仕事を模索していました。
塩脇:ご自身がアーティストになる方向には行かなかったんですか。
太田:若い頃から才能のある人々に囲まれていたので、そうした人の魅力を引き出す仕事に惹かれていきました。その中でギャラリー「SUNDAY ISSUE」をオープンし、キュレーションの仕事を経て、今は屋号「SUNDAY ISSUE」としてアートに関わるディレクションや企画を行なっています。
世界をつなぐネコ。
塩脇:愛猫・コムタンと出会ったのは、その頃ですか?
太田:ええ。一人暮らしを始めたタイミングもあって、飼い主募集していたコムタンを家に迎えました。
塩脇:そこから一気にネコ好きに?
太田:飼い始めてわかったのは、責任の重さも、愛おしさも、想像の何倍も大きいこと。コムタンの不思議な表情も柄も、すべてに夢中になりました。自分でも感情の変化がすごすぎて驚いたくらいです。
塩脇:その気持ちが2013年から始まるネコプロジェクト・キャッツイシューにつながったんですね。
太田:「SUNDAY ISSUE」で展示が空いていた時期に、「ネコのための展示会をやってみよう!」と思ったのが最初です。始めてみると、ネコ好きのアーティストの方々とのつながりがみるみる広がって、気付けば13年以上も続いています。
塩脇:以前、イヌ好きと比べてネコ好きはつながりにくいと仰っていましたが、キャッツイシューが貴重なつながりを生む場所にもなったんですね。
太田:そうなんです。イヌ好きは散歩中に親しくなれるけれど、ネコは家の中が世界。だから、自分だけがこっそり愛猫の可愛さを愛でているような空気がありました。でも、SNSの普及もあって、一気につながりやすくなったんです。
塩脇:フォロワーが約12万人いる太田さん(コムタン)のインスタには、海外からのフォロワーさんも多いそうで。
太田:そう!コムタンの投稿をした時に、はるか遠くの国から「あなたのネコがじゃれている様子を見ています」ってメッセージが来たこともあります。ネコは距離も言語も飛び越えるんだなと感動しました。
ネコと企業のしなやかな関係づくり。
塩脇:キャッツイシューは企業との取り組みも多いですよね。
太田:最初は大手百貨店。「SUNDAY ISSUE」で展開したキャッツイシューの企画展示を見て、声をかけていただきました。その時は商品が少なかったので、サンプルだけを展示して受注販売していました。ネコブームもあり、売上がものすごくて。その後、何度もお誘いをいただける関係になりました。
塩脇:企業との仕事で気付いたことはありますか?
太田:「組織のしなやかさ」が成果に直結します。担当者の方がキャッツイシューやネコが好きでも、組織が縦割りだと声が届かずに熱量が生まれにくい。逆にすべての関係者が連携して一緒に盛り上がれるような柔軟なチームだと、良いアイデアも自然に出てきて成果もあがりやすい。
塩脇:キャッツイシューのサイトで販売中の「キャットフーリガンTシャツ」には、クロネコヤマトのロゴがあったのですが、あれもしなやかさから生まれたものですか?
太田:プロサッカーチームのユニフォームに入っているスポンサーロゴ風に、「第1スポンサーは絶対あの会社だ!」と決めて提案したら、面白がって許可してくださいました。展開案として、次は「イヌの企業ロゴ」を入れたライバルチームのユニフォームも作りたい(笑)。
塩脇:アイデアが広がりますね。逆に、企業との仕事で気を付けている点は?
太田:「動物をマイナスイメージに使う仕事」はNGです。逆に、動物愛護を全面に出す仕事にも慎重になっています。ネコとの暮らしを良くするサービスやグッズがあって、それが結果として保護ネコの啓蒙や支援にもつながるという形なら良いのですが。
塩脇:なるほど。これから広告会社とやってみたいことなどありますか?
太田:ネコマンション構想です。
塩脇:ネコマンション?
太田:1階に動物病院があって、ネコのことを熟知したコンシェルジュがいて、内装や家具もネコと快適に暮らせるものが揃ったマンションです。実はネコマンションをテーマにしたドラマも構想/提案したことがあって、訳あってボツになったのですがまだプロットはあります。
塩脇:ネコマンションで起こる人とネコのドラマ、見てみたいです!
太田:そういう、ネコマンションのような街づくりから、イベント企画、企業課題の解決まで、ネコの力を借りた「クスっと笑える解決策」を一緒に考えていきたいです。ネコ好きってネコにまつわる小ネタを探して、深掘りするのが好きな人が多いので、刺さると強いんですよね。だからこそ、ネコ好きにしっかり届きつつ課題も解決できる企画を、ネコのようにしなやかなチームで実現していきたいです。
まとめ
ネコに関する経済効果「ネコノミクス」は約3兆円にも達すると言われています。2月22日「猫の日」にはネコとのコラボがあふれ、いまやネコブームは文化として定着したと言えるでしょう。そうした状況の中でも、太田さんは「既存商品にネコデザインを施して終わりではなく、企業や社会が抱える課題に向き合い、そのお題に適した解決策から考えたい」と話します。ネコを通して家族や自身が変わったように、ネコのパワーで世の中を変えていくことにも挑戦したいという熱量に圧倒されました。
【参考】
SUNDAY ISSUE/太田メグ
Cat's ISSUE https://cats-issue.com/
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「大広とクロスな人たち」シリーズ一覧
第1回「良い人みんなでつくる時代」 みんな/皆川壮一郎さん
第2回「文脈を編み出し、接点を増やす。広告チームにこそPRパーソンを」マドベ/片山悠さん
第3回「日常の延長で広告体験を味わってもらう“銭湯”の魅力」 ピクセル/大塚輝さん
第4回「オノマトペは、“人の心を鷲掴み”にする言葉」 明治大学/小野正弘さん
第5回「ネコが広げる、つながりとアイデア」 SUNDAY ISSUE/太田メグさん
この記事の著者
塩脇 生成
株式会社大広GXU ブランドエクスペリエンスグループ



