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2023.09.13

SDGs時代の美容事業① クリーンビューティ、ラティーナに大手が注目!

COCAMP大人美容部が注目する、美容ビジネスと顧客価値。今回は、クリーンビューティの誕生と、大手企業の動き、さらに、ラテンやアフリカ系へのホットな視線に注目。美容アナリスト・奈部川貴子先生とともにお伝えします。

今や「クリーンビューティ」がグローバル市場を牽引

今、世界のビューティ市場のトレンド、いえ、もはやメインの潮流、考え方のベースの1つにもなっているのが、「クリーンビューティ」です。

クリーンビューティの流れのルーツは、1980年代後半に起きた、イタリアのスローライフ宣言。それはアグリツーリズモ的な、有機農業やオーガニック農業を楽しむ旅がメインだったのですが、その頃から少しずつ、「スローライフ」や「ナチュラルオーガニック」という波も起こっていきました。

それがアメリカに飛び、「ロハス」という一大ブームとなった言葉も経て、結果的にナチュラルオーガニックの概念、価値観に集約されていきます。2005年から2015年くらいには、世界的ムーブメントとなりました。

ただ、ナチュラルオーガニックという言葉やカテゴリーは、かなりストイックで、有機原料じゃないとだめだったり、エコサートなどの認証を取らないといけなかったり、企業側、作る側には、少し縛りや自由度の低さがありました。

一方で、クリーンビューティは、ナチュラルオーガニックやヴィーガンと違い、強い縛りがないのも特徴。もちろん企業側にも、クリーンビューティと謳うからには、最低限、こういうルールや約束事、ポリシーを、という理念がありますが、ある程度定義がゆるいことで、参画しやすい、という一面があります。 

そこで最終的に、今回のテーマでもある、「クリーンビューティ」という言葉に移行していったのです。 

ちなみに、クリーンビューティという言葉の背後には、アメリカで流行った、「クリーンイーティング」という考え方がありました。できる限り自然に近いものを食べる、体に害のある添加物などは避ける、という発想。いわばその化粧品版が、クリーンビューティコスメというわけです。

そして言うまでもなく、これら一連の動きを押し上げてきたのが、深まる温暖化や、災害の増加、また、サステナブルやSDGsの考え方の広まり……、という、地球的規模の問題や課題です。

そういった地球的規模の背景と、クリーンビューティの概念、企業の取り組みやすさが、ぴたりと合致して、クリーンビューティがメインの潮流になったと言えるでしょう。

欧米の方が、美容においても、環境に関心が深いのは、メラニンが比較的多い日本を含むアジア系の方と比べて、皮膚が弱いということもあります。昔から、オゾン層の破壊をはじめ、環境問題が身近な自分ごとになっているのです。

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大手企業が次々とクリーンビューティブランドを傘下に

クリーンビューティの動きには、いくつか面白いトピックスがあります。1つめは、大手企業が、クリーンビューティのブランドを続々傘下に収めているということ。

自然派、植物系ブランドの買収ももちろんですが、差別化をはかるため、最近は、腸内細菌をはじめとする、菌系の分野に注目する動きも見られます。

たとえば、アメリカの大手企業は、ナチュラル系プレステージブランドを買収した以外に、プロバイオティクスという腸内細菌にフォーカスしたスキンケアブランドを買収しています。日本でも、ナチュラル系ブランドのほか、英国発のマイクロバイオームを応用した、やはり菌系のブランドの買収例があります。

欧米の大手企業が、クリーンビューティ系ブランドを買収する動きはほかにも盛ん。大手で大量生産がベースの会社だと、自分たちで一から作るのも大変なので、むしろ買収して投資し、成長させていく、という動きに。

もちろん、独自で作っているブランドも多く、日本にもクリーンビューティ系のブランドはけっこうあります。たとえば、スキンケアやアロマ、フレグランスなど、トータルで展開。ケミカルなものを使わず、感触のいいものを提供して、ナチュラルなライフスタイルを好む人に大人気のブランドもあります。日本産のクリーンビューティブランドにも注目が集まるでしょう。

ラテン系とアフリカ系のブランドに熱い視線

さらに逃せないトピックスは、ラテン系やアフリカ系のブランドが注目されていること。ラテンアメリカのブランドは、今最もホットと言っていいかもしれません。 

ラティーナスキンケアやラティーナコスメと言われるのですが、スペインのあるラグジュアリーアパレルが、南米のナチュラルコスメブランドの株式を取得したのも、その象徴かもしれません。

フランスの大手セレクトショップチェーンでは、「商品の何割かを、ラティーナに」という決まりがあるとか。世界的な多様性の動きとも関係している感じです。 

アフリカも注目の的です。大自然の中で育つ、シアやコーヒーなどの木の実を原料にしたブランド。特にナイジェリアのブランドが熱い視線を浴びていて、アメリカやカナダのブランドが買収しています。アフリカは、人口の伸び、市場としてのポテンシャルや価値があるので、投資のしがいがあるのかもしれません。

 次回は、「SDGs時代の美容事業」第2弾。さらにクリーンビューティのトピックスを追いかけ、顧客の生き方や哲学にも関係する美容に迫ります。

 

奈部川さんプロフィール写真奈部川貴子 
美容アナリスト・鍼灸師
女性誌にて美容ジャーナリストとして執筆を重ねながら、化粧品のプランニング、商品開発、コンセプト策定などをサポート。特に異業種からの化粧品事業参入時のコンサルティング実績多数。また、独自の整顔メソッドfacemappingに基づくサロンワークとセルフケア啓蒙、化粧品のマッサージ法監修、化粧品会社の施術開発なども行う。


(協力)ライター/遠藤理香

COCAMP大人美容部では、研究の一環として、企業ご担当者様との対話会(無料)なども行っております。ご相談窓口(ページ下部「相談する」)よりお気軽にお問い合わせください。

 

SDGs時代の美容事業② クリーンビューティの哲学をビジネスに活かす。
SDGs時代の美容事業③ ダイバーシティが、化粧品の世界にもやってきた!

まとめ

グローバル美容市場で注目されるクリーンビューティブランドと、ラティーナやアフリカ系コスメ。時代や社会の動きは、美容ビジネスにも大きな影響があるとわかります。肌への機能効果にとどまらず、顧客の意識の変化をとらえることも愛されるブランドには必要な条件ですね。

この記事の著者

COCAMP大人美容部

COCAMP大人美容部は、美容ブランドのマーケティング戦略やコミュニケーションデザインの豊富な経験とネットワークをもつ研究チーム。人生100年時代における美容顧客を研究し、社会に貢献するブランドの活動と体験価値について情報発信を行っています。
<写真左から>
柳 恵理 (株)大広 第3ビジネスデザイン局 部長
原田 裕美 (株)大広 ソリューションデザイン統括局 COCAMP編集長
堀米 華子 (株)大広 ブランデッドダイレクト局 クリエイティブディレクター/アートディレクター ※所属は2024年6月現在