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2023.08.09

良質な口コミの宝庫「ファンコミュニティサイト」の効果的な運用が、LTVを向上させ事業活性化を実現する!

我が社の顧客は何を考え、何を求めているのだろう――事業の成長に欠かせない「お客様の実像」は、ファンコミュニティサイトの中にありました。4回にわたって連載してきた「アンバサダーハリケーンモデル」は、顧客の口コミを最大限に活用して顧客の好意度を高め、LTVを向上させるマーケティング戦略のベース。その知見をもとに運用するファンコミュニティサイトは、顧客どうしのコミュニケーションを活性化して顧客の実像を浮かび上がらせ、さらには企業と顧客との良好な関係性を生み出して顧客との価値共創をも実現します。

――前回は、アンバサダー度=ロイヤルティの指標を組み込んだ新しい顧客セグメントと理想的なCRMについてお話いただきました。

前回の記事はこちら
アンバサダー発想のCRMで、優良顧客を生み出すプラス・スパイラルの嵐を起こす!

ファンコミュニティサイトには、事業の課題解決のポイントが集約

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インタビュイー
折橋 雄一(おりはし ゆういち)
大広 顧客価値開発本部
顧客育成局
マネジメントリーダー

――そして、理想的なCRMのためには「ファンコミュニティサイト」が有効だということでしたね。

折橋:はい。理想的なCRM、すなわちアンバサダー発想のCRMを実現するうえで、ファンコミュニティサイトはこれ以上ない舞台だといえます。 これまでにもお話ししてきましたが、事業の成長が鈍化し、CRMを見直す必要性を感じている企業では、「商品開発やブランド戦略に顧客の声が活かせていない」「新規顧客獲得にコストがかかりすぎる」「有効な情報発信ができず、既存顧客のロイヤルティが上がらない」といった課題が発生しています。これらの課題を解くカギは3つ。「VOC」「UGC」「LTV」の視点です。

《課題解決のためのポイント》

  • VOCVoice of Customer=顧客の声)収集

    企業は顧客からのフィードバックを積極的に収集し、それを製品やサービスの改善に反映させることで、顧客満足度を高めることができます。

  • UGC User Generated Content=ユーザーが自発的に作成するコンテンツ)生成・蓄積

    信頼できる情報として、既存顧客や新規顧客の購買意欲喚起に大きな影響を与えます。

  • LTVLife Time Value=生涯価値)の向上

    長期的に顧客との関係を築くことで、ロイヤルティが上がり、売り上げを安定的に伸ばすことができます。

折橋:アンバサダーハリケーンモデルをベースにファンコミュニティサイトを運用することで、上記3つのポイントをすべてクリアにし、企業の課題解決に貢献できると考えています。

ファンの熱い口コミが、アンバサダー度を引き上げる!

――実際に、ファンコミュニティサイトではどのような活動が行なわれているのでしょうか。

折橋:たとえば、ある通信サービス様では、スマホで撮影した写真を投稿するコンテンツに多くの写真が寄せられています。自分の好きな風景やおいしかった食べ物など、「見て見て」と気軽に投稿し、見た人からの「いいね」やコメントを楽しんでいます。スマホやアプリの使い方などについてメンバーどうしで教えあうコンテンツや、「こんなオプションをつくってほしい」といった意見を募るコンテンツもあって、熱心なユーザーならではの意見交換があったり、時には企業の人が驚くようなアイデアが集まったりと、活発なやりとりが行なわれています。
また、ある飲食チェーン様のサイトでは、メンバーが食べたもの、好きなメニューを写真付きで投稿をするコンテンツがとても盛り上がっています。中には「このお店はわが家のように落ち着く」「メニューのイラストでオリジナルのTシャツをつくった!」といった投稿も。 企業側からも商品や店舗に関するニュースをいちはやく公開したり、好きなメニューに関するアンケートをとったり、サイトの「常連さん」を表彰したりするなど、楽しい情報と参加しやすいコンテンツがファンを惹きつけています。

――なるほど、ファンどうしで盛り上がっている様子が見えると、楽しそうで、ひきこまれますね。

折橋:そうでしょう? アンバサダーが繰り広げる熱いやりとりは、他のメンバーにも大きな影響を与えます。「いいね」を押すだけだった人がアンケートに答えたり、コメントを残したり…と、少しずつ参加度が上がっていく。第3回のコラム(最上位の顧客「協創アンバサダー」に響く戦略コミュニケーションとは? )でもお話ししましたが、人は能動的に行動することによってアンバサダー度=ロイヤルティが上がっていきます。さらに、サイトの外側には、閲覧しているだけ、という人=見込み顧客もいますが、アンバサダーの口コミにたくさん触れることで、だんだん自分も参加したくなる。購入(新規顧客)への強力な後押しになるんです。
UGC(ユーザーが自発的に作成するコンテンツ=ファンによる自発的な投稿)がどんどん蓄積し、それに触れることで様々な段階の顧客をアンバサダーへと育てていく。ファンコミュニティサイトは、そのための理想的なプラットフォームであることがわかると思います。

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ファンコミュニティサイトは、企業と顧客の価値共創をかなえるプラットフォーム

――ファンコニュニティサイトに集まるファンの声は、企業にとって重要なのですよね。

折橋:もちろん、とても価値あるものです。これまで苦労して(費用もかけて)集めていた顧客の声が、サイトの中にあふれているわけですから。ファンコミュニティサイトは、VOC(顧客の声)の宝庫で、それらが商品開発やサービス展開の大きなヒントになることは間違いありません。また、企業の側からアンケートの形式で意見を集めることも容易です。サイトのメンバーはファンですから、「新製品のキャッチコピーとしてどちらがいいと思いますか」「どちらのデザインが好きですか」といった問いを投げかけると、熱心に回答してくれます。 企業は、顧客と対話しながら顧客とともに価値をつくっていくという、理想的な事業運営につなげていけるし、顧客の側は、企業が自分たちに真摯に向き合ってくれていることで喜びを感じ、それが企業への好感や信頼につながっていく=アンバサダー度が上がり、LTV向上につながる。企業と顧客のいい関係を生み出すことができると思います。

――ほかには、どんなことができるのでしょうか。

折橋:企業情報の発信の場としても、とても有効です。ファンコミュニティサイトでは、SNSなどにくらべて、情報がきちんと伝わり、好意的に受け止めてもらえます。社員が登場して自分の仕事への想いを語ったり、新商品の開発秘話を公開したり、「このサイトでしか見られない」「一般の情報より早い」といった特別感も含めて、ファンの共感を醸成することができるでしょう。
その際、企業側からの発信は、少し「人間くさい」というか、本音が見えるようなものにすると効果的です。他のメディアでの広告的な、もしくはオフィシャルな発信ではなく、ファンとのコミュニケーションならではの、親しみを感じられる距離感を意識するといいと思います。

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――企業が独自にファンサイトを運営する上で重要なポイントは何でしょうか。

折橋:そうですね。人は盛り上がっているものには惹きつけられますが、停滞していると離れていってしまう。常に活発に口コミが行き交っている状況をつくる必要があります。また、運営方針が企業理念やビジョンと合致していること、そういった企業の「想い」と実際との整合性がとれていることなども重要です。そこには一貫した戦略性が必要ですね。

――そのあたりはテクニカルで難しいものでしょうか?

折橋:明確な戦略を立てて運営し、効果を検証し改善しつつ、ファンコミュニティサイトから成果を生み出すためには、専門的な知識と技術が必要です。いろいろな企業でお話を聞きますが、実際の運営担当はおひとりだけという場合もあり、何から始めたらいいのか、とまどっておられることも多いようです。ですから我々が伴走して、運用企画書の策定からサイト構築、コンテンツのデザインや制作、ファンの人たちが楽しんで参加できるような様々なしかけづくり、オン・オフイベントやアンケートの実施などをお手伝いしています。
また、継続的な効果測定によって運用しながら課題を見つけて解決し、戦略を立てるところまで、我々がワンストップでお手伝いしますから、その分、担当者の方には、企業の考え方や姿勢の発信、社員の人となりを伝えるなど、企業の方にしかできない部分にマンパワーを使っていただけると思います。

――そうした運営ノウハウのベースにアンバサダーハリケーンモデルがある、ということですね。

折橋:そうです。顧客の心理や行動の調査・分析をベースに構築した、ファン=アンバサダーを育てるための戦略がアンバサダーハリケーンモデルですから。単なる経験値ではなく、理論的な裏付けのある戦略を立てて運用できるところが、私たちの強みだと思います。ぜひ、ご相談いただきたいですね。

――ファンコミュニティサイトにはまだまだたくさんの可能性がありそうです。

折橋:たとえば、企業内のいろいろなセクションの人にインタビューしてファンコミュニティサイトで公開すると、ファンの人たちからすごくポジティブで熱い反応が集まります。それは企業側の人にとっても嬉しいことだし、やる気につながりますよね。いいファンコミュニティサイトでは、口コミの循環とともに、幸せも循環する。ファンにとっても企業にとってもたくさんのプラスを生み出すファンコミュニティサイトが、どの企業にとってもあたり前のものになっていくと思います。

――今後の展開が楽しみですね。ありがとうございました。

まとめ

■ファンコミュニティサイトの熱い口コミはアンバサダー育成を加速する

■サイト内の口コミは企業にとって貴重な情報源になる

■企業からのさまざまな情報発信にもファンコミュニティサイトが有効

■理論的な裏付けのある戦略で、効果的な運用が可能になる

この記事の著者

COCAMPダイレクトマーケティング部

(株)大広が培ってきたダイレクト・マーケティングの知見やノウハウを発信するチーム。 通販の初期から今に至るまで、変化する時代と顧客を見続けてきた第一線のプロデューサーやスタッフをメンバーに、ダイレクトビジネスの問題や課題を、顧客価値の視点から解いていきます。