前略 企業様、なんとかなんない？＜第8回＞注目不満ワード「扇風機」

今月の注目不満ワードは「扇風機」です。

2025年5月のトレンドワード

2025年5月19日~2025年5月25日週週に投稿が増加したトレンドワードです。

この週は「米の高値での流通が続く中で政治家の発言」や、「ファストフードでのプレゼントグッズ目当ての買い占め」への不満が増加するなど、世の中のニュース・出来事に対する不満が多く寄せられました。 

そのような中、徐々に気温が高くなってきたことで「扇風機」への不満も増加しました。

 そこで、今回は「扇風機」に関わる直近2年間の不満（約13,000件）を対象に、Insight Tech独自の文章解析AI「アイタス」を用いてトピックを抽出した結果から、AIによって特にネガティブな感情の度合いが強いと判断された「扇風機にまつわる不満トピック」をご紹介します。

1.首振りの角度を調整したい

まずネガティブ感情の度合いが強い不満として目立ったのは「首振りの確度」に関する不満です。様々な利用シーンがあるなかで、扇風機の首振り範囲が固定されている機種が大半である事への不満です。幅広く振って欲しいシーンもあれば狭い範囲で使いたいシーンもあったりと、生活者の希望に合わせて調整できる機能が新たな価値をもたらしそうです。

• 首振りの角度を好きな範囲に設定できるようにして欲しい。首振り角度が固定なので使いにくい。

• 扇風機の首振り機能を使う時、首振りの幅が広過ぎて、何もないところに風を送っているのが無駄。首振りの有無だけでなく、角度も調整できるようにしてほしい。

• サーキュレーターや扇風機。二つの部屋の間に置いて使用することがある。首振りの角度は何度と変えられないため片方の部屋に風が多くあたることになってしまう。360℃回転するものがあったらとても便利だと思う。

このように、不満買取センターに寄せられる不満のうち、ネガティブの感情が強いトピックを見ることで、短期的に付加価値をもたらすことができる新たな機能のヒントが得られそうです。

続いて目立ったのは「扇風機を使った結果としての身体的影響」についての不満です。早速見ていきましょう。

2.喉が痛くなる

まずは、「扇風機をつけっぱなしにすると乾燥して喉が痛くなる」との意見です。特に寝ている間、扇風機を付けていると朝になると喉が痛い、との不満が複数寄せられており、ネガティブ度が強いトピックとなっています。

• 扇風機をそのままつけ続けると 何故か喉が痛くなる 痛くならないようにミストとか でたらいいのかな 暑いのに使えない

• 昨日から喉が痛いことが不満です。扇風機を浴びて寝たことが原因だと思いますが、止めると暑くて寝られなかった。

• そこまで暑くないので扇風機を付けて寝ていたら喉が痛くなる。消すと暑い。ちょうど良い空調機器が欲しい

蒸し暑くならない範囲で適切な湿度へのコントロールができる扇風機があればこのような不満は解消できるかもしれません。

3.目が乾燥する

続いても身体への影響を嘆く不満です。「扇風機が当たると目が乾燥してしまう」との意見です。特にドライアイの方にとっては辛い状況のようで涙が止まらなくなる、そのせいで化粧が落ちてしまう、と言う派生的な不満をもたらしてしまっているようです。

• 扇風機に当たってるとコンタクトがかわいて目が辛かった。視力が悪いからコンタクト必須だから困った。ドライアイ何回も頻繁にまばたきして辛いので治って欲しいです。

• 扇風機とかサーキュレーターって涼しくてよいけど顔が当たると目が乾く 目に優しいように水分とか少しでてくる？ 目に優しいものにしてほしい

• 暑いからエアコンやサーキュレーターやハンディーファンや色んな物を使うが、ドライアイなので風により涙が止まらない。 目が痛くなるし化粧も取れる。 目薬しても改善されない。

このような不満が感情として強いトピックであることを踏まると、目に潤いを提供できる扇風機があれば、むしろ扇風機が新たなプラスの価値を提供できるかもしれません。

4.ライトがまぶしくて眠れない

続いては「光」にまつわる不満トピックです。「扇風機本体にあるLEDライトがまぶしくて眠れない」といった「ライトのまぶしさ」に関わる不満です。
LEDが普及したことで、小さくて明るいライトが普及したことは大変便利ではありますが、夜のシーンにおいては「まぶしくて眠れない」との不満につながるようです。

• 扇風機 動かしてる間 ライトがつく 消す機能がないので 目をつぶっていてもほのかに明るく眠りにくい

• サーキュレーター、ライトが明るいので寝るときに消灯した部屋で使用すると非常に気になる。こんな煌々と光らなくてもいいのに。

• 扇風機の風量やタイマーの表示するLEDライトが多くてしかも消せないのが不満。寝る時は真っ暗にしたいのに、ピカピカ光って眠れないほど。ライトを消せるモードを備え付けてほしい

「より良い睡眠」への関心が高まるなかで、スマホのブルーライトなど寝る前の光への触れ方が話題になっています。その流れで「寝るときは極力余計なライトの光を感じたくない」という欲求が高まっているのかもしれません。

5.匂いが運ばれてしまう

続いては「匂い」に関する不満です。扇風機で風が送られることで、気になる匂いも広がってしまうことに伴う不満です。特に、近年は携帯用扇風機が普及したことで、電車内など人が多く集まる場で扇風機が使われることが多くなり、人が密になっていること自体の不快感に加え、周囲の方の様々な匂いが強く感じられてしまうことに敏感になっているようです。

• 扇風機の風に体臭がのってくること。体臭を運ばないでほしい。

• 電車内で携帯扇風機や扇子で風を送る人。風下にいる人へのマナーや配慮を。体臭や化粧品のにおいが気になってしまう。

• ポータブルのミニ扇風機を使ってる人の風下にいると、その人の体臭と化粧品の匂いが混じったものをずっと嗅がされることが気持ち悪くて不満。特に電車やバスや、何かに並んでる時。風下の人のこと、考えてほしい。商品のパッケージの注意事項に、風下の人にご配慮くださいって書いて欲しいくらいです。

匂いといっても体臭だけでなく、化粧品や香水の匂いが運ばれてくることへの不満も寄せられています。周りの方への影響を気遣うマナーはもちろん必要ではありますが、扇風機の匂い対策が新たな価値をもたらす可能性があるかもしれません。

不満の声のまとめ

2025年5月の注目不満である「扇風機」について生活者の不満の声を見てみました。今月は直近2年分の「扇風機」不満に注目し、AIによって特にネガティブな感情の度合いが強いと判断された「強風にまつわる不満トピック」をご紹介しました。

その結果、扇風機を利用する事での「身体への影響（喉が痛くなる、目が乾燥する）」に加え、「シーンならではの影響（首振りの角度、ライトがまぶしい、匂いが運ばれる）」が存在することが分かりました。

＜身体への影響＞
喉が痛くなる
目が乾燥する

＜シーンならではの影響＞
首振りの角度を調整したい
ライトがまぶしくて眠れない
匂いが運ばれてしまう

身体への影響に関しては、「乾燥対応」という共通点があることから、「蒸し暑くならない程度の適切な潤い」を提供することができれば、不満とマイナスをプラスの価値に転換できるかもしれません。

またシーンならではの影響として挙げられている首振りの角度調整についてはちょっとした改善が大きな価値を生み出す「小さなイノベーション」につながる可能性があり、各メーカーの皆様には是非検討頂きたいですね。

“扇風機”への不満を解消したい！　なんとかなんない？

不満買取センタ―に寄せられた「扇風機」に関する不満。そこにはいろいろな「なんとかなんない？」が隠れているようです。今月も「ふーまんの提案コーナー」でご紹介！