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2023.09.15

テレビCMでビジネスの限界を突破する!ダイレクト×ブランディング

「ダイレクトマーケティングとTVCMなどマスメディアによるブランディングは相反するもの」という定説があります。

曰く、TVCMなどのマスメディアによるブランドづくりでは商品は売れない。
曰く、商品、サービスへの興味関心が高い人がターゲットだから無駄が多い。
この説が唱えられる理由はたくさんあります。これらは、決して間違いとは言い切れないのですが、視点がやや一面的で、古いマーケティングの考え方ともいえます。

現代は、ビジネスの拡大成長のために、より多くのさまざまな顧客に合わせたコミュニケーションが必要な時代。従来通りの方法では、顧客を獲得しきれなくなってきました。

そこで、“相反する”といわれるダイレクトマーケティングとTVCMなどマスメディアによるブランディングを互いに関連付けながら実行し、売上げアップをめざす。そんな新しい手法が注目されるように。

今回のコラムでは、ブランディングをどのようにダイレクトマーケティングの成果につなげていくのか?について解説していきます。

そもそもダイレクトマーケティングとブランディングは何が違う?

最初に、ダイレクトマーケティングとブランディングの違いについてみていきましょう。

ダイレクトマーケティングとは、企業が直接顧客に働きかけて行動を促すコミュニケーション。顧客に直接アプローチすることで商品に対する理解を深め、「購入する」「契約する」といった具体的な行動を起こさせるのが目的です。

<ダイレクトマーケティングの特徴>

  • ターゲットとなる顧客に直接かつ個別にアプローチし、商品やサービスを販売する
  • セグメントしたターゲット設計を行う
  • 個人情報や購買履歴などを分析しカスタマイズを行う
  • 代表的な手法は「WEB運用広告・新聞・折込チラシ・DM・テレマーケティング・メルマガ・SNS広告」等

ダイレクトマーケティングのターゲットは、下記の図で言うと、商品やサービスへの興味・関心が高い顧客が該当します。

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一方、ブランディングは、顧客の頭の中にブランド(商品・企業)の印象を作ることがゴール。顧客に「共感できる」「かっこいい」「安心できる」などと感じさせるためのコミュニケーションです。

  • 企業や製品、サービスなどのブランドイメージを構築・維持する
  • 「広告・販促物・PR・イベント」等で、企業や製品、サービスの魅力や特徴を伝え、消費者に印象づける
  • ブランド価値の向上や顧客ロイヤリティの向上を目指す
  • ブランドイメージは統一されている方が望ましいため、TVCMや新聞などリーチ効率のよいメディアを使って多くの人に同時にアプローチするのが主流

ブランディングのターゲットは、下記の図で言うと、商品やサービスをまだ知らない大勢の顧客が該当します。

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マーケティングにおけるコミュニケーション手法

顧客に向けてのコミュニケーションは、下図のような流れで顧客の態度変容を促すことを目的としています。

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ブランディングコミュニケーションの主な目的は、「顧客に興味をいだかせ理解を促す(①〜③)」こと。そのブランディング施策が成功したかどうかは消費者調査などで確認するのが一般的です。

だからこそ、ブランディングは、リーチ効率が良いTVCMや新聞広告などのマスメディアを使って、統一されたメッセージをより多くの人に向けて発信する必要があります。

少数のコアなファンにアプローチするのではなく、全ての人の認知度・理解度を高める必要があるということですね。

 

それに対して、ダイレクトコミュニケーションは、商品を購入するなど「具体的な行動を起こさせる(⑤)」ことを目的として計画されます。

b05このダイレクトコミュニケーションの成果は、どれくらいの人数の顧客が商品購入や申込みに至ったかを表す「CV数」で評価します。つまり、その商品を買ってくれそうなコアな顧客をあぶり出し、それぞれに効率的な個別メッセージを出してアプローチするということです。

まとめると、

ブランディングコミュニケーション…多くの人に好かれるメッセージ

ダイレクトコミュニケーション…コアな1人に突発的な衝動買いを促すメッセージ

以上のことから、従来のマーケティングにおいて、ブランディングとダイレクトは相反するものだと言われてきたのです。

ダイレクトだけでは、ビジネスの成長に限界が。では、どうする?

ビジネスとは、右肩上がりの成長を目指すもの。しかし近年は、ダイレクトマーケティングだけでは物が売れにくくなり、ビジネスを拡大成長させるのが難しくなってきています。

その理由は、コラム記事「さらなる拡大をめざす!ダイレクトビジネスのメディアプラン3選」で触れた通り、魚(ターゲット)がたくさんいる漁場には限りがあるからです。

同時に、競合商品が増え、選択肢が増え、ターゲット層の人口が減ってきているのも要因の1つ。また、SNSなどターゲットにアプローチする手法も多種多様になっていますよね。つまり、時代の変化とともに、「顧客が離れてしまっても、また新しい顧客がきて買ってくれるから大丈夫!」というビジネス構造ではなくなってきたということです。

ダイレクトマーケティングだけでは顧客が増えない、商品が売れ続けない…。では何が必要か?

限界を突破するために活用すべきなのが、TVCMなどマスメディアによるブランディングです。

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従来のようにブランディングとダイレクトマーケティングのゴールを別々にするのではなく、この2つを使って「商品を購入させる」という同じゴールを目指すようにすればいいのです。

「米メジャーリーグのチームの帽子を、日本で売る場合」を例に挙げて考えてみましょう

ダイレクトマーケティングであれば、そのチームのコアなファンをターゲットに展開するのがセオリーですね。

しかし、そんなコアなファンにアプローチするだけでは、売り上げに限界がある。

そこで、コアなファンより共感性の低い顧客、つまり、メジャーリーグへの関心は低いけど「日本のプロ野球が好き」「高校野球は毎年見る」という層を狙うのです。あるいは、さらにその下にいるサッカーやバスケ、駅伝など「その他のスポーツが好き」な層を狙うというのもありますね。

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コアなファンではない層に、メジャーリーグのチームの帽子を買ってもらうためにどうするか?

たとえば、「世界に挑戦する日本人」というテーマでコミュニケーションを展開するのはどうでしょう。TVCMなどマスメディアで、人口が減少しつつある閉塞的な日本に希望をもたらしてくれる、みんなが待望していたヒーローとして日本人選手を描き、共感・認知・理解を深めていくのです。ただ理解させるだけでなく、その選手への興味を高め、ファンにさせ、ファン離れさせないようにし、帽子はもちろんそれ以外のグッズ購入にまで引き上げていく。

このようなストーリーで、ブランディングからダイレクトマーケティングにつなげることで、売り上げがアップし、ビジネスの成長が見込めるようになります。

つまり、コアな層をターゲットにするダイレクトマーケティングだけでは限界があったところに、TVCMなどマスメディアによるブランディングを重ねると、興味関心を持つ人を増やすことができ、限界を突破できる道筋が見えてくるというわけです。
逆に言うと、高いブランドイメージを構築している企業や商品にダイレクトマーケティングを重ねても、より効果的な販売促進ができますよ。

一般的なブランディングは、TVCM等のマスメディアを使いますが、拡張配信でも十分な成果を目指せるでしょう。

まとめ

ダイレクトマーケティングとTVCMなどマスメディアによるブランディングは、それぞれ異なる目的を持っていますが、相反するものではなく、お互いに補完し合うことができる関係にあります。

 これからの時代、ダイレクトマーケティングの成果をさらに高めていくためには、企業や商品・サービスのブランドイメージをきちんと確立することが欠かせません。

 ダイレクトマーケティングとTVCMなどマスメディアによるブランディングの2つをうまく展開することで、収益基盤を作っていきましょう。

この記事の著者

COCAMPダイレクトマーケティング部

(株)大広が培ってきたダイレクト・マーケティングの知見やノウハウを発信するチーム。 通販の初期から今に至るまで、変化する時代と顧客を見続けてきた第一線のプロデューサーやスタッフをメンバーに、ダイレクトビジネスの問題や課題を、顧客価値の視点から解いていきます。