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2024.02.05

フェムテック、LGBTQ…さまざまな角度から見る「ジェンダード・イノベーション」ウェビナー&Meet Up開催レポート

昨年は、DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)、ESG(環境:Environment、社会:Social、企業統治:Governance)という言葉を、メディアでも多く目にしましたね。2024年も続くだろうこの流れをテーマにお話します。

本来、DE&I=女性活躍推進ではなく、ESG=慈善事業ではありません。けれども、「さまざまな数値目標が迫る領域」かつ「短期利益を追いにくい領域」であるゆえ、取組の優先順位付けに悩む企業担当者の方もたくさんいらっしゃいます。私たちも、試行錯誤しながら取り組んでいます。

企業向けのサポートを行う「LGBT総合研究所」「大広フェムテック・フェムケアラボ」では、それぞれ「企業の未来につながる事業活動として、取り組みたい」というご相談を”別々に”受けることがあります。

「LGBTかフェムテック」と言われがちな両チームが、カテゴリーや優先順位付けで分断せず、角度は違えども共に見据える未来として「ジェンダード・イノベーション(性差分析に基づくイノベーション)」視点で語ったウェビナー実施後、それぞれに取り組む企業同士が話せる機会を作りたい!と思い実施したMeet Upのレポートをサマリーでお届けします。

ウェビナーは、こちらからアーカイブ視聴が可能です
https://cocamp.daiko.co.jp/webinar/20230914-genderedinnovations

ジェンダード・イノベーションとは何か?

ウェビナーでもMeet Upでも、まず、昨今のDE&I領域で使われるキーワードについて、簡単におさらいをしました。

図1)DE&Iを語る上で押さえておきたいキーワード

図1)DE&Iを語る上で押さえておきたいキーワード

これまで使われていた言葉から、より価値観や対象が広がり変わった部分を確かめ、参考にしていただければ幸いです。

共通点は「多様性を生かす」ということ。ただし、言葉の意味の進化として「多様性」だけでひとまとめ処理をせず、それぞれの特徴・個性や違いを最大限活用し、生きやすさや価値に繋げて行こうとする変化が伴っていると言えます。

「ジェンダード・イノベーション」は「性差を考慮した分析」に基づくイノベーションのことを指します。

図2)ジェンダード・イノベーションとは何か

図2)ジェンダード・イノベーションとは何か

2005年にスタンフォード大学のロンダ・シービンガー教授が提唱した、生物学的性別、社会学的性別、それらと他の要因(年齢や宗教等)の交差分析を行うことで、イノベーションを創出する概念です。性差に着目したデータの取得・分析によるファクトは、顧客とその先の社会へ価値還元する事業とコミュニケーション設計にも活きる考え方でもあります。

今、大広フェムテック・フェムケアラボで取り組んでいることも、LGBT総合研究所で取り組んでいることも、角度は違えども見据える未来の中に、この「ジェンダード・イノベーション」があると考えています。

医学もビジネスも、”黎明期”は「共通項目集め」「カテゴリー分類」「属性の偏った多数決」が功を奏していたことも事実です。市場経済自体が”成熟期”を迎えた今、コモディティ化したものに「違いへの着目」「カテゴリー漏れは新カテゴリーの可能性」「多様な属性による優先順位付け」を視野に入れ、チューニングすると“付加価値”を取り戻せると私たちは考え、取り組んでいます。

日本の市場環境と企業の打ち手を知る

日本でもこの波は徐々に当たり前になっています。特に、DE&Iに関する法律の整備が進み、企業にとっても数値目標が伴ってきています。

図3)日本でなぜDE&Iが必要なのか

図3)日本でなぜDE&Iが必要なのか

その背景として、2016年頃から経済産業省を中心に国を挙げて「持続可能な成長に不可欠なもの」という認識が広がったことがあげられます。

そのような背景の中、注目されているのが「ESG経営」です。環境:Environment、社会:Social、企業統治:Governanceの3つの頭文字を指しますが、環境負荷が上がり、画一的なアプローチだけでは難しい昨今、「目先の利益だけではなく、環境や社会への配慮、健全な企業統治体制を組んで持続可能な発展を目指す経営」として、日本でも徐々に取り組みが進みつつあります。

しかしながら、すべてが「正しさ」に包まれているゆえに、「自社はどこに軸を置けばいいのか?」と悩んでしまう考え方でもあります。

ウェビナーでは、そのヒントとして「それぞれリンクさせられる”社内のストーリー”を掘り起こすこと」を鍵としてお話をしていました。

図4)DE&I課題を「dESGの3つの顔」向き合う

図4)DE&I課題を「dESGの3つの顔」向き合う

数値目標は今後も増えますし、市場環境やお客様の多様性はよりいっそう上がっていく状況に合わせて企業が変わっていくには、「自分達だからできている兆しや背景」など”変わらない根っこ”を見つめ直し、”変えた方がいいこと”を特定するノウハウをご紹介しました。

同じ立場の人同士で深く話したいから、Meet Up

ウェビナーでは、考え方や一般的な事例を交えた内容にしましたが、いざ「ジェンダード・イノベーション」の領域に取り組む立場になった人の本音は日々「これでいいのか?」です。
それは、既存の勝ちパターンではない試行錯誤であり、隣にいる人も少ないから。

ウェビナーをやるならば、自分たちのやっていることを安心して話せて、同じ目線で課題を捉えている仲間を見つけ、お互いの打ち手が増えていく機会が必要だと考え、今回初めてオフラインの「Meet Up」の機会を作ってみました。(弊社の近所には素敵なコーヒースタンドがあり、お越しくださる方に向けてささやかで美味しい軽食もお願いしました)

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写真)Meet Up会場には軽食も用意

私たちが「ジェンダード・イノベーション」を捉えるとき、先には必ず”対象となる方や当事者として向き合う方がいます。

ただ単に、バズワードや市場規模で見るのではなく、「その対象になる方にとって何が必要?どこで私たちは応えていける?」という目線を持つには、①生身で実感を理解する「翻訳機」になる②対象となる方に傾聴する「集音機」になる両方のアクションが大切になります。

実際にアクションされており、日頃から様々なプロジェクトやお取り組みでご一緒したり、同じ目線を持って取り組んでいたりする企業の方にライトニングトークとディスカッションをいただきました。

ご協力いただいた皆さまへの感謝も込めて、それぞれご紹介いたします。

■fermata株式会社(村上 茉莉 様、本山 未奈海 様)
https://hellofermata.com/
日本のフェムテック市場の拡大や牽引を続けてきたfermata様。毎年開催のFemtech Fes!では、生物学的女性の健康課題を解決するプロダクトやサービスの紹介はもちろん、ジェンダーや社会システムなど、これまでの「あたりまえ」を見つめ直すワークショップセッションなども開催。市場を拡張する中の気づきや今後必要とされることなどのお話を伺いました。

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写真左)fermata株式会社 村上様と本山様  写真右)fermata株式会社 村上様

 

■大和シルフィード株式会社(大多和 亮介 様)
https://www.yamato-sylphid.com/
大和シルフィード様は神奈川県大和市が本拠地のなでしこリーグの女子サッカーチームです。競技スポーツの世界でLGBTQ当事者の発信や理解促進を進めており、ジェンダー多様性への共感が応援につながる取組についてなどお話を伺いました。

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写真)大和シルフィード株式会社 大多和様

 

■株式会社TRULY(二宮 未摩子様、中村 美沙様)
https://www.truly-japan.co.jp/
更年期を「不安のまま」にしないための情報にアクセスし、相談ができるサービスを運営しています。男女共通の課題と捉えた傾聴や専門家との連携を通じ、サービスを磨き続けています。将来の選択肢を見据える視点、現在の当事者への傾聴の視点などお話を伺いました。

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写真左)株式会社TRULY 二宮様と中村様  写真右)株式会社TRULY 二宮様

 

■株式会社ポーラ(馬場 喜美子様)
https://mamaniere.pola.co.jp/
産後ママ向けアプリ「mamaniere」ご担当者様にお話いただきました。
2023年経済産業省の「フェムテック等サポートサービス実証事業費補助金」にも採択された事業です。産後ママの心とからだの状態を顔写真から分析する「独自の分析技術」を搭載し、ケアとサポートをするアプリです。当事者の目線と自社アセットの捉えなおしの目線の両方でお話を伺いました。

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写真)株式会社ポーラ 馬場様

 

私たち広告会社のメンバーも、オフラインの場でしか話せないことがいくつかあります。

今回のMeet Upではジェンダーに関わる2チームとして「【完全社外秘】発信で気を付けるポイント」をお話しました。

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写真)LGBT総合研究所:森永と大広フェムテック・フェムケアラボ:平野

 

企業活動で意図せず起きる「炎上」に対し、事前に気を付けること、起きてしまったら腹を括ってすぐやることについて、ドキドキしながらご紹介しました。

ベストプラクティスがないものや、当事者の意見が大きく分かれるものは、発信への受け止め方が読めないこともあります。私たちも「実際に取り組んでいる方々のお力になれれば」という想いで、本音でお話しました。

お互いに顔が見えて対話ができる人数で集まり、本音で話せる機会を設けてみると、意外な繋がりや親和性が可視化される部分もあります。

多くの方々が今の取組に向き合う前に、興味の芽を持ち育んできた様子がわかることも、それまでの経験が意外な形で生かされることも、お話を聞くたびに新鮮な発見でした。

今回、Meet Upを初開催してみて「ウェビナーだけで終わらせず、対話を通じてお互いを発見し力になれる機会」を、もっとご提供できたらと感じています。

定期的に開催できるよう計画しますので、ぜひ今後ともよろしくお願いいたします!

この記事の著者

平野 陽子

「大広フェムテック・フェムケアラボ」チーフプロジェクトマネージャー。 PMI「Project Management Professional」保有。 IT企業、事業会社でのWebマスター、商品企画開発、新規事業開発やプロジェクトマネジメント等を経て2019年より大広所属。「大広フェムテック・フェムケアラボ」では、女性のウェルネスやヘルスケアに取り組む企業の事業開発・コミュニケーション支援、ワークショップでの社内浸透支援、リサーチ等に携わっている。
※所属等は2023年1月現在

このコラムで出たキーワード

  • フェムテック
  • ジェンダー
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