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2023.01.18

バックキャスティングによる顧客価値の先取り。 未来情報を活用した事業創造ソリューション「ミラスト」

外部環境の変化により、多くの企業が従来型のビジネスに留まらない新しい事業展開を求められています。私たち大広も「顧客価値」を基軸にしたビジネスサポートを展開。D2Cビジネスコンサルティング事業という新たなビジョンを見出し、得意先と顧客との間に新たな関係性を構築する企業を目指しています。

その顧客価値をもう一歩深める手立てとして、2017年より事業創造を支援するサービス「ミラスト」をスタート。ミラストとは未来×ストーリーの造語で、未来からの逆算したストーリーを事業会社様と共に描いていくという取り組みです。未来情報から可能性のある事業領域を見出し、その領域における顧客価値を見極めることで、企業の強みと掛け合わせたプロトタイピングを行なっていきます。

第1回目の今回は、プロジェクトマネージャーである増田浩一がミラストの概要としくみを説明いたします。

ミラストは未来へのビジョンから逆算して、事業創造を支援していくという手法。その発想に至った背景とは?

増田:マーケティング局に勤めて10年目ぐらいの頃、ある得意先から広告だけに限らずいろんなご相 談を受けて、商品開発や今後の商機などについてご提案する機会があったんです。そこで今どんな情報 が有効かを考えてみました。得意先が興味はあるけれど、リソースの関係上自分たちだけでは集めきれ ていない情報ってなんだろうと考えた時、“未来の顧客価値情報”ではないかと思い至ったんですね。

これからどんな時代になるか、データを駆使して未来を見通すことができれば、そこから逆算発想して企業と未来のストーリーを描いていけるのではないか。つまりバックキャスティングによる顧客価値の先取りですね。

今現在見えている社会問題や顧客の不(ペインポイント)のようなものも見過ごせません が、これからの未来を見据えた時にどんなニーズや背景が考えられるのかという未来視点を持っていれ ば、今からさまざまな準備が可能になります。

もともと東京の営業局には常に先の時代を見通して提案 していくタイプの人たちがいて、いつもその姿を目の当たりにしていました。つまり、彼らの知恵を若 手みんなで体系化していったのが、このミラストとも言えますね。

バックキャスティングは、目標とする未来を描き、実現する道筋を未来から辿る考え方。

増田:フォアキャスティングとバックキャスティングの考え方の違いを例に上げてみましょう。例えば来年年収を5%上げるにはどうしたらいいか?というのがフォアキャスティングの問いです。達成するためには現在の仕事をどう効率化を図るかなど、今の延長線上で考えることになります。

ところがバックキャスティングの場合、10年後に年収を10倍にするにはどうすればいいか?という問いになります。10年後に10倍ですから、新しい事業を立ち上げるとか移住するとかポジティブな意味で現状を破壊していかなければならない。その中で新しいヒントを得て、既存の枠組みでは考えられないアイデア発想に辿り着きます。

このように両者では思考方法が全く異なります。現業が続いていく状況ではフォアキャスティングでもいいんですが、変わり続ける社会と産業の中で、市場はもはや過去の延長線上にありません。先行きが不透明な現代のような時代においては、少し立ち止まって未来から眺めるバックキャスティングの考え方が有効になります。

新たな事業を創造していくためには、既存の枠組みを超えて新たな勝機を見出すことが大切になってくると思うんです。

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ミラストではどのように事業創造支援を行っていくのか。

増田:ミラストの主なフレームワークは、ミライカードを活用して未来市場を見極める「VISION-思考」 と、自社の強みやニーズをふまえて事業構想を共創する「DESIGN思考」から構成されています。

まずチームビルディングをやって事業創造の目的を強固に共有し、どんなゴールを目指すのかを確認し ます。そしてチームみんなで、市場がどうなっていくか、さまざまな着眼点を見出していくんです。

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未来ビジョンのガイドラインとなるのがミライカードで、近い将来注目される250以上の市場データが 集められています。これらは総務省や経産省といった国が発表しているデータをはじめ、民間のシンクタ ンクなどが発表している未来の予兆、各業界のレポートなどから作成。また着想のヒントとなるような内 外の先進事例も積極的に取り入れており、精度の高い未来予測データを独自に収集したものです。

実用性のある未来情報を活用して、新しい事業ビジョンをデザインしていく。

増田:事業者様にとって最も重要なフェーズが事業構想マトリックス「CORE ENGINE MIRAI MATRIX」になります。

縦軸は可能性のある市場と、未来市場を見通すからこそ今から気づくこ とのできる顧客の不、たとえば不満点など。横軸は当該企業の強みやノウハウを棚卸したリストになりま す。これらの交点が新しい角度から見通す当該企業の可能性となるわけです。

このワークショップを丁寧 にやって、注目すべきミライカードを掛け合わせると、さまざまな事業構想アイデアが生まれていきます。少し先の未来への見通しが得られるからこそ将来性のある市場の事業開発が可能になるんですね。

そこからプロトタイピングを行い、市場投入の可能性を共に探っていくというのが一連の流れです。マトリ ックスを共有しながら可能性のある事業をチームワークの中で見出していき、みんなで未来の青写真を 描いていくという過程が大切なんです。

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ワークショップでの対話やチームワークを通して、一緒に答えを見つけていける。

増田:私は中小企業診断士としてもいろんな経営者様や事業担当社様とお会いしてきましたが、「既存事業の進化や新規事業の開拓を考えているけれど、社内の人間だけではなかなか立ちいかない。そもそも日常業務以外の実務をこなす余裕がない」といったお悩みをよく耳にします。経営や新規事業を担う方々が、社内の人たちだけでプロジェクト開発をチームや組織に内発的に仕込んでいくのはすごく難しいと思います。

ミラストは事業のビジョンを一緒に描いてプロジェクトを設計していきますが、その中で組織運営のノウハウとチームワークを提供することができます。ですからいろんなアングルから未来市場を導き出し、チームで対話していくことでさまざまな気づきが生まれていくんです。こういう見立てがあるとこんなチャンスやヒントもあるね、というように発想が広がっていく。未来のゴールを起点に話ができるので、異なる部署同士でもいろんなアイデアが生まれ、対話が成立するというのもこのワークショップの良いところです。

構想だけに留まらず、テストマーケティングなどの運用支援まで。

増田:テストマーケティングにおいても大広は強みを発揮します。例えばテレビ通販枠を通じたメディアテストや、ローカルマーケティングを絡めた売場獲得テストマーケティングなどが可能です。

またユーザーボイスを活用した独自のEC運営ノウハウも持ち合わせています。こうして構想から実装まで一気通貫でトータルプロデュースできるという点も大きな特徴です。

ミラストの実績。幅広い業態でさまざまなケーススタディ。

増田:ミラストはあらゆる業界・業態に対応しているので、テーマに沿って情報を集めてカスタマイズしていけます。例えば事業開発やプロジェクト設計のほか、中期経営計画からどんな未来を見通せるかを考える会などもやっています。

また事業会社様が気になっている特定のテーマについて情報を集めることも可能です。さまざまな領域や業態に対し、未来という共通言語をもって自社の新しい魅力や問題点を発掘し、企業のアセットを捉え直していける点がミラストの魅力だと思います。

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小売A社 プロジェクトマネージャー
企業のビジョンの立案

周年に向けてCI(コーポレート・アイデンティティ)を再規定:行き詰まっていた商品開発のアイデア をいろいろな方向で作れました。なにより、未来情報があったから、部門を横断して前向きな会話をする ことができました。

Case 2

食品製造業B社 事業開発部部長
中期経営計画の実行プラン(商品計画)立案

部署横断で中経目標を達成する具体案を作成:行き詰まっていた商品開発のアイデアをいろいろな方向で作れました。なにより、未来情報があったから、部門を横断して前向きな会話をすることができました。

Case 3

教育機関C法人 職員
教育機関の広報戦略立案

少子高齢化問題を打破する切り口発見活動:今ある課題への対応だけではなく、未来視点で自分たちの仕事を俯瞰して、ワクワクしました。大げさですが働く意味のようなものを見つけられた気がします。

Case 4

人材系コンサルティング会社D社 社長
ベンチャー企業のチームづくりを支援

社長のビジョンと従業員の目線合わせに活用:今行き詰まっていた商品開発のアイデアをいろいろな方向で作れました。なにより、未来情報があったから、部門を横断して前向きな会話をすることができました。

一般の方が参加できるようなセミナーも実施しています。

増田:今は年に3〜4回社内外でセミナーを実施していて、バックキャスティングから読み解くさまざまなテーマを取り上げ、未来情報もテーマ別にアップデートしています。未来の戦略的情報収集を専門とされている日本能率協会総合研究所の菊池健司さん(フューチャリスト)にもサポーターとして入っていただいています。

これまで取り上げたトピックには食の未来、住環境の未来、お金の未来、ハッピーテックの未来などがあり、次回はメタバースを予定しています。メタバースやNFTなどがビジネストレンドワードになっていますが、その市場が将来盛り上がるかどうかだけではなく、顧客価値がどう変わっていくかをミラスト視点で分析。新たな市場や商機が生まれた時に顧客価値がどう変わり、どんなニーズを発掘していけるのかを解説していきます。

セミナー参加で、未来の読み解き方のヒントが得られる!

増田:ご興味がおありであれば、ぜひ一度、ミライカードを見ていただきたいと思います。未来情報をどのように集め、どのように読み解いていくのか。具体的な考え方や手法に触れていただき、何か感触を得られたら、課題を聞かせていただいてプロジェクトをご提案させていただきます。

私たちミラストが将来性のある未来市場を見極め、ミライへのストーリーづくりをサポートいたします。今後もさまざまなテーマで事業創造支援に取り組んでまいりますので、お気軽にご相談ください。

この記事の著者

増田 浩一

大広 東京第1ブランドアクティベーションプロデュース本部
D2Cビジネス推進局コンサルティングチーム2

株式会社大広入社後、一貫して、ストラテジックプランナーとして事業会社の広告戦略、商品戦略立案を支援。2020年からは、経済産業大臣登録中小企業診断士として中小企業の経営戦略を中心としたコンサルティング活動を継続。 主な顧客は、食品製造業、機械製造業、飲料メーカー、学校法人ほか、ゴーストレストランといった次代のユニコーン企業までと、幅広い。 東京商工会議所派遣専門家。 直近執筆の論文「小規模事業者の情報発信を効率化するコンテンツ制作ツール~ 12の「呼び水」を使ってサクサク創る制作メソッド ~」にて、東京都中小企業診断士協会会長賞を受賞。ほか表彰歴・セミナー等対外活動実績多数。
※所属等は2023年1月現在