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2024.12.02

前略 企業様、なんとかなんない?<第2回>注目不満ワード「こたつ」

株式会社Insight Techが運営する「不満買取センター」には日々、世の中のトレンドや社会情勢を反映した不満の声が寄せられています。
Insight Tech代表伊藤友博氏とCOCAMPとのコラボレーション企画「前略 企業様、なんとかなんない?」では、そんな「旬な不満」を皆さんにお届けしています。生活者の日常生活で生まれる「ちょっとした不満」に注目し、そこから「生活を素敵にするヒント」を見つけ、解決できる企業に届けようという連載です。
不満買取センターの広報部長「ふーまん」がナビゲーターとなり、その月の注目不満から「こんなのあったらいいのに!」「どうにかなんない?」を紐解いていきます。

今月の注目不満ワードは「こたつ」です。

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2024年11月のトレンドワード

2024年11月18日~11月24日週に投稿が増加したトレンドワードです。

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「今年の夏も長い」「酷暑できつい」などの不満がつい最近まで寄せられていたと思ったら、11月後半になって急に気温は下がり、一気に冬の訪れを感じさせる日々です。これに伴い、11月は「こたつ」に言及された不満が増加しました。

冬の快適ライフの必需品ともいえる「こたつ」にどんな不満が寄せられているのでしょうか。早速、生活者の「こたつ不満」を紐解きながらアイデアの種を見つけていきましょう。

 

こたつ布団がずれてしまう

まず目立ったのが、「こたつの布団がずれてしまう」という声です。「反対側にいる家族が引っ張ると寒い」「滑って位置がずれてしまう」という切実な声が多く寄せられました。

こたつのコアバリュー(中心的な価値)が「寒さをしのぐ」ことであるにもかかわらず、「布団がずれてしまうと、外気が入ってしまい寒く」なってしまいその価値が発揮されなくなってしまうという点において強い不満と言えそうです。

  • こたつ布団。反対側に入る家族が引っ張るので、私のほうは全然足りない。そもそもテーブルの長方形とこたつ布団の長方形が微妙に違うのでバランスが悪い。直すのもストレス。(30代・愛媛県)
  • こたつ本体や床材によっては、布団が滑って位置がズレやすい場合がある。これが原因で、布団が定位置に収まらず、使いにくいと感じることがある。(40代・岡山県)
  • こたつの布団を机にかける時に真ん中がどこか?と毎年迷うので、中心だけ色の違う模様とか、こたつ布団の中心にわかりやすい目印をつけてほしい。上に机を乗せてしまえばその印は見えなくなるので便利になると思う(40代・岩手県)

実はこの不満、「不満買取センター」を運営するInsight Techのサポートで解決されているんです。

()イケヒコ・コーポレーションからご相談いただき、こたつへの不満を分析した結果、「ずれること」が上位にあったことを踏まえ、「ズレない紐付きこたつ布団」を開発頂きました。生活者の不満から生まれた「ズレない紐付きこたつ布団」は、初年度から6万枚を超す大ヒット商品になったそうです。
不満がイノベーションの種であることが実証された事例と言えます。

こたつの困り事解決!“ズレない紐付きこたつ布団”シリーズ - イケヒコのインテリアブログ
https://www.ikehikoshop.jp/blog/kotatu/11341/

 

きれいに、安心して寛ぎたい

次に目立ったのが「きれいに、安心して寛ぎたい」という意見です。「こたつカバーを洗濯するのが大変そう」「洗濯不可・クリーニング不可の敷物、どうすればいいの?」というこたつ布団や敷物を清潔に使いたいという声だけでなく、「ヒーター部分のホコリが気になるが掃除できない」「ヒーターのホコリが火災に繋がらないか不安」とヒーター部分に溜まるホコリを取りたいという声も聞かれました。

 コロナ禍を契機に生活者の衛生意識は高まり、生活のあらゆる場面で「清潔」であることが求められていますが、その波がこたつにも及んでいるようです。また、寛ぐためのこたつだからこそ「安心」して使いたいとの意識も背景にありそうで、「掃除がしやすく」なる対応がビジネスチャンスになる可能性があります。

  • こたつが欲しいけど、カバーとかの洗濯をするのも大変そう(40代・山形県)

  • こたつの敷物って、「洗濯不可」「クリーニング不可」という表示の物が多いけど、どうやって衛生的に保つの?!天日に干すくらいではダニも菌も匂いも取れないと思う。(50代・広島県)

  • こたつを出してみたら、ヒーター部が埃だらけで不安に。掃除機で吸い込めるホコリはわずかで、奥のびっしり溜まっている灰のようなものには届かない。掃除しやすい形状にしてほしい。(50代・東京都)

  • こたつのヒーターの中にホコリが溜まり、それを綺麗にするのに掃除機でも届かず手間がかかるのが不満。火災にも繋がると思うので中の掃除をしやすいように開けると良いのに。(50代・愛知県)

  • こたつのヒーターの周辺が埃まみれになるのに、掃除しづらかったり、そもそも分解できなくてちゃんと掃除できないこたつが多い。最初から掃除しやすさを考えたこたつを作って欲しい。(30代・宮城県)

 

こたつに入ると乾燥しちゃう

続いてこんな声も。「こたつに入ると色々なところが乾燥してしまう」という不満です。「喉の調子が悪くなる」「肌が乾燥してしまう」「かかとがガビガビ、喉はイガイガ」と言った声です。寛ぎたいのに油断できない、というジレンマが不満につながっていることが分かります。

“肌の乾燥対策”や“喉の潤い対策”などは既に様々な商品が発売されていますが、それらを「こたつ」と組み合わせ付加価値とすることで新たなビジネスチャンスが生まれるかもしれません。

  • 毎年、こたつで寝て喉の調子が悪くなるのを繰り返してるりコタツで寝ても喉が渇かないようにしてほしい。(30代・埼玉県)

  • どうもこたつは乾燥しやすい。肌が乾燥しにくいこたつを作って欲しい。(40代・東京都)

  • こたつは冬の生活を快適にしてくれる味方だけど、くつろいでいると足のかかとがガビガビになってしまう。それだけじゃなく顔の肌も乾燥するし、喉もイガイガになってしまうのが不満。(40代・愛知県)

 

こたつは私を・僕をダメにする

最後にご紹介するのはちょっとおかしいけれども切実な声です。

 「こたつに入ると出られなくなる」「家事や仕事、勉強をしたくなくなる」「変な時間に寝てしまう」という声。“こたつの有難さ”が分かる声である一方、「思うように家事・仕事が進まない」「生活のリズムが崩れてしまう」と日常生活に大きな影響をもたらしてしまっている様子が分かる注目すべき声と言えます。こたつは私を・僕をダメにする、と言う不満です。

こたつで寛ぎ過ぎないようにマネジメントしてくれるような機能やサービスがあれば、大袈裟かもしれませんが「こたつと日常生活との両立」が実現でき、こたつへの期待や満足度も更に高められそうです。

  • 寒くなったからこたつを出した。入ると温かくて出られない。夕飯も作りたくない(40代・愛知県)

  • 寒くなったので、こたつ出したら子供も大人もアッという間にダメ人間になってしまった。(40代・北海道)

  • 寒くなってきたからこたつ出したら案の定こたつからでたくない。ついダラダラしてしまう。(40代・新潟県)

  • 寒いからコタツ出したけど、こたつがあると眠くなって変な時間に寝てしまうのが不満。(30代・埼玉県)

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不満の声のまとめ

202411月の注目不満である「こたつ」について生活者の不満の声を見てみました。

そこからは「ズレないでほしい」「綺麗・安心であってほしい」「乾燥しないでほしい」といった様々な期待が見えてきました。

その背景にあるキーワードは『寛ぎ』ではないでしょうか。

こたつは冬のリビングルームの『究極のリラックスタイム』であり、「温まりたい」だけでなく「寛ぎたい」。こたつへの不満からはそんな期待を読み解くことが出来ます。

「寛ぎたいのに余計なことが気になってしまう」ことへの不満に先回りして対応することがこたつ時間の満足度を高めることに繋がりそうです。

そして「寛ぎすぎてダメ人間になってしまう」ことへの自己嫌悪も注目すべき意見です。寛ぎ過ぎないように生活者を誘導・案内・行動換気するような機能も求められているかもしれません。

こたつでの「最高の寛ぎ」のためにまだまだできることはありそうです。

 

最高にくつろげるこたつ、こんなのあったらいいのに。なんとかなんない?

不満買取センタ―に寄せられた「こたつ」に関する不満。そこにはいろいろな「なんとかなんない?」が隠れているようです。

これまでのこたつの「コアバリュー(中心的な価値)」な役割だけでなく、生活者の「寛ぎたい」という期待に先回りする「付加価値」を組み合わせることが商機につながりそうです。

では、どんなアイデアが考えられるのか。今月も「ふーまんの提案コーナー」でご紹介!

 

202411-04

 

ふーまんの提案コーナー

 

前略 家電業界 様
こたつ布団に潜り込んでいくロボット掃除機を開発してくれませんか。ついでに脱臭除菌液を入れておくと噴霧してくれる機能つきなら、なおさら嬉しいです。やっぱりいろんな人の足がはいっているのに、清潔面となると、これまで知っているのに知らないふりをしてきたような気がします。こんなのがあれば、安心して寛げますね。

前略 IT業界 
こたつ時間をマネジメントしてくれるアプリを開発してくれませんか。アクティブ・モードに設定すると、一定時間こたつに入っていると自動でこたつが弱になってスマートスピーカーからは動きたくなるような音楽を流します。またグータラ・モードにすると、やがて適温調整して部屋の照明が消えておやすみタイムに。その時々のこたつ生活をサポートしてください。

前略 レンタルサービス業者 様
こたつ布団を月一で交換してくれるレンタルをはじめてもらえませんか。毎月、色柄も選べたりすると、清潔なうえに気分もリフレッシュ。いっそのことサブスクリプションで、冬の間だけこたつ自体をレンタルしてくれるならもっとありがたいです。あの分厚い布団や机の収納スペースもいらなくて、らくちん、らくちん。

前略 コンロ家電業者 
いっそのこと、こたつの天板にIHヒーターを内蔵してくれませんか。そう「IHこたつ」の誕生です。冬といえば鍋。外食料理店では、掘りごたつのなかにコンロを内蔵しているところを見かけますが、そういえば、家庭用はないような気がします。こたつで鍋三昧、これがあれば、あったかい冬になりそうです。

 

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この記事の著者

伊藤 友博

株式会社Insight Tech代表取締役社長CEO。「声が届く世の中を創る」ことをVISIONに「不満買取センター」を運営。文章解析AI「アイタス」をエンジンとしたSaaS「アイタスクラウド」「不満ファインダー」を提供。VoC(Voice of Customer)からアイデアやイノベーションの種を洞察し、多くの新商品開発・新規事業開発をサポートしている。