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2024.11.08

前略企業様 なんとかなんない?<第1回>注目不満ワード「防犯」

「あなたの不満、買い取ります!!」のキャッチフレーズでおなじみの「不満買取センター」とCOCAMP編集室によるコラボ連載「前略企業様 なんとかなんない?」では、毎月の不満ビッグデータをお届けします。生活者の不満から浮かび上がる顧客価値が、明日のビジネスのヒントになれば幸いです。

不満買取センターとは?

皆さん、こんにちは。株式会社Insight Techで代表をしている伊藤友博です。Insight Techは「声が届く世の中を創る」ことを目指す企業で「不満買取センター」を運営しています。伊藤友博01

不満買取センターは、「あなたの不満、買い取ります!!」のキャッチフレーズでInsight Techが運営するサービス。

生活者が日常生活の中で感じるちょっとした不の気持ちをWEBやアプリを通じて買い取り、AIで査定をしてポイントをお戻ししています。会員の皆さまは500ポイントたまるとギフトコードと交換して頂けます。その仕組みは特許を取得済みです。
 
日々1万件を超える「不満」が寄せられるプラットフォームとなっており、会員は現在74万人、累積で4,500万件を超える“不満のビッグデータ”となっています。
 
アンケートとは異なり、質問形式ではなく、気づいたときに不満を投稿できる仕組み。そのため、バイアス(偏り)がなく、自然発生な不満の声であることが特徴で、そこには”ちょっと先”の”スモールマス”を予感させるビジネスチャンスが隠れています。
 
Insight Techは蓄積された不満のビッグデータを企業だけでなく自治体、政治家の皆様に届け、不満をプラスに変える活動を通じてビジネスを営んでいます。
 
「不満買取センター」についてさらに知りたい方は以下のnoteをご覧ください。

累積4,500万件突破! 改めて、なぜ「不満買取センター」に挑戦するのか

今月より「前略企業様 なんとかなんない?」をお届けします。

「不満買取センター」には日々、世の中のトレンドや社会情勢を反映した不満の声が寄せられています。そんな「旬な不満」を皆さんにお知らせすべく、これまでは伊藤noteにて「今週の生活者不満」と題し、前週の不満に注目しそこに隠れた生活者の期待を皆さんに発信してきました。
 
今月からは更にアップグレード。大広のマーケティングポータル「COCAMP」と伊藤のnoteとのコラボレーション企画として「前略企業様 なんとかなんない?」がスタートします。
 
生活者の日常生活で生まれる「ちょっとした不満」に注目し、そこから「生活を素敵にするヒント」を見つけ、解決できる企業に届けようという連載です。
 
今月から月に1度、不満買取センターの広報部長「ふーまん」がナビゲーターとなり、その月の注目不満から「こんなのあったらいいのに!」「どうにかなんない?」を紐解いていきます。

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今月の注目不満ワードは「防犯」です。

2024年10月のトレンドワード

20241014~1020日週に投稿が増加したトレンドワードです。

202410fuman

住宅街にある一戸建てに強盗が押し入る事件が連続し、また一部ではインターネット上で声がけされた闇バイトで雇われた強盗犯が指示に従い犯行に及ぶなど、ネット社会での顔の見えない繋がりを起点に凶悪な犯行が続き、生活者の中に不安が拡がっています。

そのような背景もあり「これまでの防犯対策では不十分」との不安が一気に広がった一カ月だったと言えそうです。具体的にどのような「防犯」にまつわる不満・不安が寄せられたのか、実際の声を見てみましょう。

 

防犯対策をサポートして欲しい

まず目立ったのが、自宅、特に一戸建ての防犯対策についての声です。「物騒になったので防犯カメラや二重ガラスにしたい」といった対応の必要性を感じつつも「負担が大きいので自治体や国の補助対象として欲しい」といった要望が多く聞かれました。

省エネにつながるリフォームや家電の買い替えに対しては補助制度があることを踏まえると防犯対策に資するリフォームに対しても補助が必要とされているのは納得です。

  • 国や自治体で住宅リノベーションに対する補助制度があるが、二重窓とかドアリフォーム対象なのか。防犯性の高い窓も対象にしてほしい。(大阪府・50代・女性)
  • 民家に押し入り強盗が立て続けに起こっているのが恐ろしい。住宅メーカーも基本的に鍵を二重にするとか、警報装置を設置するとか工夫が必要。自治体も防犯上の対策に援助や指導をして欲しい。(東京都・60代・女性)
  • 最近は凶悪な犯罪が多いので自宅の防犯カメラ設置を推進して欲しい。補助金とか出してくれると助かるのに。(奈良県・40代・男性)


 自宅に限らず、外出先でも防犯強化を

自宅に限らず、外出先でも不安を感じる場面が多いようです。

ショッピングモールのトイレなどはブザーが設置されることも多くなり防犯対策が強化されていますが、それ以外にも、24時間使えるジムなどでも防犯対策への期待が高まっているようです。高級車の窃盗事件が増える中で月極駐車場の防犯対策が期待されているのも納得です。

確りと防犯対策していることで得られる安心がビジネスの付加価値として今まで以上に期待されつつあるようです。傘が盗まれないコンビニ、なんていうのも日常にちょっとした安心をもたらしそうですね。

  • 24時間使えるジム なのは ありがたいですが、店員が一人もいないので防犯対策が防犯カメラだけなので何かあった時 危ないのが不満。やはり 1人ぐらい 監視の男性店員さんを置いて欲しいです。(愛知県・40代・女性)

  • 月極駐車場に防犯カメラがなくて不満。車上荒らし対策で設置するようにして欲しい。(岐阜県・30代・男性)

  • コンビニの傘立てにおいた傘がパクられる。普通に窃盗なので防犯カメラの写真でも貼って注意喚起してほしい。なんのための傘立てか分からず使用頻度が減り店内がびちゃびちゃになってもいいのか?(石川県・20代・女性)

 

情報を守ることも防犯対策としてタイセツ

また、防犯カメラや侵入対策など物理的な備えだけでなく、情報管理、特に個人情報に関わる情報の取り扱いについて細心の注意を払って欲しい、との意見も多く寄せられています。

自分が細心の注意を払っても、サービス利用時や他者とのかかわりの中で情報が無防備になる状態を避けたい、との強い不満が寄せられており、日常生活の安心を担保するうえで重要な要素となっていることがうかがえます。

  • 通信販売の置き配に不満。荷物を玄関先に置くのはしょうがないけれど、住所や名前などが書かれたラベルを他の人に見られてしまうような置き方はしないでほしい。表札を出していないにもかかわらず、住人の名前が他人に知られてしまうのは、防犯上問題がある。(東京都・40代・女性)

  • マンションのポストに宅急便の不在票が入っていた。確かに外出はしていたのだが、不在票がポストの外から見えてしまっていて、荷物の届元の情報や私が不在であることが分かってしまう状態になっていた。防犯上、外から他の方が見えないようにしてほしい(東京都・50代・男性)

  • 病院でオープンなスペースで自分の症状を聞かれた。それは仕方ないとおもいつつも、家族構成も聞かれてしまい、一人暮らしなのかどうか、周囲に聞こえる状態で防犯上、とても不安に感じた。病院は機微な情報を扱っている前提で会話して欲しい(東京都・60代・男性)

 

ご近所の繋がりで抑止を

更に、受動的な対策だけでなく、地域の防犯活動に目を向ける生活者からの声も寄せられました。「ご近所の挨拶」や「ご近所の繋がり」が防犯上の抑止力になるのでは、との意見です。とはいえ様々なライフスタイルや嗜好を持つご近所の皆さんとリアルな仕組みだけで繋がるのは難しいのも実情です。

そんな実情を踏まえ、「オンラインでご近所と繋がれる防犯対策サービス・アプリ」のようなものを期待する声も寄せられています。オンラインでの繋がりを起点に犯罪が発生することが増えているように、オンラインのご近所の繋がりを起点に犯罪を未然に防ぐ時代になりつつあるのかもしれません。

  • 今は引越ししても挨拶しないのが当たり前に不満。わざわざ来なくでもいいから会った時でもいいから挨拶して欲しい。そうでないと、ご近所でもどんな人が住んでいるかわからなく、不審者がいても気が付かない可能性がある。防犯面でも不安。(埼玉県・50代・女性)

  • ご近所の方々と地域の防犯対策や治安強化に向けて話し合えるオンラインのグループやサロンがあればいいのにと思う。リアルではなかなかお会いできないが、オンラインであれば様々な情報を持ち寄れるし、オンラインとはいえご近所のつながりが抑止力になる部分もあるのではないか。そういったサービスがあればいいのに。(千葉県・30代・女性)

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不満の声のまとめ

202410月の注目不満である「防犯」について生活者の不満の声を見てみました。

そうすると、自宅における防犯対策はもとより、外出先や移動先など自宅以外での防犯対策が期待されており、これがサービスや店舗を選ぶうえでの付加価値として重要になりつつあることが分かりました。

また、侵入対策などの物理的対応だけでなく「自分の個人情報が適切に管理されているかどうか」も心配の種となっているようです。昨今ニュースで話題になる強盗事件において個人情報の流出や売買が起点になっていると言われていることと関連が深そうです。

加えて、防犯対策を強化する上では「ご近所の繋がり」が大切であるとの問題提起も。オンラインで地域の防犯対策をシェア・議論する場が欲しいといったアイデアも寄せられています。

総じてみると、この202410月は、様々な事件を契機に日常生活の「安心」において「防犯対策がしっかりとしている?」ことの重要性が一気に高まった一カ月と言えそうで、その上で、防犯対策に主体的に取り組んでいきたい、という能動的な意識が高まった一カ月とも言えそうです。そういった主体的な取り組みをサポートする商品・サービスに商機あり、です。

 

防犯対策、こんなのあったらいいのに。なんとかなんない?

不満買取センタに寄せられた「防犯」に関する不満。そこにはいろいろな「なんとかなんない?」が隠れているようです。

特に注目すべきは「防犯対策しようにもその対策自体が安心なのかどうかわからない」ことが次の不安を生む悪循環が生まれている可能性がある点です。防犯対策自体の安全性をなんらかの基準で評価することが真の安心を生み出す上で必要とされているかもしれません。

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ふーまんの提案コーナー

 

前略地図アプリ運営企業様
マップにエリアや施設の防犯対策を評価し、お墨付きを与える評価サービスをはじめてくれませんか。そのアプリを見て安全度がひとめで分かれば、旅先の道歩き、夜の帰り道とか、とっても便利ですね。新生活を始める若い人たちには、住まい探しをするときにとても有難いはずです。

前略教育関連サービス企業
子供から大人まで、オンラインで防犯意識を高めるための教育コースやワークショップを提供してくれませんか。特に幼少期からの意識づけはとっても大事。犯罪に巻き込まれないようにするには、成長につれて内容が変わっていく教育プログラムがいいですね。学校への出前授業も需要があると思います。

前略電力会社様
全国に張り巡らた電信柱をスーパー活用。引き込み線と防犯カメラをセットにして敷設。AIによる24時間監視サービスを提供してはもらえませんか。全国が無理ならせめて通学路だけでも。背の高い電信柱目印になります。その近くを歩けば安心となれば、子供たちはもちろん、親御さん、先生も、とても助かりますね。

前略マンション管理会社様、町内会
「防犯・防災」を起点にご近所さんと繋がれる共助アプリ・コミュニティサービスIT企業様に開発してもらい、それを地域一丸となって採用してくれませんか。SNSはやっていても個人でのつながりだけでは限界があります。個人情報は守りつつも、他のSNSサービスから危険情報だけを吸い上げて、みなさんで共有できるようにしたいですね。

前略ロボット開発企業様
新しいタイプのロボット犬、つまり防犯犬を開発してくれませんか。侵入者が来たら吠えまくる番犬として飼いたいと思います。もちろん家族や知り合いは、予め顔認証を済ませておけば、見ず知らずの人だけに吠えることができます。ご主人様だけには優しくてかわいい素振り、老後の癒しにもなれば最高ですね。

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この記事の著者

伊藤 友博

株式会社Insight Tech代表取締役社長CEO。「声が届く世の中を創る」ことをVISIONに「不満買取センター」を運営。文章解析AI「アイタス」をエンジンとしたSaaS「アイタスクラウド」「不満ファインダー」を提供。VoC(Voice of Customer)からアイデアやイノベーションの種を洞察し、多くの新商品開発・新規事業開発をサポートしている。