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2025.05.19

LTVが高い人はロイヤル顧客?増やすには?顧客との対話の中にヒントがある?

自社にはロイヤル顧客がいない、ロイヤル顧客が誰なのかわからない、という声を聞くことがあります。ロイヤル顧客はいるけれど、どうしていいかわからないという声も。そこで、本コラムでは、どのような人がロイヤル顧客なのか、どうやってロイヤル顧客を見つけるのか、ロイヤル顧客を活かすには、そして増やすにはどうすればいいのか、について考察します。みなさんがロイヤル顧客について考えるきっかけになれば幸いです。

どのような人が自社のロイヤル顧客なのか?

LTVが高い人がロイヤル顧客?

一般的に、長く購入してくれている、使い続けてくれている人、つまりLTV(顧客生涯価値)が高い人がロイヤル顧客で、その人はブランドに愛着と信頼を持っていると言われています。ですが、購入頻度と購入金額が高い人=LTVが高い人が本当にロイヤル顧客なのでしょうか?その人は、商品やそれをつくる企業に愛着と信頼を持っているのでしょうか?

その顧客は何でも良いと思っていて、たまたま近所の店舗で買えるから商品を手にとっているかもしれません。だとすると(何度も使っているから多少の愛着も生まれているかもしれませんが)その人が買い続ける理由は「近所で売っているから」ではないでしょうか。LTVが高い人は優良な顧客ではあるけれど、必ずしもロイヤル顧客ではないのではないでしょうか。

ロイヤル顧客と呼べるのは、理由のある買い物行動をする人。

ロイヤル顧客と呼べるのは、「どうしてもコレが良い」とわざわざ遠くの店舗まで、そのブランドを求めて買いに行くような人です。もし店舗の店頭からいつも買うブランドがなくなったら「どうしてなくなったのか」を訊ね、「また置いてください」と要望するような人です。わざわざ遠くまで買いに行く、要望を発信するという買い物行動をする、それだけの理由を持っている人です。そういうロイヤル顧客を見つけることが、ビジネスを改善するために大きな意味を持っていることは言うまでもありません。

ロイヤル顧客は誰なのか?どこにいるのか?

顧客データの中にロイヤル顧客候補を見つける

ロイヤル顧客を見つけるために大切なのが顧客データです。顧客データといっても、実にさまざまなデータがあります。いくつかを上げるなら「ID-POSのデータ」「オンラインストアの購入データ」「SNSの投稿・コメント・いいね!やシェアのリアクションデータ」「アンケートなど調査データ」「ウェブ解析ツールのデータ」「ポイントプログラムの会員データ」「カスタマーサポートのデータ」「イベントやキャンペーンのデータ」などです。

これらのデータからロイヤル顧客候補を見つけるには、まず自社はどういうデータが利用できるのか、ロイヤル顧客の基準をどうするか、を決めなければなりません。たとえば小売り業者なら次のようなやり方がありそうです。ID-POSのデータを使って、売上の金額を決済完了者数で割ると平均購入額がでます。これを基準に、自社のポイントプログラムの会員になっている顧客を対象に、購入金額が基準の○倍以上の人を選びます。その後、理由のある買い物をしているかどうかを見極めます。

ロイヤル顧客たりえるブランドの選択理由を持っているか? 

ここで「顧客がどのような理由で買い物をしているかがわかるデータなんてない」という声が聞こえてきそうです。多数の人を対象にデプスインタビューをするなど本音を探ることができればいいですが、そこまで時間とコストを費やせないということもあるでしょう。では、どうするか。

どの人が理由のある買い物をしているか、データから推察できればいいのです。同じカテゴリーの商品を買っている人の中には、金額の高いプレミアムな商品を買い続けている人、ずっと同じ商品を選んでいる人がいるはずです。この人たちは「何でも良い」と思って買い物をしているのではなく、「コレが良い」とこだわって買い物をしていて、ブランドを選択する理由を持っていそうです。また離脱しにくい人たちであるとも言えそうです。こういうブランドの選択理由を持って買い物行動をする人たちをロイヤル顧客と定義します。

ロイヤル顧客を活かす戦略は?

ロイヤル顧客には潜在力がある

ロイヤル顧客はもっと買ってくれる可能性という潜在力を持っています。その潜在力を引きだすにはどうしたらいいでしょうか?たとえば、あなたが眼鏡屋さんだったとします。いつも眼鏡を購入してくれているロイヤル顧客の中には、ファッションアイテムとして毎年あるいは季節ごとに買い替える人もいれば、実用品として少し良いものを一つだけ買ってなかなか買い替えない人もいます。さあ、どういう戦略と施策でいきましょうか?

より理想的な買い物行動をするグループへ移動を促す

全てのロイヤル顧客に対して、早いサイクルで買い替えを提案しても労力とコストがかかるだけで、効果は期待できそうにありません。まずは、2つのグループを明確にセグメントして、ファッションアイテムとして毎年買い替えるグループに移動するであろう人へアプローチするのがポイントです。そのために、さまざまな顧客データを分析して、アプローチ次第で購入頻度が高くなる可能性のある人を見つけます。

そうして見つけた人へ向けた施策を考えるわけです。ぜひやってもらいたいのが、顧客のペルソナとカスタマージャーニーを書きだすことです。顧客はひとりひとり好みも違うし、住んでいる場所や仕事、生活パターンもさまざまなのでたくさんのパターンが出てくると思いますが、いちばん良い顧客のペルソナとカスタマージャーニーはひとつかふたつくらいになるはずです。その作業で得た発見が具体的なアプローチのタネになります。

※顧客戦略ついてもっと知りたい方へ
ダイレクトマーケティング実践講座〈第7回〉顧客戦略①顧客構造と顧客ステージ
ダイレクトマーケティング実践講座〈第8回〉顧客戦略②顧客ステージごとの特徴を詳細に解説
ダイレクトマーケティング実践講座〈第9回〉顧客戦略③カスタマーシェアと収益化

ロイヤル顧客を増やすには?

ロイヤル顧客はもっと買ってくれる可能性という潜在力を持っていると書きましたが、ならば、増やしたいと思うのが人情です。そうでない人をロイヤル顧客にするには、どのような戦略と施策が考えられるでしょうか?いろいろあると思いますが、ひとつは「欲求の喚起」です。「欲しい」と思わなければ顧客は行動しません。先の眼鏡屋さんの例で言うなら「この店で買いたい」と思ってもらう必要があるということです。

デジタルマーケティングはロイヤル顧客を増やすのが苦手?

欲求を生み出す施策の手がかりとして、データはあんまり参照できません。だからデジタルマーケティングは苦手だったりします。デジタル上で得られるデータは、既に欲しいもののイメージが決まっていて検索した既存のニーズだからです。先の眼鏡屋さんの例でこの既存のニーズに応えた施策を考えると、商品が必要とされるシーズンやモーメントに「新学期!新しい眼鏡でスタート!」というような訴求をすることになります。「新学期」というモーメントには、競合はもちろん様々なブランドが同様の訴求をしていることもあって、あんまり欲求は喚起されないのではないでしょうか。

顧客が気づいていない欲求を喚起する

では、「この春は、まぁるいカタチの○○コラボデザイン!」と少し早い時期に訴求したらどうでしょうか。「○○コラボ、よさそう」と思ってもらうことが可能ではないでしょうか。これは、先回りして提案することで、顧客自身が気づいていない欲求を喚起する取り組みです。顧客の買い物サイクルを前倒しにすることが可能で、競合と同じ時期に売らなくてすみますし、シーズンやモーメントにもう一度違う商品を買ってくれるチャンスも増えます。

だったらマスコミュニケーションで不特定多数に発信したら、もっと売れるのでは?と思いませんでしたか?マーケティング費用をかけてもいいならオッケーですが、費用対効果が良いとは言えません。今、自社の顧客ではない人を顧客にするにはコストがかかります。ロイヤル顧客を増やすことが目的なら、自社のロイヤル顧客ではない顧客に向けてCRM施策やSNSによるコミュニケーションで、できるだけ早い段階にアプローチすることをおすすめします。

本人も気づいていない顧客の本音が探れるか?

欲しいかどうかが決まっていない顧客の欲求を喚起するために、先回りして提案するには顧客像がわかっている必要があります。これから何をしようとしているのか?どこへ行こうとしているのか?そういうことが分かっていて、ブランドの価値を提案しないと「欲求」は生まれません。では、どうやって顧客像を描けばいいのでしょう。

顧客の本音は顧客との対話から見つける

その方法のひとつに、顧客との対話があります。顧客と直接対話するコミュニケーションで得られる情報の幅が広がります。たとえば、対面販売だと接客で顧客と対話中に「少し嫌な表情だった」「うれしそうだった」など顧客の反応もわかります。眼鏡屋さんを例にすれば、対話と反応の中から、本人も気づいていないけれど「まぁるいデザインとかシャープなデザインとかにこだわりはなさそう」で「着け心地や軽さにこだわりがありそう」というような本当のニーズが見えてきます。

※ロイヤル顧客育成についてもっと知りたい方へ
ロイヤル顧客は、どのように育っていくのか〈第1回〉ロイヤル顧客から、「アンバサダー」へ
ロイヤル顧客は、どのように育っていくのか〈第2回〉「商品アンバサダー」と「企業アンバサダー」
ロイヤル顧客は、どのように育っていくのか〈第3回〉最上位の顧客「協創アンバサダー」
ロイヤル顧客は、どのように育っていくのか〈第4回〉ロイヤル顧客を生み続ける仕組み
ロイヤル顧客は、どのように育っていくのか〈第5回〉LTV向上のカギはファンコミュニティサイト

ロイヤル顧客を見つける・活かす・増やす「ダイレクトドリブンマーケティング」

ダイレクトドリブンマーケティングとは?

顧客の属性や購買履歴、アンケートやインタビューで収集した顧客の声などを起点に、売る仕組みとコミュニケーション施策を設計・実施し、ビジネスの成果に結びつけることを大広は「ダイレクトドリブンマーケティング」と呼んでいます。ロイヤル顧客を見つけて、活かして、増やすことでビジネスに成果を生み出す戦略・施策も「ダイレクトドリブンマーケティング」のひとつです。

ダイレクトマーケティングが洗練させてきたロイヤル顧客戦略

黎明期から通販ビジネスをサポートしてきた大広には、顧客を起点にビジネスを動かすダイレクトマーケティングの知見が豊富にあるのです。もちろんロイヤル顧客を見つけて、増やして、活かすという知見もたくさん持っています。ひとつご紹介しておきます。顧客をロイヤル顧客に育て、アンバサダーとしてビジネスを共創していく「アンバサダーハリケーンモデル」。通販ビジネスでロイヤル顧客育成に携わってきた大広独自のソリューションです。関心がありましたら、下記より資料をダウンロードしていただけます。

※アンバサダーハリケーンモデルについて資料が欲しい方はこちら

「対話」により顧客の本音を探る~DeepDialogueデザイン

ロイヤル顧客を増やすために、顧客の本音をどうやって見つけるか?という問題にも、大広は解決策を持っています。それが「DeepDialogueデザイン」です。顧客との対話が上手くできない、対話から得た情報をを上手く活用できないという悩みをお抱えの方のお役に立てると思います。ロイヤル顧客育成だけでなく、新製品開発や事業開発、ブランドの見直しなど課題に応じて、いくつかのソリューションの中から最適なものを提供することができます。

ダイレクトドリブンマーケティングとDeepDialogueデザインについて、もっと話が聞きたいという方は、下記よりお気軽にご相談ください。相談無料です。

最後まで、お読みいただきありがとうございました。大広COCAMPでは、これからもダイレクトマーケティング・D2C事業に関するコラムに関するコラムを掲載してまいります。まだメルマガ未登録の方は、これを機会にぜひ、下記よりご登録ください。

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この記事の著者

COCAMPダイレクトマーケティング部

(株)大広が培ってきたダイレクト・マーケティングの知見やノウハウを発信するチーム。 通販の初期から今に至るまで、変化する時代と顧客を見続けてきた第一線のプロデューサーやスタッフをメンバーに、ダイレクトビジネスの問題や課題を、顧客価値の視点から解いていきます。