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2024.07.09

ペルソナマーケティングとは?改めて知っておきたいメリットや設定方法を解説

ペルソナマーケティングとは

企業が施策を検討する際に、ターゲットとなるユーザーへの理解を深めることは、当然のことながら重要です。ペルソナマーケティングは、適切に取り組むことでユーザーについての理解が深まるだけでなく、プロジェクトが円滑に進みやすくなります。この記事では、ペルソナマーケティングのメリットや注意点、活用事例などを詳しく解説します。

ペルソナマーケティングとは

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(ペルソナマーケティングとは)

 ぺルソナマーケティングとは、名前や年齢、性別、趣味、消費行動など具体的な属性を設定したペルソナ(モデルユーザー)をもとに、施策の最適化や分析を行うマーケティング手法のことです。ペルソナを設定する際の一般的な項目としては、上記に加えて家族構成やライフスタイル、価値観などがあり、企業や商品によっても異なります。詳細かつ具体的な人物像を設定することにより、顧客視点でものごとを考えやすくなるほか、プロジェクトを進めるメンバー間で顧客像の共通認識も持てることから、施策推進の助けとなるでしょう。

ターゲットとペルソナの違い

ペルソナとよく混同される言葉に「ターゲット」があります。ターゲットとは、アプローチしたい実在のユーザー層を指すのに対し、ペルソナは自社が想定した象徴的な仮想ユーザー像を指すのが主な違いです。たとえば、ターゲットは「30代男性」のような基本情報や「大阪府に住む主婦」など、大きなくくりでまとめられた対象となるユーザー層を指します。対してペルソナは、年齢や性別といった基本情報のみならず、趣味嗜好や外見、休日のすごし方や通っている習い事、よく使うSNSといった項目まで、細かく設定します。このように、ターゲットとペルソナでは人物像の詳細度が違うともいえるでしょう。

ペルソナマーケティングは古い?

AI技術やSNSの発達で、顧客との接点が作りやすくなり、パーソナライズマーケティングが以前よりも易化された昨今では、ペルソナマーケティングの必要性に懐疑的な意見もあるようです。しかし、多様化するユーザーニーズの一つひとつを分析するためには、各ターゲットをより細分化していくことが必要です。そのため、ペルソナマーケティングは現在もなお有効な手法であるといえます。これまで以上に詳細な設定で、ペルソナマーケティングに取り組むことが大切といえるでしょう。

ペルソナマーケティングのメリット

ペルソナマーケティングに取り組むメリットは、下記の通りです。

  • 顧客イメージがしやすくなる
  • メンバー間での共通認識を持てる
  • 方針が決まりやすくなる

顧客イメージがしやすくなる

ペルソナマーケティングでは、趣味嗜好や休日のすごし方など、人物の情報を詳細に設定します。そのため、顧客ニーズや消費行動といった、マーケティングにおいて重要なポイントをイメージしやすくなるのがメリットです。商品・サービスを調べる時間帯や、購入するきっかけ、利用する状況などを具体的に想像できれば、より効果的なアプローチができます。

メンバー間での共通認識を持てる

ペルソナマーケティングを行うと、ターゲットのイメージ像が明確になるため、チームメンバー内で共通認識を持てます。たとえば「20代女性」とターゲットを設定するだけでは、メンバー一人ひとりの20代女性に対するイメージに、少なからず齟齬が生じるでしょう。ペルソナを設定して共通認識を前提に施策に取り組めば、すり合わせのミーティングやコミュニケーションなどに要するリソースを節約できます。

方針が決まりやすくなる

ペルソナマーケティングは、方針が決定しやすくなる点もメリットといえるでしょう。詳細に人物像を想定して分析を行うため、その人物像に不必要な施策を排除しやすく、メンバー内で挙がるアイデアもスムーズにまとめられます。加えて、ペルソナの気持ちや行動を前提とするため、施策を検討する際も「この一文は余計」「施策実行はこのタイミングがよい」といったように、取捨選択の判断もより明確化されます。よって、その後も方針がぶれにくくなり、方針変更に伴って生じるコストも削減できるでしょう。

ペルソナを作成する流れ

ペルソナを作成し、マーケティングを進めていく流れは、以下の通りです。

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(ペルソナを作成する流れの図解)

[ 1 ] 自社分析
[ 2 ] 情報収集整理
[ 3 ] ペルソナの要素選定
[ 4 ] ペルソナ作成
[ 5 ] 施策への反映と改善

[ 1 ] 自社分析

まず行うべきことは自社の分析です。商品の強みや弱みをはじめとした、自社への理解を深めることから始めましょう。

【取り組む際のポイント】
Customer(市場・顧客)とCompetitor(競合)、Company(自社)の3つのCについて環境分析するフレームワークである「3C分析」を使う

自社を客観的に分析することで、ペルソナを設定する際の精度が高まります。3C分析からKFSKey Success Factor = 事業成功への鍵となる要素)を抽出し、戦略の方向性や目標を定めていくとよいでしょう。

[ 2 ] 情報収集整理

次に、顧客に関するデータを中心に情報収集を行い、整理します。ペルソナの要素を詳細かつ具体的に設定できるよう、なるべく多くの情報を収集しましょう。商品・サービスを利用してほしい大枠のターゲット層を最初に決めて進行すると、リサーチしやすくなります。

【取り組む際のポイント】 自社の顧客についての情報を事実ベースで集める

大枠のターゲットを分析すると同時に、ペルソナが非現実的な設定とならないよう、顧客の実態を明確にしましょう。アンケートやこれまでの顧客データ、商品にまつわるUGC、サイトへのアクセスデータなどを参考にすると、正確な情報を収集できます。

[ 3 ] ペルソナの要素選定

収集した情報を精査し、ペルソナ設定にあたって必要な項目を決めていきます。項目例には以下のようなものが挙げられます。

  • 基本情報(年齢や性別、家族構成など)
  • キャリア(学歴、職歴、現在の職種、仕事への向き合い方など)
  • 内面(性格、趣味嗜好など)
  • ライフスタイル(起床・就寝時間、休日のすごし方など)
  • 情報収集の方法(SNS、ネット、雑誌など)

ペルソナの項目はさまざまあるため、詳細に設定していく段階で膨大な数となり、なかには商品やサービスと関連性が低いものも出てきます。自社のサービスに合わせ、必要な項目を精査しながら設定していくことが大切です。

[ 4 ] ペルソナ作成

収集した情報から項目が確定したら、ペルソナを作成していきます。

【取り組む際のポイント】
商品・サービスとの関連性がある、優先度の高い項目から設定していく

余計な工数をかけないために、優先すべき項目を正しく選定し、効率的に取り組むことが大切です。具体的には、基本情報や使っている情報収集ツール、生活スタイルなど、商品との接点になる項目を優先しましょう。その際、顧客が商品・サービスを認知し、購入・契約までの一連のプロセスを可視化できるカスタマージャーニーマップを作成すると、メンバー内での共通認識がより強固なものとなります。

[ 5 ] 施策への反映と改善

ペルソナマーケティングは、ペルソナを設定して完了するものではありません。企画やプロモーション施策等にペルソナを反映させて実行し、繰り返し改善を行います。

【取り組む際のポイント】 改善の際に複数のペルソナを設定しない

新たに生まれた課題は、「〇〇(ペルソナの名前)ならどうする?」といった問いで現状を振り返りながら解決していくとよいでしょう。なお、多くの顧客ニーズを拾ったり課題を解決したりするために、新たに別のペルソナを設定することは極力避けましょう。ペルソナを何人も設定すると、本来の主軸となるターゲット層が不明瞭になるほか、社内での共通認識も薄まってしまいます。

 

ペルソナマーケティングを行う際の注意点

ペルソナマーケティングをするには、以下のような点に留意しましょう。

  • 自社の理想を詰め込まない
  • 従来の顧客イメージに捉われ過ぎない
  • 定期的な見直しとアップデートを行う

自社の理想を詰め込まない

ペルソナは企業側の思い込みで作成すると、実情との齟齬が起き、戦略がうまく作用しないというリスクが高まります。

【失敗例】
少人数で結成されたメンバー内の意見のみでペルソナを設定し、実際のターゲットとの乖離が生じた

ペルソナの設定は、年齢や性別といった大きな要素ほど、固定概念に捉われやすくなりがちです。チーム内だけでなく社内の別部署から意見をもらうことで新たな視点が生まれ、ペルソナの客観性が高まります。チームメンバーで意見をまとめる際は、多数派の意見を積極的に採用したり、ペルソナがその要素を含んでいると判断した根拠を確認したりするとよいでしょう。

なお、SNSやアンケートなどで情報のエビデンスを取っておくと、複数人でペルソナを見直す際もそれらを踏まえた改善ができ、軸がぶれにくくなります。

従来の顧客イメージに捉われ過ぎない

既存顧客を想定すると、新たなマーケティング戦略を生み出しにくくなります。

【失敗例】
これまでの顧客データのみでペルソナを設定してしまい、既存の顧客イメージになってしまった

既存の顧客データだけでなく、SNSの口コミや競合を分析し、これまでになかったユーザーニーズや顧客価値を見つけることも大切です。

定期的な見直しとアップデートを行う

丁寧にペルソナを設定しても、時流や世相の変化によって、実際のユーザーと乖離が起きていくこともあります。

【失敗例】
男性が憧れる男性のイメージとして、「格闘技好き、毎日ジムに通う、マッチョな男性」というペルソナを設定していたが、時代の流れとともに男性が憧れる男性像が変化し、方向性がずれてきてしまった。

社会やトレンドの変化といった外部要因で、ターゲット層が大きく変わる可能性もあります。ユーザーニーズや既存顧客の傾向などを常に追いかけ、設定したペルソナに違和感が出てきたら、アップデートを検討しましょう。

 

ペルソナマーケティングの活用例

ペルソナマーケティングの具体的な活用方法として、カフェを立ち上げるシチュエーションを例に取って考えてみましょう。ペルソナは以下のように設定します。
personaKPI達成のために、上記のペルソナにカフェを頻繁に利用してもらえるような戦略を練っていきましょう。たとえばカフェの内装は華やかにせず、コンクリートを使ったスタイリッシュにしたり、1人で来店することを考慮し、ゆとりのある1人用のソファ席を設けたりなど、ペルソナの趣味嗜好に合わせた仕様にするのも戦略の1つです。

まとめ

ペルソナマーケティングは、多くの場面で使われます。メンバー内で合意形成されたペルソナは、社内の共通認識を強化するのに有効です。ただし、客観性を持ってペルソナを設定していかなければ、思うように成果を出せなくなるリスクもあるでしょう。「顧客への理解度をさらに深めたい」「新たな視点で施策を検討したい」といったマーケティングのご相談は、ぜひ大広にお問い合わせください。

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この記事の著者

COCAMP編集室

「ビジネスは、顧客価値でおもしろくなる」をコンセプトに、ビジネスにおける旬のキーワードや課題をテーマに情報発信しています。企業の大切な資産である「顧客」にとっての価値を起点に、社会への視点もとり入れた、事業やブランド活動の研究とコンテンツの開発に努めています。